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23日目 私を"ちゃん"付けで呼ぶフィリピンマダム
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腹痛で不眠明けの日。
マリアさん フィリピン出身 女性 40代後半 英語講師
マリアさんの第一印象
元気で明るい人だと思った
※日本語と英語がごちゃ混ぜな会話
「マリアさん~こんにちは」
「はーい、エリちゃん。こんにちは~」
ええ、エリちゃん?ちゃん付けで生徒に呼ばれたのは初めてだ...。
「初めましてマリアさん。日本語講師のエリです」
「はい。マリアです~。明るいのね」
「え、明るい?」
「貴方がいる場所」
「ああ、今は日差しが良く当たるリビングのテーブルにいるんです」
「そうなのね~今日本は何時なの?」
「今は午後の一時半です」
「あ、じゃあここより1時間早いのね~」
「マリアさんはフィリピン出身ですよね?」
「そう。セブで英語講師をしているわ」
「どうりで慣れてると思いました」
「慣れてる?」
「はい。マリアさんの年代だとスカイプの使い方がわからない人も少ないくないですが、マリアさんは使いこなしている感じがしたから。ほら、ちゃんとマイクセットも耳につけているし」
そう言うとマリアさんはつけているマイクをツンと突く。
「そうね。以前は語学学校で対面式で教えていたのだけど、今はオンライン講師専門になったの。やっぱり楽になったわ。えりちゃんはオンラインでしか教えてないの?」
「オンラインだけです。元々私は日本語講師じゃなかったんです。食品メーカーに勤めていたんですがそれをやめて、オンラインの日本語講師に転身しました」
「そうなのね~。今の仕事は楽しい?」
「楽しいですよ。人との出会いが無尽蔵にあるし、基本的にポジティブな関係でコミュニケーションが取れますから」
「ポジティブ?」
「はい。基本的に仕事をしていると、色々な人間関係が生まれますよね。話したくない人とも話さないといけないし、会わなきゃいけない。でも、今の仕事では基本的に相手が好意を持って私を予約してくれるので関係がネガティヴになりずらいんです」
「まあ、そういうものよねえ。でも、時々変な生徒もいるでしょ?」
「もちろんいます笑 ただ、そこはスルースキルを使います笑 あとはレッスンに集中できるように導入する事も大切ですね」
「私が働いている会社は日系だから日本人の生徒が殆どなの。それで毎日沢山の日本人と話すじゃない?どの子も真面目、といか良い子なのにびっくりしたわ。しっかりとレッスンを受けるのね~」
「そうかもしれないですね笑 日本人で英会話のレッスンを受ける人は基本的には向上心があって真面目だと思います」
「私だったら若い先生が相手だとレッスンなんかそっちのけでずっと話していたいわ。あ、もちろん日本語でよ笑 文法や単語の勉強を黙々となんて出来ない」
「うーん、それでも良いと思いますけどね。ただ、英会話に自信がない日本人も多いので、彼らにとっては最初はレッスンとして文法や単語のインプットの作業に集中する方が楽だし、続きやすいのかもしれないですね」
「へー、そうなのね。変なの。フィリピン人は話好きが多いわよ。のんびりした国だしね~噂話を1日中してるフィリピーナだらけよ」
「フィリピンの男性は働かないって聞いた事がありますがそれはほんとですか?」
そう言うとマリアさんがケラケラと笑う。
「本当よ笑 男はダメ。女の方が働き者ね。私は長女で弟が3人いるんだけどみんな働いていないわ。女を作ったり、路上で一日中寝たりして過ごしてる。ひどいもんよ笑 久々に私の顔を見たらすぐに小遣いをせびってくる始末よ」
「うわ~それは大変ですね。マリアさんは結婚してないんですか?」
「実は私には子供が四人いるのよ。まだ小さいけど。夫には逃げられちゃったわ。他に女を作ったのね」
