26 / 93
1部
第25話 モフモフうさぎは大変なアイテムを託していた!
しおりを挟む
――それにしてもロエルは心配性だなぁ。私は くしゃみをしただけなのに お医者さんをこの館に呼ぶなんて――
この国の医学が、どういうものなのかわからないまま、館にやってきた医師によって、私の診察がはじまった。
(腰かけたまま、服は脱がずに舌をみせるように言われたから、現代日本にあてはめれば、このお医者さん……ラウレアーノ先生は、内科の医師になるのかな……)
館の客間は急遽、診察室になる。
診察には、この館の若き主、ロエル (キリッとした美形だけど意外と心配性?) も同席した。
――診察の結果は……。
ラウレアーノ先生によると、私は特にカゼをひいているというわけではないし、さきほどまで私が連発していたくしゃみも、べつに気にしなくてよいとのこと。
それでも気になるなら、今日は入浴をしてから、ぐっすり眠ると良いと、お風呂と睡眠を勧められる。
お風呂ずきな私としては、この国が入浴の習慣のあるところでよかった。
異世界と私のいた世界との共通点にホッとする。
診察はこれでおしまい、という雰囲気になり、私はひと安心。
ロエルも、安堵したようだった……のだけれど――。
ラウレアーノ先生は、私の首元に目にとめた。
「お嬢さん、そのチョーカーは……」
この人はなぜこのチョーカーが気になるんだろうと疑問に思いながら、私は説明する。
「実は……私、この国の言葉がわからないんです。だから、このチョーカーは翻訳機なんです」
私は正直に、この国、ノイーレ王国の言葉を知らないことと、チョーカーが翻訳機であることを話した。
(そもそも、このチョーカーについている魔石がなければ、ラウレアーノ先生の言葉もわからず、問診も成立しなかったんだよね)
私はあらためて、チョーカーをくれたティコティス――『聖兎』と呼ばれる不思議なうさぎさん――に心の中で、ありがとうと言った。
もちろん、診てくれたラウレアーノ先生にも、ロエルにもペピートにも感謝している。
ラウレアーノ先生は、だまったまま私をみつめた。
そして、その後しばらくしてから、先生は私に質問した。
先生の声は、ちょっとふるえている。
「そのチョーカーが体質にあわない……と感じることはないかね。つけたせいで気分が悪くなることは?」
チョーカーが体質にあわないって、どういうこと?
首まわりの長さにあわないから苦しいとかブカブカとかなら、わかるけど。
チョーカーのせいで、気分が悪くなるっていう質問もよくわからない。
私の体がやたらとドキドキして熱っぽくなったのは、ロエルのせいであって、チョーカーのせいじゃない。
「……気分が悪くなること、ですか? ……うーん、特に思いあたりません」
首をかしげながら答える私に、ラウレアーノ先生が聞いた。
先生の口調は、質問するというより、確認するという感じだった。
「そのチョーカーは、『聖兎』から贈られたものですかな」
「はい、今日もらいました」
「……今日ですとっ?」
チョーカーの存在に気がつくまでは、おだやかだったラウレアーノ先生の声が大きくなる。
私のとなりで先生の話を聞いていたロエルも質問する。
「今日もらったものでは、何か問題があるのですか?」
ラウレアーノ先生は答える。私とロエル、両方に向かって。
「おどろかせてしまったなら、すまない。ただ……」
――ただ?
「お嬢さん。聖兎と呼ばれる、こことは異なる世界からきたうさぎからもらったものを身につけた者を、わしは数名だが、診たことがある。彼らのなかには副作用に悩む者もいた」
(……副作用? 薬品でも食品でもないのに……アクセサリーが原因で副作用?)
ここまで考えて、ふと私はあることを思いだした。
それは私が、この国に異世界トリップするまえ。現代日本の会社で残業が続いていた時期。
おなじ課の女性が、ちょっと風変わりなネックレスをしていた。
その人は「これは肩こり解消の磁気ネックレスなの」と教えてくれ、「人によっては副作用が起きることもあるのよ」とも話していた。
肩こり解消という目的があるにせよ、アクセサリーでもあるネックレスなのに、用途と素材によっては、副作用がでるケースもあるんだと、ずいぶんおどろいたっけ。
たしか、磁気ネックレスをつけると人によっては、頭痛になったりする副作用がでる場合もあるらしい……と、その女性は言っていたような。
そんなこと、いまのいままで忘れていた。
だけど、アクセサリーでもある、このチョーカーに副作用……。
――そして。チョーカーの副作用が気になるいっぽうで、この先生は聖兎からアイテムをもらった人たちに直接会ったという。
その話も、とっても気になる……!
