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第七話 一
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女帝百位はすっぴんのまま遠い目をしていた。
目覚めたとき、紅桔梗色の髪を被った女が頬を上気させながら腕に抱きついていた。百合の甘ったるい匂いを認識したとき反射的に頭突きをかましたが、頭蓋骨同士の衝撃はこれが夢ではないことを教えてくれた。
「なにも殴らんでもよかったじゃろう」
「頭突きよ」
めそめそと額をさすっているのは女帝十五位だ。先週姿を借りてから再会しないようにと願っていたのに、まさか襲撃してくるとは。寝具に腰かけた百位は腕を組んで咳払いをした。
「で? こんな朝っぱらからなんの用?」
下女が起こしに来ていない。まだ日の出前だ。なんて迷惑な。
「いやはや、困ったものでの」
「ええ、わたしも困っているけど」
「悩みなら聞くぞ? どうじゃ? 今晩」
「……さっさと話して」
「冷たいのう」
唇をすぼませた十五位は何食わぬ顔で隣に腰を下ろす。なぜか密着してくる。一つ離れるとわざわざくっついてくる。ああ、嫌だわー、と諦めると、十五位はようやく本題に入った。
「なに、魏の返還の話じゃ。あのとき、厄介な問題が起きての」
どきりとした。まさか。
「……え? もしかして、ばれたの?」
「いや? わっちと百位が入れ替わったことは悟られておらん。むしろ、皇帝はわっちだったと信じておられる」
なら、入れ替わりは大成功のはず。にも関わらず、十五位は深々と溜息を吐くと眉間に皺を寄せた。
「えっと、問題って?」
「……せねばならなくなったのじゃ」
声が小さくて聞き取れない。十五位は裾を握りしめている。
「え? なんて?」
「結婚っ! せねばならなくなったのじゃ! 百位のせいで! 四位と! 皇帝は、わっちが男嫌いを克服したと勘違いしてしまったのじゃああああああああ!」
ぬおああああああああっと叫びながら寝具の枕に飛び込んだ十五位は、両足をジタバタさせながら勢いよく枕の匂いを嗅いでいた。その滑稽な姿を、百位は合点がいかないまま無言で眺めた。そして百位を起こしに来たのであろう下女が戸を開けて首を傾げていた。
不本意ながら十二単に着替えた百位は、十五位の馬車に乗った。黒塗りの外観、ふかふかの椅子、もこもこの絨毯、ここも百合の匂いが充満していて胸が焼ける。ガラガラと揺れる高そうな馬車の中で十五位に密着され続けた百位は、帝位の屋敷に連れてこられた。
無駄に天井が高い一室で正座をしながら待っていると、若葉色の髪に束感を作った男、帝位四位が会釈をしながら入ってきた。
「お待たせしました」
垂れ目を柔く細め、朗らかに頬を緩めた四位が正面で姿勢よく正座する。百位の後ろでは、子が親の背に隠れるように十五位が四位を睨んでいるようであった。四位も困ったように苦笑いする。
「えーっと、とりあえず、百位さん。魏の返還、本当に助かりました。ありがとう」
改めて、と四位が頭を下げる。
「いえ、それほど大したことはしておりません。ひとえに、十五位様のご協力あってのことでしたし」
十五位を四位の前に引っ張りだそうとはしてみたものの、全体重を尻に乗せているようで頑なに拒否される。
「百位さんが今日来られたのは、まあ、その、あれ……、ですよね?」
四位が気まずそうに十五位をちらちら気にしている。
「その話、詳しく聞かせてもらえますか?」
百位の問いに、四位は「どこから話しましょうか」と腕を組んだ。
女帝十五位は大の男嫌いだ。それは、皇帝が気にかけるほどに。だが、魏の返還のとき、十五位は四位と言葉を交わし、手を取り合っていた。その光景に皇帝はたいそう喜ばれたとか。なんでも、皇帝は十五位のことを赤子のころから存じていて、十五位の成長を親のように見守ってきたらしい。ただ、十五位が男嫌いになってからは会わないようにしてきたと。そんな十五位がついに男嫌いを克服した。なら、久方ぶりに会って話がしたい。将来の婿である帝位四位と一緒に、謁見に参られよ。
そんな死刑宣告が十五位に届いたのが昨日のことらしい。
「嫌なら嫌って言えば?」
率直な感想を伝えれば、十五位は目をひん剥きながら立ち上がった。
「皇帝じゃぞ! そちは馬鹿かっ!」
「じゃあ四位様と手を繋いで行くしかないじゃない」
「絶対に嫌じゃあ!」
「じゃあどうすんのよ」
「百位っ! そちがわっちに成り代わって行くのじゃ!」
「え、絶対に嫌」
「なんでじゃあああああああああああ!」
十五位の咆哮に鼓膜を殴られた百位は仰け反った。四位も頬を引きつらせている。
「さすがに、声で百位さんだとばれるかなぁ」
「百位っ! 貸しが一つ残っておるじゃろ! なんとかせい!」
――そんなこと言われても、ねぇ?
