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場所 ☆
しおりを挟む「あんたが一番落ち着く場所、なんか。そう、「そっち側」みたいな所って、無いの?」
「…………………………ある。」
「なら、その方がいいかもね。やっぱり…多分「空気」まで感じ取っちゃうあんたなら、きっとその方がいい。」
それは 凄く わかる。
確かに。
想像だけ でも 神域 ならば
「私の場」ならば。
少なくとも?
「素直」?「恥ずかしさ」は ない? いや
「薄れる」かも ???
「えっ、でも、なんか、いいのかな…………そんなことして 」
「神域で」
チラリと覗く 少しの「罪悪感」
しかしそれをバッサリと切るレナ。
「あんたねぇ……………だから!それは「悪い事」でも、なんでもなくて。二人が良ければ、それで良いんだしそもそも「あんた達二人」よ??何の「問題」が、あるのよ。今更だわ。」
「今更……………」
確かに。
ある意味あの、金色の焔の中は彼の「神域」では
あるのだろう。
そこで。
いや そんな ? 凄いこと して なく
ない ?? なくも なくない ???
「いやいや、だって焔飲み込んだとか、そんな程度………。」
「は?何言ってるのよ。とりあえず、場所は決まったわね。それで、ベッドかなんかは適当に作っときなさい。あとは…………別に、何も要らないわね。多分。」
「え?」
「ほら、私もさ。「やってやろうか」と、思った事はあるけど流石にまだよ。それに………」
「えっ、なに?てか、レナ好きな人いないの??」
その、私の言葉に黙り込むレナ。
くるくると動き始める 「多胞体」、それは「レナ」という「いろ」と
その他 様々な私の知っている光が、回って。
「……………んー?んんん???」
何故か そこへ「ポン」と弾き出されてきたのは。
「レシフェの色」だった。
えっ もしかしなくても もしか しちゃう かん じ ???
いや しかし。
私はその手の話題には、鈍い自覚がある。
だがこれは 「頭」で考えたことではなく
私の「かたち」が 導き出した 「最善 最良」の 「こたえ」
それならば?
とりあえず。訊いて みようか。
「ねえ。」
「なによ。」
珍しくダンマリのレナは何か私が「気が付いた」事に、気付いたのだろう。
少し構えて待っている様子が、とても可愛いく見えてきた。
いつもならば、少しお姉さん的な レナ
きっと年は一つ、違ったか?くらいだと思うけれど。
「フフフ………」
「なによ、怖いわね。」
だが「どうしたの?」とは訊かない、その茶の瞳が愛おしくなって、突然ギュッと抱きついてしまった。
「えっ、な、なに???」
「ねぇ。」(レシフェでしょう?)
そう、小声で呟いた私に、返事は無い。
だが、そのレナの「いろ」がブワリとピンクに変化して。
ああ やっぱり そうなんだ
そう、わかったんだ。
「うん、まあ。それなら、それで。いいと思う。うん。」
ただポンポンと背中を叩き、ふわふわの髪を撫でる。
「なんか…………他に身近に、男っていないし?それだけよ。」
「うんうん、解るよ。レシフェ、カッコいいもんね。」
「…………あんたそれ、本人の前で言わないでよ?」
「え?…………大丈夫じゃないかなぁ………もう。」
「何の大丈夫よ。」
「なにしろ、圧倒的に応援するから。頑張って!てか、もう私的には「レナしかいない」って感じなんだけど………?」
「いや、余計な事はしなくていいから。放っといてくれればいいから。」
「うんうん。」
「心配だわ…………。」
そんなことを言っているレナを離し、じっとその美しい茶の瞳を眺める。
くりくりとしてとても可愛いその、瞳は。
始めに見た頃と違って、キラキラと輝いていたし。
なんなら「乙女効果」も相まって、私が魅了されてしまいそうだ。
いや、レナには既に魅了されているのだろう。
だって、こんなに「美しくて 可愛い」の だから。
でも。
レナの「強さ」も 知っているし
頑張り屋さんなところも
意地っ張りないところも
気の強いところも でも とても優しいところ も。
「うん、やっぱりレシフェが適任。レシフェになら、任せられる。」
「なにがよ。てか、泣いてるの?…………仕方無いわね…………」
「なんで泣く」と、ブツブツ言いながらも自分の袖で私の涙を拭くレナ。
その水色髪がフワリと私の目の前に来て、ふと思い出す「青の少女が レナ」という勘違い事件。
ベオ様 橙の川 幻の魚
キラキラと懐かしいカケラが転がって、微妙な気分になるけれど
私はレナにはレシフェが合うと思うから。
「ごめん、ベオ様。でもきっともっといい人が…………?合う人が?いるよ、うん。」
一人、そう解決して手を合わせる私を「おかしなものを見る目」で見ている。
いや いいんだけど。
でも やっぱり。 レシフェ だよね??
この二人は、似ていると思う。
誰かの為に 動けること
行動力 芯の強さ
この世界には あまり見られない 「自分のいろ」で光っている二人。
「うーーーん。だから、やっぱりベオ様には荷が重いと思うんだよね………悪いけど。」
「だから、何言ってるのよ。て言うか話、逸れてるから。」
「あ。」
しかし。
私達の話が散らかる事など、想定内の予定通りである。
「ある意味、通常運転。」
溜息を吐いているレナを横目に、話がどこまで進んだのか頭をくるりと戻してみた。
「ん?…………えっと?」
「そう、具体的なやり方の話よ。私も一応、教えられてるけど誰か姉さんを交えて一度話してみてもいいかもね?結局私も分からない事が多いだろうし?」
「えっ」
「大丈夫よ。取って食われは、しないから。」
「うん…………?」
「ああ、でもそれだもんね…………でもラエティアなら大丈夫だと思うんだけど。でもウイントフークに訊いた方がいいわね。イストリアでもいいかな??」
「うん、なんかイストリアさんにしよう。」
「まぁね。じゃあ、またそれからかな?とりあえず覚悟は、しておいて。なんか多分、凄いから。」
「え」
「姉さん達のストレス発散の為に、定期的にお茶会するんだけど。その時のみんなの話が、凄いのよ…………あれはあんたには聞かせられないわね…………。」
レナが遠い目をする 話 ?
なんだか それって 凄そう…………。
「じゃ、とりあえず一旦仕切り直しかな?また連絡する?して?」
「うん。ありがとう。」
「じゃあ、またね。」
大きく息を吐いて、階段を降り足跡をなぞり歩く。
レナはきっと時間があるのだろう。
「またね」と言った後、少し急いで走って行った。
「まあ、お店もあるし………私が自由過ぎるのか………?」
でも。
本来ならば「みんな 自由」なのだ。
「時間」というものに 縛られているのは
縛られている と 「思っている」のは
私達、自身で。
ふむ…………?
「なにしろとりあえず、覚悟を決めとけって事だね。」
今度レナに呼び出される時は、本格的に「あの話」になるのだろう。
それまでに、私の中が少しは。
スッキリとしていると、いいのだけど。
「まあ、焦らず…………うん。」
そうして。
やはり、美しいものが見たくなった私はつらつらと寄り道をしに倉庫の扉を開けたのであった。
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