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2章
第6話 えっと……え!? いい匂いって?
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興恒さんが再びわたしの名を呼んだ。あいかわらず、わたしの目をじっとみつめながら。
「サキ……」
(今度は一体どうしたの?)
空が薄暗いといっても、まだ夜中というほどの時間ではない大通り。
立ちつくしたままの、わたしの心臓がドキリと跳ねた。
だって、街灯に照らされた興恒さんが、あまりにも魅惑的で。
(わー、わー! 今の興恒さんの見た目は、人間の若者。しかも美形の和装男子。いくら興恒さんがキツネのあやかしで、キツネの姿にも人間の姿にもなれるからって、何度もみつめられたり名前をささやかれると……さすがにわたしもドキドキしてくるから!!)
大学から自宅であるアパートへ帰宅中のわたしは、必死に心を落ちつかせようとした。
(普段のわたしなら、ひとりでアパートに戻るのに、今日は興恒さんといっしょに帰ることになるなんて、はっきりいって予想外!)
あやかしである興恒さんと、とある事情で同居するようになって、もう数週間たつというのに、今日のわたしは、やたらと興恒さんにドキッとさせられてしまう。
(……でもっ! アパートでの共同生活では、燐火のリンちゃんもいっしょだし、和室が2部屋あるおかげで、わたしと興恒さんは別の部屋で寝起きしてるし。あらためて思い返してみると……興恒さんとふたりきりって状況は、けっこうめずらしいかも)
そう気がつくと、興恒さんをますます意識してしまう。
高鳴る鼓動を彼に気づかれたくない。
わたしは平静をよそおい、口をひらく。(本当に平静状態ならば、名前を呼ばれて返事をするまで、こんなにかからないはずだけど、それは置いておくとして)
「興恒さん、どうしたの?」
「いや、なに……今宵のそなたは、ずいぶんといい香りをただよわせていると思ってな」
「……いい、香り?」
わたしが反芻すると、「ああ」とつぶやく興恒さん。
彼の発した言葉が、人間の青年が口にしたセリフなら
(……もしかしてわたし、今、口説かれてる!?)
って、あたふたしているかもしれない。
でも、キツネのあやかしである興恒さんは、人の姿になっているときだって、すぐれた嗅覚を保持したままだ。
さっきまで興恒さんとふたりきりだってシチュエーションに、どきまぎしてたはずなのに――。わたしは、彼が何を「いい香り」だと言っているのか……そっちのほうが気になりはじめる。
(今日、料理研究部でつくったシュークリームは残さず食べ切っちゃったし……あっ!)
「わたし、この大通りのお店で、興恒さんとリンちゃんにおみやげのお菓子を買ったんだった」
「みやげ? 菓子の甘い匂いだけでなく、天然の果実が持つ、みずみずしく、甘酸っぱい芳香もするが……」
さすが興恒さん。鼻が敏感だなぁ。
わたしは肩にかけていたバッグから、苺大福の入った紙袋をとりだし、向かいにいる興恒さんにみせた。
「それって、たぶんこの紙袋からする匂いじゃないかな」
興恒さんは、ゆっくりとうなずく。
わたしが今日購入した苺大福は、3つとも個包装なうえに、紙袋の上部は店名が入ったテープで閉じてある。
正直わたしには、大福や苺の匂いがかぎわけられない。
あらためて興恒さんの嗅覚のよさに おどろく。
「先週、興恒さんもリンちゃんも苺大福、おいしいって言ってたでしょ。だから今日のおみやげは苺大福!」
「たしかに私もリンも苺の入った大福を美味なるものだと賞賛したが……1週間ほど前、サキが我らに ふるまった大福とは香りが若干、異なる気がするぞ」
「……ああ、それはね。先週わたしが持って帰った苺大福は、餡が白餡。今日のは黒餡。つくっているお店が違うから、もしかして大福の皮の匂いも違う……のかも」
そう、今日ふたりへのおみやげに苺大福を選んだのは――。
ただ単に、わたしが料理研究部でつくったシュークリームはちょっと失敗しちゃったから、とか、興恒さんもリンちゃんも甘いものすきだから、とにかく甘いものを、とか、そんな理由ではなく。
ふたりが苺大福をとてもよろこんでくれたから。……それと。
「先週の苺大福は、『ふるまった』っていうか、友達の女の子からのおすそわけで……。それをまた興恒さんとリンちゃんに、おすそわけしただけだから――」
友達の女の子とは、今日は午後の講義でも、そのあとの料理研究部でもいっしょだった恵。大学の友達の中で一番仲がいい子だ。
彼女は1週間前、わたしに某有名店で売られている、白餡の苺大福をくれた。
恵自身は親戚から、この苺大福を(くわしい理由はおぼえてないけど)たくさんもらったらしい。「長期保存には向かないけど……よかったら受けとってね」と言って1箱くれた。(太っ腹!)