チョーカーをもらった人たちの中には、もしかすると、私とおなじ世界から、この世界にとばされた人たちもいたりする?
私は、おそるおそる聞いてみた。
「ラウレアーノ先生が会った人たちって、もしかして……その人たちも『こことは異なる世界からきた』人間だったりしますか」
先生にとって私の質問は少し意外だったようだ。一瞬「へっ!? なんで?」って表情になった。
でもすぐに、当時をなるべく詳細に思いだそうとするかように、目をふせ、額《ひたい》に手をあて、ゆっくりと説明してくれた。
「……いや、わしが会った者は、この世界の住人でしたなぁ。ただ、その者は、この国とは違う言葉を話す国からやってきていた。なんでも、なかなか言葉をおぼえられずに苦心していたところ、光の中から聖兎があらわれ『友達のしるしだよ♪』と言って不思議な石のついたチョーカーをくれたそうだ。他の者たちの身の上も、だいたいおなじだったはずだが――」
「そうですか……。あ、ありがとうございます」
ラウレアーノ先生にお礼を言いながら、私はさっき思いついた予想を却下する。
(そっか、このアイテムをもらったからといって、私とおなじように他の世界からきたとは限らないんだ。私だって、もし地球で海外旅行中に全然知らない言語で会話しなきゃいけなくなったら、高性能な翻訳機があればなぁ……って気持ちになるだろうし)
案外ちかくに、私と同じ世界からきた人がいるのかもと、楽天的に考えた自分の心を落ちつかせる。
ラウレアーノ先生は、こんな話もつけくわえた。
●聖兎に不思議なチョーカーをもらった人は、副作用があらわれる人とあらわれない人がいる。全員に副作用があらわれるわけではない。そして、副作用は、あらわれない人のほうが多い。
●副作用がでた人は、大抵の場合、その日のうちにでている。
●副作用のありなしは関係なく、一度人間が身につけたチョーカーは取り外せなくなる。聖兎の首についているときは取り外し可能だが、人間の首には取り外し不可能らしい。理由は不明。
ラウレアーノ先生は、副作用があらわれる確率のほうが少ないから、いまのうちから、やみくもに不安がることはないと念を押した。
気にしすぎずに、今日はゆっくり入浴でもして、そのあと、ぐっすり眠ること。
もしも、体に異変があらわれたと感じたら、そのときは連絡してほしい、と――。
「聖兎にもらった不思議なチョーカーをつけた者にあらわれる副作用を研究している、この症状に自分よりくわしい医師を紹介しましょう。だからお嬢さん、気を落とさずに……」
そう言って、ラウレアーノ先生は帰っていった。
このチョーカーって、一度したら取れないの?
先生の話を聞いてゾクリと怖くなりつつも、
(でも、ラウレアーノ先生の言う人間って、鳥に変身できる人たちのことだよね。先生が診た人たちはこの世界の人間であって、他の世界からきた人間ではなかったと、先生本人も言っていた。……もしかしたら、私の場合は、案外簡単にチョーカーをとりはずせたりして)
一縷の望みをかけて、首のうしろの留め金をいじってみる。
チョーカーは、ビクともしなかった。
うん、まあ考えてみれば――。
●この世界の人間(鳥に変身することが可能)は、はずせない。
●聖兎と呼ばれる、しゃべるうさぎは、はずせる。
私は鳥に変身することは不可能でも、人は人。
だけど私はうさぎじゃない。
よって私の首のチョーカーもはずれない。
友達思いの明るくてやさしいティコティス。
ティコティスはきっとチョーカーの副作用なんて知らなくて、善意で私にくれたはず。
でも彼は、結果として、とんでもない置き土産を残していったのかもしれない。
この国の医学が、どういうものなのかわからないまま、館にやってきた医師によって、私の診察がはじまった。
(腰かけたまま、服は脱がずに舌をみせるように言われたから、現代日本にあてはめれば、このお医者さん……ラウレアーノ先生は、内科の医師になるのかな……)
館の客間は急遽、診察室になる。
診察には、この館の若き主、ロエル (キリッとした美形だけど意外と心配性?) も同席した。
――診察の結果は……。
