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はじまり
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しおりを挟む「はぁ……はっ……んっ……んふ……」
余韻に震える様まで見られている。
「ふっ……いいな…カナゲが私の手で息を乱しているのか……ふっ……」
ペロリと頬を舐められる。涙が伝っていたみたいだ。吐息が掛かる距離で囁かれる。
「ゾクリとくるな」
「っ!!……」
(へ、変な人だ……この人……きっと、関わっちゃ駄目な人だったんだ……)
「もっと見せてみろ」
「え……終わりじゃ……」
「こっち、今日はまだ指を入れていないだろ?」
「あ…………」
尻の奥、蕾をトントンと指先でつつかれる。
「今日もたっぷりと舐めてやる」
「う"……嘘……」
「もっと淫れろ」
「やだ……やだょ……」
フルフルと力なく首を振り拒絶を示す。覚悟を決めたはずが呆気なく心が折れそうになる。
「…カナゲは拒否することが出来ないはずだろ。そう……あの家族の身代わりなのだから……カナゲが拒否するなら……」
はっとアルセの顔を見る。
「私は他の人間なら容赦なく死んでもらって結構だ。カナゲであるから乱れて淫らな姿を見たいのだ」
ワナワナと唇が震える、それは指先まで伝染し身体が小刻みに震え出す。
「そんなっ……そんな……な、何故……何故…俺?」
「今は何も考えずに私の手に溺れていろ」
「はっ……はっ………うっ…うぅ……ひくっ…」
とうとう泣き出してしまった。肩を震わせて両手の甲で目を隠す。次から次と涙が流れる。
「カナゲ……カナゲ………そんな泣き方は…求めていない…もっと違う、快感に泣き濡れるんだ……」
「うっ……やだ……殺して下さい。俺は死ぬはずでしょ!?も……やだ……」
ぐっと掌を握りしめるアルセ。恥ずかしことばかり言われて耐えられそうもない。アルセの言葉は自分がいっそう玩具であると突きつけられている気分になる。
「私が……私の事が…………くそっ」
手首を掴み顔から引き剥がす。
「余計なことは考えるなっ!私の言うことだけ聞いていればいいんだ!!」
涙に泣き濡れた瞳がアルセの瞳を絶望の色を漂わせて見つめてくる。細いカナゲの手首を両手で一纏めにし頭上に縫い付ける。
「昨日と同じにすると言ったよな?同じ格好にしてやろう」
そう言い終わるとカナゲの足首を持ってグイッと上にあげる。足の間に入り込まれ大きく両足を広げて尻を天井に向けた昨日と同じ格好になる。膝裏に手を添えられて体重をかけてくる。
「あぁ……昨日を思い出すな……なんだ?早くして欲しくてここ、ヒクヒクと動いているぞ」
かぁっと身体が熱くなる。言われなくとも気が付いていた。昨日の感触を知っているそこは期待からか、恐怖からか、ひくついてしまう。そこを触られ何をされるか、それを知っているだけで反応してしまうのだった。
ペロリ、躊躇なく舐めてくる。実際に熱い舌に舐められるとキュッと蕾はすぼまってしまう。
「柔らかくなるまでしよう」
顎を上げキツく目を閉じるカナゲ。自由にならない体勢で腕まで抑えられている。この行為が終わるのを耐えて待つしかなかった。
アルセはやると言ったら必ずやる。長い時間何が楽しくてそこを舐め続けるのか、カナゲが早く終われと心の中で呟いて耐えている。しかし長く舐められていると柔らかくなってきてしまう。
アルセは隠し持っていた小瓶を目の前にかざす。ユラユラと瓶の中の液体を見せつけてきた。
「今日はこれを使う。ここ、もう少し広げる」
「くっ………」
(だから……何言ってんだよっ!)
口で瓶の蓋を開けるとカナゲの顔を見たまま瓶を持っている手を下腹部に移動し、カナゲの蕾にかけてきた。
「ひっぅ……」
冷たい液体がトロリと下半身を濡らす。蕾から分身の方まで伝ってゾワリとする。液体は流れを止めず腹や背中まで伝ってくる。ゾワゾワと身体をえもいわれぬ感覚がはしる。
「これは香油といって滑りが良くなる物だ。ローズの香りもほのかにする」
(ローズ…薔薇……の香り…)
ツプリと指が蕾に入ってきた。
「ほら…今日はすんなりと入った」
ズブズブと長い指が根元まで入る。
「あっ……うぅ……」
2度目の感覚、慣れる訳もなく指1本の存在をそれ以上に感じてしまう。昨日同様指が内壁を撫でてくる、撫でていない場所が無いほど満遍なく擦られる。
「ここ、このコリっとしたここ。ここを触られるだけで涙を流して喜ぶようにしてやろう」
「うっ……やっ……あ……あ…」
コリっとした場所をスリスリと撫でられたりぐっと押されると腰が動いて声が出てしまう。そこばかりずっと擦られるとじっとしていられなくなってくる。
「んっ……んん……ふ……はっぅ……あ……あぁ…」
ニヤニヤと楽しそうに蕾を弄り、カナゲの表情をじっと見てくる。指を増やしゆっくりと出し入れをしてくる。
「ううう~……んっ……はっはっ……ああぁ……」
ゆっくりとした動きはジワジワとカナゲを快感へと引き上げていく。
「慣れてきたか?もう1本増やす」
ズルズルと抜かれ3本の指が入ってくる。圧迫感は増したが痛みはなくカナゲは居た堪れなくなる。同じ体勢は段々辛くなってきて、顔をゆがめる。
「キツいか?」
思ってもいない一言を言われる。コクリと頷けば一瞬考えたのち指を抜きうつ伏せにされる。クタリと身体をベッドに沈めたカナゲはアルセの行動をぼんやりと見つめた。1度ベッドから降り壁にかけられている大きな布を引っ張る。紐を片手に持ち戻ってきたアルセはカナゲに言う。
「今度は後ろからだ、顔が良く見えるように邪魔な手は縛ろう。鏡が見えるだろ?あれを見ていろ」
カナゲはハクッと息を飲み込んだ。
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