透明の「扉」を開けて R18

美黎

文字の大きさ
上 下
7 / 22

未だ残る 抵抗 ☆☆☆☆

しおりを挟む

「ふむ?大丈夫、じゃない?」

繭から出るのは、意外と簡単だった。


「思えば」、出れたしなんならそのまま
マシュマロの上で、目が覚めたのだ。
やはり、寝ていたのだろうか。

「………ふむ?」

とりあえず身体を確認して、異常が無い事を確かめる。

そう、体の中にはあの「液体」が
廻っているけれど。


 これって どう なって るの ???

流石の私もあの「液体精液」が血液中を巡るとは思っていない。

でも。

「実際、「廻って」るんだもんなぁ………後で………。えっ?イストリアさん??ウイントフークさんは無理だし???」

とりあえず、イストリアかラエティア………しかし、まじない関連ならばやはりイストリアが良いのだろう。
また後で確認しようと決め、とりあえず立ち上がり
姿も確認する。


羽衣の様な衣装を着ている自分はやはり、見た感じは「真っ白」である。

「あ。」

神域に、鏡があった事を思い出してぐるりと見渡し大きなそれを見つけた。

あの、大木の側にある。


 ああ 私  「あの中」に。

 いたんだ


その象牙質の大木を目に映すと、「自分の繭」があの中にあった事が知れる。
どうしてなのかは解らないが、きっと「あれ」は「源」の様なものなのだろう。

 そう  ここ神域

  ずっと ずっと  昔から ある

 あれは   私 の 源


それも、わかる。


「  ふぅむ?」

なにしろ「また変容」した、自分の姿を映しに
鏡の前へ移動する。
それも、「思えば」。

流れる様に移動出来て、自分が「歩いているのか」「滑っているのか」。
微妙な感じだ。

「でも、ちゃんと「足で」歩きたいよ………まだ。」

ポツリと独り言を言うと「その通り」になったのが、わかる。

きっと、これまでよりも「跳べる」様になった私
しかしまだ。

 
 私は 人間ひとに 未練があるのだろう。


 「完全に 狭間」とも 思ったけど。


「なんか。まだ。早い………うん、足が衰えるといけないし??」

謎の理由を付け、とりあえず鏡の前へ一歩立った。


 あら。  ふむ?  ほう?

見た目はやはり、「ディディエライト」そっくりである。

でも多分。
ディーを直接、見た事があるのは私だけだ。

他の人が見れば「白い私」には、違いない。

「なら、いっか。」

ムニムニと頬を揉み解し、ニコリとすると
少しだけ頬がピンクに染まった。

なんだか、「真っ白」過ぎて。

凡そ、「人間感」が無かったからだ。

しかし表情を付け、頬が上気するとなんだかマシになってきた。

「大丈夫か、これ。」

でも、とりあえず外に出ない選択肢は、無い。

「とりあえず、戻るか。じゃあ、お願い。」

そう言って、目を瞑ると。
見慣れた青縞の廊下へ、「パッ」と場面が
変わったのである。





 話し声が する。

多分これは朝とイストリアだ。

ウキウキと扉へ向かい、少し開いていた食堂の入り口へ立った。

「私に気付くかな」そんな、軽い気持ちだったのだ。
みんな驚くかな、なんて。

そう、私が「甘かった」ので ある。



 あ イストリアさんだ! 朝も いるし

 シリー!心配してたよね! ごめんね………


って。   あ   あ れ ?????


そう、視界に入ったのは意外な「あの色」金色である。

 え

途端に「ポッポ」としてくる頬
「ザワリ」と 開く毛穴

自分が 赤くなってきたのが 体感で わかって。

 
  やば い

それを抑えようと「ぐっ」と自分を抱え、腕に力を入れると。


    ぇ ?

そう、「ブワリ」と。

脚の間から液体が出たのが 解って。

 
  なん で   まず  い

    え   やだ   恥ずかしい

咄嗟に出てくる「恥じらい」とぐるぐる、しかし私になす術はなく
焦りを出すと同時に立ち上がった金色が、わかる。


 え なに   でも 「原因」が
  こられても  こま る

 いや   え  ???


そうこうしているうちに。

パッと私を抱え跳んだ金色、一瞬「大丈夫」という、あの優しい薄茶の瞳が見えて。

少しだけ溶けた焦り、しかし再びの「いろ」への「反応」、溢れる「液体」に。

なにしろ私はぐっと体を硬くして。

とりあえず、彼の腕の中 縮こまって いた。





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

優等生の裏の顔クラスの優等生がヤンデレオタク女子だった件

石原唯人
ライト文芸
「秘密にしてくれるならいい思い、させてあげるよ?」 隣の席の優等生・出宮紗英が“オタク女子”だと偶然知ってしまった岡田康平は、彼女に口封じをされる形で推し活に付き合うことになる。 紗英と過ごす秘密の放課後。初めは推し活に付き合うだけだったのに、気づけば二人は一緒に帰るようになり、休日も一緒に出掛けるようになっていた。 「ねえ、もっと凄いことしようよ」 そうして積み重ねた時間が徐々に紗英の裏側を知るきっかけとなり、不純な秘密を守るための関係が、いつしか淡く甘い恋へと発展する。 表と裏。二つのカオを持つ彼女との刺激的な秘密のラブコメディ。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》

小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です ◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ ◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます! ◆クレジット表記は任意です ※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください 【ご利用にあたっての注意事項】  ⭕️OK ・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用 ※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可 ✖️禁止事項 ・二次配布 ・自作発言 ・大幅なセリフ改変 ・こちらの台本を使用したボイスデータの販売

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

処理中です...