ちなみに1箱6個入り。消費期限は2日。
(わたし、興恒さん、リンちゃんでひとつずつ、もらった日とその次の日に食べようとも計画したものの、あまりのおいしさに当日中に1人ふたつずつペロリと いただいてしまいました。燐火と呼ばれる、人の言葉を話す青い火の玉のリンちゃんの食事のしかたは何度みても変わっているけど、リンちゃんからしたら、人間がものを食べる姿のほうが奇妙奇天烈なのかも……)
先週、アパートで白餡の苺大福を興恒さんとリンちゃんの3人で食べたときのことを思いだしたわたしは、向かいにいる興恒さんに、そのときの話をしてみようかな、という気になった。チラリと彼をみる。
街灯の光に照らされた今の興恒さんは、口元にやさしい笑みをうかべていた。
彼もまた苺大福に想いをはせて、しあわせな気持ちになっているのかもしれないと思いつつ、わたしは口をひらいた。
「ほら、この前、白餡の苺大福を3人で食べたとき、『やはり白餡は果実とも、よく合う』って言った興恒さんに、わたしは『たしかに白餡と くだものは相性いいけど、黒餡を使った苺大福だって、とっても美味しいよ』って答えたじゃない?」
興恒さんは、クスリと笑い、ささやく。
「そういえば、そうであったな」
「……で、そしたらリンちゃんが『じゃあ次は、黒餡の苺大福を食べてみたいものっす! 食べたうえで、サキっちの言ってることが正しいか判断するゆえ、それまでこの件は保留っす!』って、あきらかに、また苺大福を……今度は黒餡に包まれた苺をいただきたい!! ってムードをただよわせてたでしょ。だから、今日は黒餡の苺大福がおみやげなの」
本当は、もっと早く買いに行きたかったんだけど――。
この大通りにある、さっきわたしが苺大福を買ったお店は、数日間、臨時休業が続いてた。
でも今日の帰り道に通ったら、「営業中」の貼り紙がしてあったからラッキーだったのかも。
「じゃあ、そろそろアパートに戻ろっか。あ、興恒さん。リンちゃんは、今アパートでひとりでお留守番してくれてるんだよね? 退屈してるかも……」
興恒さんに話しかける。彼は、あたたかなまなざしをわたしに向けながら、しみじみとした口調で告げた。
「サキは、私のこともリンのことも、大切に思ってくれているのだな」
……へっ?
「サキ……」
(今度は一体どうしたの?)
空が薄暗いといっても、まだ夜中というほどの時間ではない大通り。
立ちつくしたままの、わたしの心臓がドキリと跳ねた。
だって、街灯に照らされた興恒さんが、あまりにも魅惑的で。
(わー、わー! 今の興恒さんの見た目は、人間の若者。しかも美形の和装男子。いくら興恒さんがキツネのあやかしで、キツネの姿にも人間の姿にもなれるからって、何度もみつめられたり名前をささやかれると……さすがにわたしもドキドキしてくるから!!)
大学から自宅であるアパートへ帰宅中のわたしは、必死に心を落ちつかせようとした。
(普段のわたしなら、ひとりでアパートに戻るのに、今日は興恒さんといっしょに帰ることになるなんて、はっきりいって予想外!)
あやかしである興恒さんと、とある事情で同居するようになって、もう数週間たつというのに、今日のわたしは、やたらと興恒さんにドキッとさせられてしまう。
(……でもっ! アパートでの共同生活では、燐火のリンちゃんもいっしょだし、和室が2部屋あるおかげで、わたしと興恒さんは別の部屋で寝起きしてるし。あらためて思い返してみると……興恒さんとふたりきりって状況は、けっこうめずらしいかも)
そう気がつくと、興恒さんをますます意識してしまう。
高鳴る鼓動を彼に気づかれたくない。
わたしは平静をよそおい、口をひらく。(本当に平静状態ならば、名前を呼ばれて返事をするまで、こんなにかからないはずだけど、それは置いておくとして)
「興恒さん、どうしたの?」
「いや、なに……今宵のそなたは、ずいぶんといい香りをただよわせていると思ってな」
「……いい、香り?」
わたしが反芻すると、「ああ」とつぶやく興恒さん。
彼の発した言葉が、人間の青年が口にしたセリフなら
(……もしかしてわたし、今、口説かれてる!?)
って、あたふたしているかもしれない。
でも、キツネのあやかしである興恒さんは、人の姿になっているときだって、すぐれた嗅覚を保持したままだ。
さっきまで興恒さんとふたりきりだってシチュエーションに、どきまぎしてたはずなのに――。わたしは、彼が何を「いい香り」だと言っているのか……そっちのほうが気になりはじめる。
(今日、料理研究部でつくったシュークリームは残さず食べ切っちゃったし……あっ!)