そう言いながらもマリアさんは笑っている。
「それは大変ですね...。四人もの子供を一人で育てるのは大変じゃないですか」
「もちろんよ。だけど、幸い在宅で仕事も出来るし高給だから家政婦も雇えるのよ」
「そうなんですか。マリアさんはなんで日本語を勉強しようと思ったんですか?」
「日本人の生徒が多いから少しでも日本語を知っておきたいと思ったのよ。向こうもこっちが馴染みある言葉を話せばリラックスしてくれるかもしれないじゃない?」
「そうですね。そっか...。生徒のために勉強するんですね。なんだかその姿勢素敵ですね」
「何言ってるのよ。貴方だって素敵じゃない。私のためにこんなにも流暢な英語で話してくれるし。同じことよ」
「あー、言われてみればそうなのかも...」
「そうよ」
「じゃあ、気を取り直して日本語の挨拶から学んでいきましょうか?」
「はーい、お願いします」
それから私たちはウェブサイトを使い、日本語の挨拶をローマ字付きのひらがなで学んだ。
「ひらがなは読む事ができますか?」
「いえ、でも宿題にしてほしいわ。次のレッスンまでに覚えておきたいの。あ、そうだ、次回テストしてくれないかしら?」
「もちろんいいですよ。だけどひらがなも種類が凄く多くて一度に覚えるのは大変だと思いますよ。何度かに分けて覚えていきましょう」
「ああ、そうね。わかったわ。アルファベットより複雑でものね」
26文字しかないアルファベットに比べて平仮名は50文字もある。それにカタカナに、漢字も。
「そうですよ。焦らず、コツコツ。そして楽しむ。これが大切ですよ」
レッスンの終わりの時間
「マリアさん、今日はレッスンありがとうございました。お話しできて楽しかったです」
「こちらこそ楽しかったわ。またお話ししましょうね。エリちゃん」
そう言いマリアさんはウインクする。
マリアさんと話した感想
とても可愛らしくて話しやすい人だと思った。日本人生徒の為に日本語を学ぶ彼女と日本語の勉強をこれからも頑張り続けたいと思った。
マリアさん フィリピン出身 女性 40代後半 英語講師
マリアさんの第一印象
元気で明るい人だと思った
※日本語と英語がごちゃ混ぜな会話
「マリアさん~こんにちは」
「はーい、エリちゃん。こんにちは~」
ええ、エリちゃん?ちゃん付けで生徒に呼ばれたのは初めてだ...。
「初めましてマリアさん。日本語講師のエリです」
「はい。マリアです~。明るいのね」
「え、明るい?」
「貴方がいる場所」
「ああ、今は日差しが良く当たるリビングのテーブルにいるんです」
「そうなのね~今日本は何時なの?」
「今は午後の一時半です」
「あ、じゃあここより1時間早いのね~」
「マリアさんはフィリピン出身ですよね?」
「そう。セブで英語講師をしているわ」
「どうりで慣れてると思いました」
「慣れてる?」
「はい。マリアさんの年代だとスカイプの使い方がわからない人も少ないくないですが、マリアさんは使いこなしている感じがしたから。ほら、ちゃんとマイクセットも耳につけているし」
そう言うとマリアさんはつけているマイクをツンと突く。
「そうね。以前は語学学校で対面式で教えていたのだけど、今はオンライン講師専門になったの。やっぱり楽になったわ。えりちゃんはオンラインでしか教えてないの?」
「オンラインだけです。元々私は日本語講師じゃなかったんです。食品メーカーに勤めていたんですがそれをやめて、オンラインの日本語講師に転身しました」
「そうなのね~。今の仕事は楽しい?」
「楽しいですよ。人との出会いが無尽蔵にあるし、基本的にポジティブな関係でコミュニケーションが取れますから」
「ポジティブ?」
「はい。基本的に仕事をしていると、色々な人間関係が生まれますよね。話したくない人とも話さないといけないし、会わなきゃいけない。でも、今の仕事では基本的に相手が好意を持って私を予約してくれるので関係がネガティヴになりずらいんです」