ラウレアーノ先生によると、私は特にカゼをひいているというわけではないし、さきほどまで私が連発していたくしゃみも、べつに気にしなくてよいとのこと。
それでも気になるなら、今日は入浴をしてから、ぐっすり眠ると良いと、お風呂と睡眠を勧められる。
お風呂ずきな私としては、この国が入浴の習慣のあるところでよかった。
異世界と私のいた世界との共通点にホッとする。
診察はこれでおしまい、という雰囲気になり、私はひと安心。
ロエルも、安堵したようだった……のだけれど――。
ラウレアーノ先生は、私の首元に目にとめた。
「お嬢さん、そのチョーカーは……」
この人はなぜこのチョーカーが気になるんだろうと疑問に思いながら、私は説明する。
「実は……私、この国の言葉がわからないんです。だから、このチョーカーは翻訳機なんです」
私は正直に、この国、ノイーレ王国の言葉を知らないことと、チョーカーが翻訳機であることを話した。
(そもそも、このチョーカーについている魔石がなければ、ラウレアーノ先生の言葉もわからず、問診も成立しなかったんだよね)
私はあらためて、チョーカーをくれたティコティス――『聖兎』と呼ばれる不思議なうさぎさん――に心の中で、ありがとうと言った。
もちろん、診てくれたラウレアーノ先生にも、ロエルにもペピートにも感謝している。
ラウレアーノ先生は、だまったまま私をみつめた。
そして、その後しばらくしてから、先生は私に質問した。
先生の声は、ちょっとふるえている。
「そのチョーカーが体質にあわない……と感じることはないかね。つけたせいで気分が悪くなることは?」
チョーカーが体質にあわないって、どういうこと?
首まわりの長さにあわないから苦しいとかブカブカとかなら、わかるけど。
チョーカーのせいで、気分が悪くなるっていう質問もよくわからない。
私の体がやたらとドキドキして熱っぽくなったのは、ロエルのせいであって、チョーカーのせいじゃない。
「……気分が悪くなること、ですか? ……うーん、特に思いあたりません」
首をかしげながら答える私に、ラウレアーノ先生が聞いた。
先生の口調は、質問するというより、確認するという感じだった。
「そのチョーカーは、『聖兎』から贈られたものですかな」
「はい、今日もらいました」
「……今日ですとっ?」
チョーカーの存在に気がつくまでは、おだやかだったラウレアーノ先生の声が大きくなる。
私のとなりで先生の話を聞いていたロエルも質問する。
「今日もらったものでは、何か問題があるのですか?」
ラウレアーノ先生は答える。私とロエル、両方に向かって。
「おどろかせてしまったなら、すまない。ただ……」
――ただ?
「お嬢さん。聖兎と呼ばれる、こことは異なる世界からきたうさぎからもらったものを身につけた者を、わしは数名だが、診たことがある。彼らのなかには副作用に悩む者もいた」
(……副作用? 薬品でも食品でもないのに……アクセサリーが原因で副作用?)
ここまで考えて、ふと私はあることを思いだした。
それは私が、この国に異世界トリップするまえ。現代日本の会社で残業が続いていた時期。
おなじ課の女性が、ちょっと風変わりなネックレスをしていた。
その人は「これは肩こり解消の磁気ネックレスなの」と教えてくれ、「人によっては副作用が起きることもあるのよ」とも話していた。
肩こり解消という目的があるにせよ、アクセサリーでもあるネックレスなのに、用途と素材によっては、副作用がでるケースもあるんだと、ずいぶんおどろいたっけ。
たしか、磁気ネックレスをつけると人によっては、頭痛になったりする副作用がでる場合もあるらしい……と、その女性は言っていたような。
そんなこと、いまのいままで忘れていた。
だけど、アクセサリーでもある、このチョーカーに副作用……。
――そして。チョーカーの副作用が気になるいっぽうで、この先生は聖兎からアイテムをもらった人たちに直接会ったという。
その話も、とっても気になる……!
チョーカーをもらった人たちの中には、もしかすると、私とおなじ世界から、この世界にとばされた人たちもいたりする?
