この気持ちに気づくまで

猫谷 一禾

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すべてのはじまり

《7》 ♡

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  「本当に…嘘だよね?うそ…うそうそ」
「本気、大マジ、俺の入れて、お前を…サキを俺の者にする…先ずは身体から誰にも触れさせない」

つぷんっと指が1本蕾に入ってくる。

「この短い時間でどんどん惹かれてる……俺の中がジリジリ熱いんだよ、欲しくて欲しくて…こんなの、感じたことねぇ…好きだ、離したくない、サキの全部俺に寄越せ」

熱烈な告白をしながらもコウの指はクニクニと緋縁の蕾の奥を目指す。

「好きだ、なんでこんな可愛いんだ…」

ばっくんばっくん…緋縁の心臓の音だ、顔はこれ以上ないくらい真っ赤になっている。

「可愛いくて、可愛いくて…たまんねぇ」

顔、首、鎖骨…キスをしながらコウの告白は止まらない、時折ぢゅっと強く吸い付き所有印を残していく。

「一緒に気持ちよくなって…溶け会おう…サキ……まぁ今日はまだ無理かもな…」

目を見つめつつ色気の塊をニヤリとした笑顔でぶつけてくる。


ドッッキーン!


緋縁は本気で撃たれたかと思った。それ程までに経験のない胸の痛みだった。胸が苦しい…こんな感覚は初めてだった。

蕾を解しながらの告白など最低だが、それを覆い隠すほどの熱烈な言葉の数々…熱い視線…緋縁はクラクラしてきた。憧れていたコウからの告白だ、気持ちが傾いてもおかしくは無いだろう。この凛々しい男からこんな甘ったるい言葉が吐き出されるとは…

「ひぎゃっ!なに!?…い、痛い…いたたた」

流されかけた時、圧迫感と引きつく痛みがした。

「3本…力抜けって…あと少し」

(いつの間にー!?)

コウはせっせっと蕾を解して指を3本に増やしていた。コウも盛り上がった気持ちを暴走させないように必死にギリギリの所で保っていた、大分急いで解している感は否めない。緋縁は初めてだし、本来ならゆっくりしてやりたい所だが、如何せんコウもまだ若い、そうそう我慢が長続きしない。酷くしないように、イキナリ突っ込む真似だけはしないように…とコウなりに気を使っているつもりだった。

「うそだ…うそだ…うそ…やだ…やだ…無理」


ズチュズチュ…


 コウがずり下がり、緋縁の足を肩に乗せ蕾を舐めながら唾液で滑りを良くしつつ指を出し入れし、中で広げ、内壁を捏ね回す。

「まだキツイな…」

ひくっ緋縁の肩と足が揺れる、ある場所を擦られるとムズムズする。

「んっ…はっ…うぅ…んっんっ」

何故か声が出そうになって堪らず首を捻って自分の肩に口を押し付ける。

「ここか?いいところ…」
「んんっ!や…だ…変だ…やめ」

緋縁の反応が良い所を強く擦られる

「本当は感度良いんだな…なぁサキっ…」

緋縁の良い所を探り当て、より自分が有利になり少し余裕が出たコウは言葉でも攻め泣き顔を見れるかと期待して顔を上げた。

「も、もぅ…やめてぇ…やあぁ…はぁ…んぅ」

緋縁は涙が次々に溺れ落ち顔を赤く上気させ、目がほやんとトロけ出していた。呼吸は苦しそうに吐く息は熱く、色欲がチラリチラリと見える。幼顔に色気が出て何ともアンバランスな危うい色気だ。コウは緋縁を見ただけでイキそうだった。

「っは…もう、マジ無理」

ぐいっと足を広げられてベットの端にあったクッションを緋縁の腰の下に入れる。今まで解していた蕾に、自身を押し当てる。

「サキ、好きだ」
「え?…え?え?あ…お…うそ…うそうそ」

顔面蒼白とはこの事か、緋縁は顔色を一気に失ったザーっと冷水を浴びせられたという例えを身をもって体験した。

「本当に?本当に?嘘でしょ!??」

逃げようにもがっしりと腰を掴まれて動けない、コウが蕾を推し進んでくる、先っぽが入り込んできた。

「うわぁっ!無理っやだっやっ痛い!やだやだ助けてっやだっ痛い!しないで!やだっ抜いて!いやっぁ…うぅ…いたっはぁはぁ…うぅ~あぁ!い…や…だ…もぅやぁ…はっ」

ゆっくり少しづつ入ってくる。

「はっあっ…たまんねっ…キツ…」

緋縁は前を掴まれ扱かれる。

「んっんっ…うぅ…うっ…んん…」
「流石にっ…全部は無理か…はっ最高」
「う…そ…はいっ…入って…俺…あ…」

衝撃、この一言だ。

「サキ…サキ…俺の…サキ…」

熱いキスととろけそうな声が次から次へと聞こえてくる。

「はっはっふっ…あ、あぁ…こわ…怖い」
「サキ?」
「あっあっ…怖い怖いっ!やだ…たすけ…うぇっ…うぅ~ひっうっひくっ…うっうぇ…ふぇ」

緋縁の心は限界だった信じられない事の連続で遂に心が折れてしまった。

「やだやだ…抜いてよぉ…やだぁ…怖いぃ…痛いよぉ…うぇ~んっうっうっ」

ポロポロと涙を流し、ひくっひくっと嗚咽を漏らしながら泣き続ける。

「…サキ……悪い……たまらん…無理だ動く」
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