苦笑いする四位と顔を見合わせたあと、ひとまず思考の中に飛び込んでみる。入れ替わり、は難しいはず。魏の返還のときは、皇帝から離れていたからできた荒業だ。謁見というものがどんなことをするのかは知らないが、四位が声でばれると言ったことから直接の会話があるのだろう。声真似のような芸は得意ではない。となると、やはり本人が行くしかないが――。
「でも、そういえば、あんた、守備隊長は特に気にしてなかったじゃない」
「あの枯れた兵士は、男の尊厳を捨てておるのじゃ。嫌いではあるが、まあ、近づかれなければ大丈夫じゃ」
男の尊厳。腑に落ちず、四位に目配せすると、「ああ」と頷いてくれる。
「守備隊長さんはですね、羅切されていますよ。守備隊長さんだけでなくて、帝都中心部で働く衛兵は羅切した男しか務められません。万が一にも、女帝に手を出されては困りますし、下女となにかあっても面倒ですから。ただ、帝都中心部以外は、一般の男性でも衛兵になれますから、まあまあよくないことも度々起きますね」
羅切とは確か、男性の大事なものを切ることだ。女帝だけでなく、上位女帝に仕える下女も綺麗な人は多い。間違いを起こすな、と言うのが無茶なら、間違いが起きる原因を断てば良い。なんとも帝都らしいやり方だ。
「じゃ、じゃが、そこの男は尊厳を捨てておらんっ! わっちはもう、この部屋、いや、この屋敷におりたくない! 百位がおらなんだら、わっちは死んでまう!」
また十五位は背中に隠れてしがみついてきた。そんな大げさな、とは思いつつも、プルプル震える手を払いのけることはしたくなかった。
四位もいたたまれないように頭をポリポリ描いている。困ったものだが、四位が用意した呪符にこの身は救われている。十五位も姿を貸してくれた。このまま突き放すのは、人として良くないだろう。
ふん、と鼻を鳴らした百位は、人差し指を高すぎる天井に向けて十五位の青ざめた顔を覗いた。
「一つだけ案があるわ。協力するから、これで貸しは返すわよ」
コクコクと頷いた十五位から了承を得てから、ぱちくりとまばたく垂れ目の男を見定めた。
「素材は悪くないからね」
百位の呟きに、四位は首を傾げるだけだった。
目覚めたとき、紅桔梗色の髪を被った女が頬を上気させながら腕に抱きついていた。百合の甘ったるい匂いを認識したとき反射的に頭突きをかましたが、頭蓋骨同士の衝撃はこれが夢ではないことを教えてくれた。
「なにも殴らんでもよかったじゃろう」
「頭突きよ」
めそめそと額をさすっているのは女帝十五位だ。先週姿を借りてから再会しないようにと願っていたのに、まさか襲撃してくるとは。寝具に腰かけた百位は腕を組んで咳払いをした。
「で? こんな朝っぱらからなんの用?」
下女が起こしに来ていない。まだ日の出前だ。なんて迷惑な。
「いやはや、困ったものでの」
「ええ、わたしも困っているけど」
「悩みなら聞くぞ? どうじゃ? 今晩」
「……さっさと話して」
「冷たいのう」
唇をすぼませた十五位は何食わぬ顔で隣に腰を下ろす。なぜか密着してくる。一つ離れるとわざわざくっついてくる。ああ、嫌だわー、と諦めると、十五位はようやく本題に入った。
「なに、魏の返還の話じゃ。あのとき、厄介な問題が起きての」
どきりとした。まさか。
「……え? もしかして、ばれたの?」
「いや? わっちと百位が入れ替わったことは悟られておらん。むしろ、皇帝はわっちだったと信じておられる」
なら、入れ替わりは大成功のはず。にも関わらず、十五位は深々と溜息を吐くと眉間に皺を寄せた。
「えっと、問題って?」
「……せねばならなくなったのじゃ」
声が小さくて聞き取れない。十五位は裾を握りしめている。
「え? なんて?」
「結婚っ! せねばならなくなったのじゃ! 百位のせいで! 四位と! 皇帝は、わっちが男嫌いを克服したと勘違いしてしまったのじゃああああああああ!」
ぬおああああああああっと叫びながら寝具の枕に飛び込んだ十五位は、両足をジタバタさせながら勢いよく枕の匂いを嗅いでいた。その滑稽な姿を、百位は合点がいかないまま無言で眺めた。そして百位を起こしに来たのであろう下女が戸を開けて首を傾げていた。
不本意ながら十二単に着替えた百位は、十五位の馬車に乗った。黒塗りの外観、ふかふかの椅子、もこもこの絨毯、ここも百合の匂いが充満していて胸が焼ける。ガラガラと揺れる高そうな馬車の中で十五位に密着され続けた百位は、帝位の屋敷に連れてこられた。
