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はじまり
«8» ♡
しおりを挟む感じたことの無い熱くて硬い肌触り、何事かと自然と目が向く。視界に飛び込んできたのは暴力的なほど大きなアルセの分身。今にも爆発しそうに先端からは滑りが溢れ出ている。腰を大きな手で掴まれアルセが腰を引くと一緒にアルセの分身も後ろにヌメリ外れる。
「しっかり閉じてろ、行くぞ」
呟かれて腰を打ち付けられる。驚愕に目を開くばかりのカナゲは自分の足の間から覗いたり隠れたりするアルセの分身に釘漬けになる。
ハッハッハッ……
乱れた息遣いがすぐ近くの背後から聞こえてくる。熱くて、硬くて、重々しいモノが足の間を滑っている。アルセが腰を打ち付けるとパンパンと湿った素肌と素肌のぶつかる音がする。状況が段々と頭の中に浸透してくると身体も追い付いたようにカッと暑くなる。
(こ、これは……まるで……)
およそ縁遠いことであるが、何となくの知識で知っていた。
(性交……というやつでは……)
「カナゲ、カナゲ……」
アルセの腰の動きが激しさを増す、カナゲの身体もガクガクと揺さぶられる。アルセの腕がカナゲの身体に巻き付き、抱き込まれる。カナゲの耳元で熱い息を吐きながら先程までの声とは明らかに違う甘い声で名前を呼ばれる。脳みその中まで暑くなりそうだった。
「うっ……ひっ……ふぅ……」
カナゲの胸の尖りを強めに摘んでくるアルセは時折尖りの先端を爪で引っ掻く。はぁはぁと獣を連想させる息遣いでカナゲの首筋を喰らうように舐めてくる。
(怖いっ!……暑い、暑い……暑くて、訳が分からない……)
首筋の水音と足の間の滑りで全身を舐め回されている気分になる。アルセの分身はカナゲの中心で主張し始めたモノまで刺激を与えてくる。
(あっ……あぁ……変な気分になってくる!)
「はぁ、はぁ、はぁカナゲっ…カナゲ…」
「うっ……うぅ……はっん……ぁ……あっ……」
嵐の中に巻き込まれているようだ。
ひときわ強く打ち付けられぎゅっと抱き締められる。アルセの分身から白濁の液体が飛び散る。それは床やカナゲの足、腹まで飛んでいた。ふぅっとひと息大きく吐くとアルセはその大きな手でカナゲの足に飛び散った白濁をなで込むように足、腹と塗りつけヌメった手でカナゲの分身を握ってきた。
「ぁ……ぅわ……」
ゾクリとした何かがカナゲの背を走った。アルセの手が上下に動くとカナゲの分身がドクドクと脈打つ気がした。
「や、やだ……」
「出せ」
(嘘っ……嘘っ……!!)
今まで身体中を撫でられていたが自分の内側から熱くなったのはこれが初めてだ。どうにも出来ない自分の身体。キツく抱きしめられて背後にピッタリとアルセがくっ付いている。
「だ、駄目だっ……やっ……んっ」
呆気なくカナゲも白濁とした液体を出してしまった。肩で息をし、呆然とする。耳を舐められて、腹をぐちゅぐちゅとした音をたてながら撫でられる。アルセの息遣いが移動し、軽く唇が首筋に押し当てられている。
(なにが……起きたんだ……)
行為自体は分かっている、しかしこの男の真意が分からない。殺さずに何をしているのか。手酷く扱われもしなかった。
(やはり……ある程度期待を持たせて、どん底に突き落とす気だ……そうに違いない)
「カナゲ……上手く出せたな…」
「はっ……な……なに…」
(なんなんだよ!この人……)
身体が震える、なぜ震えるのかカナゲ自身も説明できない。恥ずかしいのか、屈辱を感じているのか、分からなかった。ただ、アルセの行いと言葉が、心を揺さぶられる。
アルセが飛び散った白濁をカナゲが羽織っている羽織の裾で拭いている。
「もう一度、湯を浴びなくてはな…」
なぜ妙に優しくするのか、荒々しい態度と今の事後処理をするアルセの姿がアンバランスでのみ込めない。
チ"リンチ"リン
壁近くにある紐を引っ張ると濁った音たてて、呼び出す音が離れの建物中を響かせる。
「お呼びでしょうか」
扉の外から声が掛かる。カナゲの体を洗った世話係の声だ。
「湯浴びをする、羽織りをもう1着用意しろ」
「かしこまりました」
「行くぞ、立て」
「…はい」
のそのそと立ち上がる、足に力が入らなくてふらつく身体をアルセが支えてくる。
「腰が砕けたか…」
耳が暑くなり、恥ずかしさから口元に手の甲を当てるカナゲ。立ち上がると酷い格好をしていると、まざまざと見せつけられる。布切れが腰紐でかろうじて身体にまとわりついているだけだ。ほぼ、ドロドロとした裸体がさらけ出している状態だった。
「良い格好だな」
一言感想を漏らすとシュルリと腰紐を取られる。足元に羽織の残骸が落ちる。またしても何も隠すことのない裸体で湯浴びの場所まで連れていかれる。
バシャン
(なぜだ……なぜなんだ……)
湯浴びをする場所でカナゲはアルセに湯を掛けられている。ドロリとしたものが流れていく。たっぷりと湯が張られている湯船に2人で浸かる。大人2人で入っても余裕なほど広かった。
「大分綺麗になったな」
後ろから抱き込まれる体制で浸かっている。
(この扱いは……どう、捉えれば……)
「歳はいくつだ」
「19です」
「そうか……」
(まるで人形のようだ……いいように扱われている……人形……あぁ、そうか。飽きるまで俺で遊ぶつもりか……飽きたら捨てる……そういう事か……)
肉体にキツイ痛みは与えられなくても、心に痛みが来る事もキツイのだと、改めて思い知った。
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