私は、おそるおそる聞いてみた。
「ラウレアーノ先生が会った人たちって、もしかして……その人たちも『こことは異なる世界からきた』人間だったりしますか」
先生にとって私の質問は少し意外だったようだ。一瞬「へっ!? なんで?」って表情になった。
でもすぐに、当時をなるべく詳細に思いだそうとするかように、目をふせ、額《ひたい》に手をあて、ゆっくりと説明してくれた。
「……いや、わしが会った者は、この世界の住人でしたなぁ。ただ、その者は、この国とは違う言葉を話す国からやってきていた。なんでも、なかなか言葉をおぼえられずに苦心していたところ、光の中から聖兎があらわれ『友達のしるしだよ♪』と言って不思議な石のついたチョーカーをくれたそうだ。他の者たちの身の上も、だいたいおなじだったはずだが――」
「そうですか……。あ、ありがとうございます」
ラウレアーノ先生にお礼を言いながら、私はさっき思いついた予想を却下する。
(そっか、このアイテムをもらったからといって、私とおなじように他の世界からきたとは限らないんだ。私だって、もし地球で海外旅行中に全然知らない言語で会話しなきゃいけなくなったら、高性能な翻訳機があればなぁ……って気持ちになるだろうし)
案外ちかくに、私と同じ世界からきた人がいるのかもと、楽天的に考えた自分の心を落ちつかせる。
ラウレアーノ先生は、こんな話もつけくわえた。
●聖兎に不思議なチョーカーをもらった人は、副作用があらわれる人とあらわれない人がいる。全員に副作用があらわれるわけではない。そして、副作用は、あらわれない人のほうが多い。
●副作用がでた人は、大抵の場合、その日のうちにでている。
●副作用のありなしは関係なく、一度人間が身につけたチョーカーは取り外せなくなる。聖兎の首についているときは取り外し可能だが、人間の首には取り外し不可能らしい。理由は不明。
ラウレアーノ先生は、副作用があらわれる確率のほうが少ないから、いまのうちから、やみくもに不安がることはないと念を押した。
気にしすぎずに、今日はゆっくり入浴でもして、そのあと、ぐっすり眠ること。
もしも、体に異変があらわれたと感じたら、そのときは連絡してほしい、と――。
「聖兎にもらった不思議なチョーカーをつけた者にあらわれる副作用を研究している、この症状に自分よりくわしい医師を紹介しましょう。だからお嬢さん、気を落とさずに……」
そう言って、ラウレアーノ先生は帰っていった。
このチョーカーって、一度したら取れないの?
先生の話を聞いてゾクリと怖くなりつつも、
(でも、ラウレアーノ先生の言う人間って、鳥に変身できる人たちのことだよね。先生が診た人たちはこの世界の人間であって、他の世界からきた人間ではなかったと、先生本人も言っていた。……もしかしたら、私の場合は、案外簡単にチョーカーをとりはずせたりして)
一縷の望みをかけて、首のうしろの留め金をいじってみる。
チョーカーは、ビクともしなかった。
うん、まあ考えてみれば――。
●この世界の人間(鳥に変身することが可能)は、はずせない。
●聖兎と呼ばれる、しゃべるうさぎは、はずせる。
私は鳥に変身することは不可能でも、人は人。
だけど私はうさぎじゃない。
よって私の首のチョーカーもはずれない。
友達思いの明るくてやさしいティコティス。
ティコティスはきっとチョーカーの副作用なんて知らなくて、善意で私にくれたはず。
でも彼は、結果として、とんでもない置き土産を残していったのかもしれない。
0
お気に入りに追加
685
あなたにおすすめの小説
みんながみんな「あの子の方がお似合いだ」というので、婚約の白紙化を提案してみようと思います
下菊みこと
恋愛
ちょっとどころかだいぶ天然の入ったお嬢さんが、なんとか頑張って婚約の白紙化を狙った結果のお話。
御都合主義のハッピーエンドです。
元鞘に戻ります。
ざまぁはうるさい外野に添えるだけ。
小説家になろう様でも投稿しています。
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
姉の身代わりで冷酷な若公爵様に嫁ぐことになりましたが、初夜にも来ない彼なのに「このままでは妻に嫌われる……」と私に語りかけてきます。
夏
恋愛
姉の身代わりとして冷酷な獣と蔑称される公爵に嫁いだラシェル。
初夜には顔を出さず、干渉は必要ないと公爵に言われてしまうが、ある晩の日「姿を変えた」ラシェルはばったり酔った彼に遭遇する。
「このままでは、妻に嫌われる……」
本人、目の前にいますけど!?
モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる