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2章 思いあまって告白しちゃえ!

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「……彼女は彼女でも、彼女がいたんじゃなくって、彼女が彼女だったのよ……」

 わたしは京花に向かってボソっとつぶやいた。

「? ……はぁ――……!?」

 京花はすっとんきょうな声をあげた。
 そして、朝のさわやかな教室には似つかわしくないほどの、すさまじい大声で――。

「莉子がフラれたショックで、ワケのわかんないこと口走り始めたぁー!」

――失礼な……。ホントのことじゃない。説明不足なだけで……。 
 わたしがふてくされていると、京花の大声を聞きつけて、教室に入ってきたばかりのみほと唯菜が駆けよってきた。

「大丈夫、莉子?」

「何!? どーかしたの?」

「……実はね――。聞くも涙、語るも涙の物語なんだけど……」 

 わたしは昨日の出来事を事細かに説明した。  
 そしたら、京花も、みほも、唯菜も――。

「わはははははっー!」
「こりゃ傑作……」
「お腹、いたーい」

と、大爆笑――。

「ちょっと! どうして笑うかな? 人が玉砕ぎょくさいした話をっ!!」 

 わたしは、ふるふるとこぶしを握りしめながら怒鳴った。    

「だって……だってぇ……」

「ギャハハー」

 ……アナタ達に話したわたしがバカだった。 
 まったく、この3人ときたら“繊細さ”ってものに欠けてるのよね……。
 それにくらべて――。

 あの子は……、ユーリさんは……とっても綺麗で、すっごく優しそうな人だったな。 
 そういえば、わたし、この世に生をうけて15年もたつというのに、「自慢の友達」とか、「大親友」がいたためしがない。
 いるのはガサツな悪友ばかり……。

――あ、いいこと思いついた!

(あの子とは恋人とかじゃなくて、友達になればいいんじゃない! わたしってば頭の回転が速い!!)
『単に切り替えが早いだけ?』とも思ったけど、わたしは意気揚々と自分の席に戻っていった。

   * * *

 放課後――。
 わたしは、またしても建礼学院にお邪魔していた。
 だけど、もう20分も前から校門にいるのに、ユーリさんが出てくる気配はナシ。

 うーん。ユーリさん、今日は帰りがすごく遅いのかもしれない。
 もう帰っちゃたのかも。
 ……そう思いつつも、やっぱり待ってしまう。

(わたしって、ストーカーのあったりして。うっ、そーゆーのはイヤだなぁ)

 こんな風にわたしが自分に対してうっすらと危機感をおぼえていると、ようやく校舎のほうから、彼女とおぼしき人物が現われた。

(ユーリさんだ! 待っててよかった!)
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