「わたし、この大通りのお店で、興恒さんとリンちゃんにおみやげのお菓子を買ったんだった」
「みやげ? 菓子の甘い匂いだけでなく、天然の果実が持つ、みずみずしく、甘酸っぱい芳香もするが……」
さすが興恒さん。鼻が敏感だなぁ。
わたしは肩にかけていたバッグから、苺大福の入った紙袋をとりだし、向かいにいる興恒さんにみせた。
「それって、たぶんこの紙袋からする匂いじゃないかな」
興恒さんは、ゆっくりとうなずく。
わたしが今日購入した苺大福は、3つとも個包装なうえに、紙袋の上部は店名が入ったテープで閉じてある。
正直わたしには、大福や苺の匂いがかぎわけられない。
あらためて興恒さんの嗅覚のよさに おどろく。
「先週、興恒さんもリンちゃんも苺大福、おいしいって言ってたでしょ。だから今日のおみやげは苺大福!」
「たしかに私もリンも苺の入った大福を美味なるものだと賞賛したが……1週間ほど前、サキが我らに ふるまった大福とは香りが若干、異なる気がするぞ」
「……ああ、それはね。先週わたしが持って帰った苺大福は、餡が白餡。今日のは黒餡。つくっているお店が違うから、もしかして大福の皮の匂いも違う……のかも」
そう、今日ふたりへのおみやげに苺大福を選んだのは――。
ただ単に、わたしが料理研究部でつくったシュークリームはちょっと失敗しちゃったから、とか、興恒さんもリンちゃんも甘いものすきだから、とにかく甘いものを、とか、そんな理由ではなく。
ふたりが苺大福をとてもよろこんでくれたから。……それと。
「先週の苺大福は、『ふるまった』っていうか、友達の女の子からのおすそわけで……。それをまた興恒さんとリンちゃんに、おすそわけしただけだから――」
友達の女の子とは、今日は午後の講義でも、そのあとの料理研究部でもいっしょだった恵。大学の友達の中で一番仲がいい子だ。
彼女は1週間前、わたしに某有名店で売られている、白餡の苺大福をくれた。
恵自身は親戚から、この苺大福を(くわしい理由はおぼえてないけど)たくさんもらったらしい。「長期保存には向かないけど……よかったら受けとってね」と言って1箱くれた。(太っ腹!)
ちなみに1箱6個入り。消費期限は2日。
(わたし、興恒さん、リンちゃんでひとつずつ、もらった日とその次の日に食べようとも計画したものの、あまりのおいしさに当日中に1人ふたつずつペロリと いただいてしまいました。燐火と呼ばれる、人の言葉を話す青い火の玉のリンちゃんの食事のしかたは何度みても変わっているけど、リンちゃんからしたら、人間がものを食べる姿のほうが奇妙奇天烈なのかも……)
先週、アパートで白餡の苺大福を興恒さんとリンちゃんの3人で食べたときのことを思いだしたわたしは、向かいにいる興恒さんに、そのときの話をしてみようかな、という気になった。チラリと彼をみる。
街灯の光に照らされた今の興恒さんは、口元にやさしい笑みをうかべていた。
彼もまた苺大福に想いをはせて、しあわせな気持ちになっているのかもしれないと思いつつ、わたしは口をひらいた。
「ほら、この前、白餡の苺大福を3人で食べたとき、『やはり白餡は果実とも、よく合う』って言った興恒さんに、わたしは『たしかに白餡と くだものは相性いいけど、黒餡を使った苺大福だって、とっても美味しいよ』って答えたじゃない?」
興恒さんは、クスリと笑い、ささやく。
「そういえば、そうであったな」
「……で、そしたらリンちゃんが『じゃあ次は、黒餡の苺大福を食べてみたいものっす! 食べたうえで、サキっちの言ってることが正しいか判断するゆえ、それまでこの件は保留っす!』って、あきらかに、また苺大福を……今度は黒餡に包まれた苺をいただきたい!! ってムードをただよわせてたでしょ。だから、今日は黒餡の苺大福がおみやげなの」
本当は、もっと早く買いに行きたかったんだけど――。
この大通りにある、さっきわたしが苺大福を買ったお店は、数日間、臨時休業が続いてた。
でも今日の帰り道に通ったら、「営業中」の貼り紙がしてあったからラッキーだったのかも。
「じゃあ、そろそろアパートに戻ろっか。あ、興恒さん。リンちゃんは、今アパートでひとりでお留守番してくれてるんだよね? 退屈してるかも……」
興恒さんに話しかける。彼は、あたたかなまなざしをわたしに向けながら、しみじみとした口調で告げた。
「サキは、私のこともリンのことも、大切に思ってくれているのだな」
……へっ?
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