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第11話 友達が出来ました。
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眠れない、どうしよう!
損害賠償とか、借金地獄とか、そんなことばかり頭の中に浮かんできて眠れない。
さらに今日の自分の謎発言を思い出し、恥ずかしさで悶えてしまう。
結果的に、まったく眠りにつくことができなかった。
「そうだ、こんなときは散歩をしよう」
籠の中で布団に包まって、
すやすやと寝ているけるちゃんを起こさないようにしつつ。
私は部屋の外に出る。
「ミツキ様、どちらへ?」
扉を開けると、マリーアさんがいた。
さらに鎧を着た、騎士の人もいる。
「ちょっと寝付けないから散歩をしようかなと」
「ご一緒させていただいてもよろしいでしょうか?」
「うん、もちろん、お城の中とかよく知らないし、むしろご案内をお願いします。」
「畏まりました。それでは庭園などがよろしいでしょう。
月の光に照らされた花園は昼とはまた違った美しさがあります。」
「へー、楽しみー」
私はマリーアさんに案内されるままについていくと
庭園には先客がいた。
金色の綺麗な長い髪が月光を反射し、とても神秘的な雰囲気の美少女。
歳は自分と同じくらいだろうか?
そして、スタイルもすごくよく、これが外国人かと、光姫は思わずにはいられない。
そんな彼女はこちらに気が付くと。
女性でも魅了されるような笑顔を浮かべ、
「あら、これは聖女様、このような夜更けに如何なされました?」
ドレスをつまみながら優雅に礼をする。
何あの綺麗な動作、私もやってみたい。
いや、でも無理、私がやると恥ずかしいだけだ。
「あはは、ちょっと昼のことが堪えて眠れなくてね、
マリーアさんに散歩に付き合って貰ってるんだ。
あ、私は茜坂 光姫、光姫って呼んでね。」
「畏まりました、光姫様。私はヴォルスング公爵家が長女、
ローズティアラ・ヴォルスングと申します。よろしければローズとお呼びください。」
えーと、確か公爵家って偉い貴族だったっけ?
まあいいか、私だってこの世界じゃ聖女だしね!
「えっと、様も取ってくれるとうれしいかな」
貴族から様付けとか何様だよお前って感じだしね。
って、王様とか王子様とかにも様付けで呼ばれていたっけ?
でも別に、それはいいや。
「いえ、聖女である光姫様にそのようなことは…」
「えっとね、その、私ね、
この世界に来て初めて話した同世代の女の子がローズなんだ、
だから、その…友達が欲しいかな、なんて思ってたりするの、だめ…かな?」
私のその言葉に、ローズは少し考えると。
「分かりました、光姫、これからよろしくね」
最初のときよりずいぶんとくだけた口調でやわらかく笑みを浮かべ
友達になることを了承してくれた。
「うん、ローズ、こちらこそよろしくお願いします」
その後は、他愛の無い話をした。地球での私のバイトの話とか、
どうでもよさそうなことをローズは楽しそうに聞いてくれた。
そういえば、こっちの人はテレビとかのこと分かるのかなあとか思ったけど、
ローズは一瞬で理解をしてくれたようだ。
特に何も説明をしなくても話についてきてくれる。
おかげで、話しているうちに気がつくと時間が過ぎていた。
私に、この世界で初めての友達が出来たのである。
損害賠償とか、借金地獄とか、そんなことばかり頭の中に浮かんできて眠れない。
さらに今日の自分の謎発言を思い出し、恥ずかしさで悶えてしまう。
結果的に、まったく眠りにつくことができなかった。
「そうだ、こんなときは散歩をしよう」
籠の中で布団に包まって、
すやすやと寝ているけるちゃんを起こさないようにしつつ。
私は部屋の外に出る。
「ミツキ様、どちらへ?」
扉を開けると、マリーアさんがいた。
さらに鎧を着た、騎士の人もいる。
「ちょっと寝付けないから散歩をしようかなと」
「ご一緒させていただいてもよろしいでしょうか?」
「うん、もちろん、お城の中とかよく知らないし、むしろご案内をお願いします。」
「畏まりました。それでは庭園などがよろしいでしょう。
月の光に照らされた花園は昼とはまた違った美しさがあります。」
「へー、楽しみー」
私はマリーアさんに案内されるままについていくと
庭園には先客がいた。
金色の綺麗な長い髪が月光を反射し、とても神秘的な雰囲気の美少女。
歳は自分と同じくらいだろうか?
そして、スタイルもすごくよく、これが外国人かと、光姫は思わずにはいられない。
そんな彼女はこちらに気が付くと。
女性でも魅了されるような笑顔を浮かべ、
「あら、これは聖女様、このような夜更けに如何なされました?」
ドレスをつまみながら優雅に礼をする。
何あの綺麗な動作、私もやってみたい。
いや、でも無理、私がやると恥ずかしいだけだ。
「あはは、ちょっと昼のことが堪えて眠れなくてね、
マリーアさんに散歩に付き合って貰ってるんだ。
あ、私は茜坂 光姫、光姫って呼んでね。」
「畏まりました、光姫様。私はヴォルスング公爵家が長女、
ローズティアラ・ヴォルスングと申します。よろしければローズとお呼びください。」
えーと、確か公爵家って偉い貴族だったっけ?
まあいいか、私だってこの世界じゃ聖女だしね!
「えっと、様も取ってくれるとうれしいかな」
貴族から様付けとか何様だよお前って感じだしね。
って、王様とか王子様とかにも様付けで呼ばれていたっけ?
でも別に、それはいいや。
「いえ、聖女である光姫様にそのようなことは…」
「えっとね、その、私ね、
この世界に来て初めて話した同世代の女の子がローズなんだ、
だから、その…友達が欲しいかな、なんて思ってたりするの、だめ…かな?」
私のその言葉に、ローズは少し考えると。
「分かりました、光姫、これからよろしくね」
最初のときよりずいぶんとくだけた口調でやわらかく笑みを浮かべ
友達になることを了承してくれた。
「うん、ローズ、こちらこそよろしくお願いします」
その後は、他愛の無い話をした。地球での私のバイトの話とか、
どうでもよさそうなことをローズは楽しそうに聞いてくれた。
そういえば、こっちの人はテレビとかのこと分かるのかなあとか思ったけど、
ローズは一瞬で理解をしてくれたようだ。
特に何も説明をしなくても話についてきてくれる。
おかげで、話しているうちに気がつくと時間が過ぎていた。
私に、この世界で初めての友達が出来たのである。
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