無駄に天井が高い一室で正座をしながら待っていると、若葉色の髪に束感を作った男、帝位四位が会釈をしながら入ってきた。
「お待たせしました」
垂れ目を柔く細め、朗らかに頬を緩めた四位が正面で姿勢よく正座する。百位の後ろでは、子が親の背に隠れるように十五位が四位を睨んでいるようであった。四位も困ったように苦笑いする。
「えーっと、とりあえず、百位さん。魏の返還、本当に助かりました。ありがとう」
改めて、と四位が頭を下げる。
「いえ、それほど大したことはしておりません。ひとえに、十五位様のご協力あってのことでしたし」
十五位を四位の前に引っ張りだそうとはしてみたものの、全体重を尻に乗せているようで頑なに拒否される。
「百位さんが今日来られたのは、まあ、その、あれ……、ですよね?」
四位が気まずそうに十五位をちらちら気にしている。
「その話、詳しく聞かせてもらえますか?」
百位の問いに、四位は「どこから話しましょうか」と腕を組んだ。
女帝十五位は大の男嫌いだ。それは、皇帝が気にかけるほどに。だが、魏の返還のとき、十五位は四位と言葉を交わし、手を取り合っていた。その光景に皇帝はたいそう喜ばれたとか。なんでも、皇帝は十五位のことを赤子のころから存じていて、十五位の成長を親のように見守ってきたらしい。ただ、十五位が男嫌いになってからは会わないようにしてきたと。そんな十五位がついに男嫌いを克服した。なら、久方ぶりに会って話がしたい。将来の婿である帝位四位と一緒に、謁見に参られよ。
そんな死刑宣告が十五位に届いたのが昨日のことらしい。
「嫌なら嫌って言えば?」
率直な感想を伝えれば、十五位は目をひん剥きながら立ち上がった。
「皇帝じゃぞ! そちは馬鹿かっ!」
「じゃあ四位様と手を繋いで行くしかないじゃない」
「絶対に嫌じゃあ!」
「じゃあどうすんのよ」
「百位っ! そちがわっちに成り代わって行くのじゃ!」
「え、絶対に嫌」
「なんでじゃあああああああああああ!」
十五位の咆哮に鼓膜を殴られた百位は仰け反った。四位も頬を引きつらせている。
「さすがに、声で百位さんだとばれるかなぁ」
「百位っ! 貸しが一つ残っておるじゃろ! なんとかせい!」
――そんなこと言われても、ねぇ?
苦笑いする四位と顔を見合わせたあと、ひとまず思考の中に飛び込んでみる。入れ替わり、は難しいはず。魏の返還のときは、皇帝から離れていたからできた荒業だ。謁見というものがどんなことをするのかは知らないが、四位が声でばれると言ったことから直接の会話があるのだろう。声真似のような芸は得意ではない。となると、やはり本人が行くしかないが――。
「でも、そういえば、あんた、守備隊長は特に気にしてなかったじゃない」
「あの枯れた兵士は、男の尊厳を捨てておるのじゃ。嫌いではあるが、まあ、近づかれなければ大丈夫じゃ」
男の尊厳。腑に落ちず、四位に目配せすると、「ああ」と頷いてくれる。
「守備隊長さんはですね、羅切されていますよ。守備隊長さんだけでなくて、帝都中心部で働く衛兵は羅切した男しか務められません。万が一にも、女帝に手を出されては困りますし、下女となにかあっても面倒ですから。ただ、帝都中心部以外は、一般の男性でも衛兵になれますから、まあまあよくないことも度々起きますね」
羅切とは確か、男性の大事なものを切ることだ。女帝だけでなく、上位女帝に仕える下女も綺麗な人は多い。間違いを起こすな、と言うのが無茶なら、間違いが起きる原因を断てば良い。なんとも帝都らしいやり方だ。
「じゃ、じゃが、そこの男は尊厳を捨てておらんっ! わっちはもう、この部屋、いや、この屋敷におりたくない! 百位がおらなんだら、わっちは死んでまう!」
また十五位は背中に隠れてしがみついてきた。そんな大げさな、とは思いつつも、プルプル震える手を払いのけることはしたくなかった。
四位もいたたまれないように頭をポリポリ描いている。困ったものだが、四位が用意した呪符にこの身は救われている。十五位も姿を貸してくれた。このまま突き放すのは、人として良くないだろう。
ふん、と鼻を鳴らした百位は、人差し指を高すぎる天井に向けて十五位の青ざめた顔を覗いた。
「一つだけ案があるわ。協力するから、これで貸しは返すわよ」
コクコクと頷いた十五位から了承を得てから、ぱちくりとまばたく垂れ目の男を見定めた。
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