「まあ、そういうものよねえ。でも、時々変な生徒もいるでしょ?」
「もちろんいます笑 ただ、そこはスルースキルを使います笑 あとはレッスンに集中できるように導入する事も大切ですね」
「私が働いている会社は日系だから日本人の生徒が殆どなの。それで毎日沢山の日本人と話すじゃない?どの子も真面目、といか良い子なのにびっくりしたわ。しっかりとレッスンを受けるのね~」
「そうかもしれないですね笑 日本人で英会話のレッスンを受ける人は基本的には向上心があって真面目だと思います」
「私だったら若い先生が相手だとレッスンなんかそっちのけでずっと話していたいわ。あ、もちろん日本語でよ笑 文法や単語の勉強を黙々となんて出来ない」
「うーん、それでも良いと思いますけどね。ただ、英会話に自信がない日本人も多いので、彼らにとっては最初はレッスンとして文法や単語のインプットの作業に集中する方が楽だし、続きやすいのかもしれないですね」
「へー、そうなのね。変なの。フィリピン人は話好きが多いわよ。のんびりした国だしね~噂話を1日中してるフィリピーナだらけよ」
「フィリピンの男性は働かないって聞いた事がありますがそれはほんとですか?」
そう言うとマリアさんがケラケラと笑う。
「本当よ笑 男はダメ。女の方が働き者ね。私は長女で弟が3人いるんだけどみんな働いていないわ。女を作ったり、路上で一日中寝たりして過ごしてる。ひどいもんよ笑 久々に私の顔を見たらすぐに小遣いをせびってくる始末よ」
「うわ~それは大変ですね。マリアさんは結婚してないんですか?」
「実は私には子供が四人いるのよ。まだ小さいけど。夫には逃げられちゃったわ。他に女を作ったのね」
そう言いながらもマリアさんは笑っている。
「それは大変ですね...。四人もの子供を一人で育てるのは大変じゃないですか」
「もちろんよ。だけど、幸い在宅で仕事も出来るし高給だから家政婦も雇えるのよ」
「そうなんですか。マリアさんはなんで日本語を勉強しようと思ったんですか?」
「日本人の生徒が多いから少しでも日本語を知っておきたいと思ったのよ。向こうもこっちが馴染みある言葉を話せばリラックスしてくれるかもしれないじゃない?」
「そうですね。そっか...。生徒のために勉強するんですね。なんだかその姿勢素敵ですね」
「何言ってるのよ。貴方だって素敵じゃない。私のためにこんなにも流暢な英語で話してくれるし。同じことよ」
「あー、言われてみればそうなのかも...」
「そうよ」
「じゃあ、気を取り直して日本語の挨拶から学んでいきましょうか?」
「はーい、お願いします」
それから私たちはウェブサイトを使い、日本語の挨拶をローマ字付きのひらがなで学んだ。
「ひらがなは読む事ができますか?」
「いえ、でも宿題にしてほしいわ。次のレッスンまでに覚えておきたいの。あ、そうだ、次回テストしてくれないかしら?」
「もちろんいいですよ。だけどひらがなも種類が凄く多くて一度に覚えるのは大変だと思いますよ。何度かに分けて覚えていきましょう」
「ああ、そうね。わかったわ。アルファベットより複雑でものね」
26文字しかないアルファベットに比べて平仮名は50文字もある。それにカタカナに、漢字も。
「そうですよ。焦らず、コツコツ。そして楽しむ。これが大切ですよ」
レッスンの終わりの時間
「マリアさん、今日はレッスンありがとうございました。お話しできて楽しかったです」
「こちらこそ楽しかったわ。またお話ししましょうね。エリちゃん」
そう言いマリアさんはウインクする。
マリアさんと話した感想
とても可愛らしくて話しやすい人だと思った。日本人生徒の為に日本語を学ぶ彼女と日本語の勉強をこれからも頑張り続けたいと思った。
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