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山男が見る世界
【6】よくばりな むすめ、よく
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あれから二日。
獣堕ちと戦って以降は目立った事も無く、街での目的も果たし、山へと帰って来ていた。
目立った事は確かに無いが、気になる事や考える事は目白押しだった訳だが。
まず、獣堕ちの魔の物は、何処から現れたのか。
俺達も騎士隊に呼ばれ聴取を受けたが、聞きたいのは此方の方だ。
街には魔の物に対する結界が張ってある為、外からの侵入は考えられない。
だが、街の内側で獣堕ちが『発生』したのならともかく、あれ程堕落の進んだ魔の物が街に『潜んでいた』など考えられない。
聞き耳を立てた限りでは、近況で魔の物による被害など起きていなかったとも。
ならば思い付くのは、高位市民が出向いていた件だ。
連中の趣味を考えれば、関係があるに決まっている。昔、俺達何でも屋が似たようなヤマを潰したのだが、懲りずにそういうヤマが立ったに違いない。
放っておいても、近々騎士隊の内偵が入るだろう。俺とフィリには関係が無い。
そして、フィリが『魔女』である可能性についてだが……ふむ、中々由々しき事態ではあるものの、彼女にそれ程の嗜虐心は見られないし、仮に魔女だったとしても問題なかろう。勘違いである可能性もある。
ん? 待てよ?
俺に対しては、フィリはとびきり性的悪戯面で嗜虐心があるな。
人種的な魔女とはまったく関係が無い話だが、俺にとって魔女なのは間違いない。
つまり、どちらでも良いのだ。俺はフィリを愛している。それだけだ。
そして性的悪戯といえば、あんな事があった為、フィリと宿で愛し合う事はしなかった。
それはそれでフィリを安心させてやれたかも知れんが、いつも以上に彼女にべったりする事で温もりを与えてやりたかったのだ。
必要以上に世話を焼く俺にフィリは辟易としていたが、何かしてやる毎に口では鬱陶しいと溢しつつ、にへら、と幸せそうに笑っていたので問題あるまい。
他にも細々とあったが……特筆すべき事があるとすれば、今日山へと帰る際、ナタラ殿の弟子で、堂々とフィリの裸体が見られて幸せ宣言をした少年、カテラ君十四歳がフィリに正式に交際を申し込んで来た事だ。
中々見所のある少年である。フィリが幸せな家庭を築くには、彼のような人材ならば申し分ない。
だがフィリを愛しているのは俺も同じなのだ。
まずは俺を倒してから連れて行けと、丁寧に丁寧に丁重に慎重に叩きのめして帰してやった。
街での出来事を思い返しながら、家周りの柵を点検する。
緩んでいないかどうかは勿論だが、特に気を配るのは獣の気配だ。ざっと見て罠に掛かった様子は無いが、狡猾な魔の物が寄って来た様子は無いか、少しでも山を下りる前との違いが無いか、入念に確かめた。
普段から気を抜いているつもりは無いのだが、久々に魔の物……それも獣堕ちの驚異を目の当たりにしたばかりだ。点検に力が入るのは仕方あるまい。
「ととの、あっちのさくは だいじょうぶだとおもう。でもまだ じしんは ないから、かくにんして」
「ああ、分かった。ありがとう」
ゆくゆくはフィリにも必要な事なので、俺は一部の点検をフィリに任せていた。
飲み込みの早いフィリはすぐに順応し、その精度も高いのだが、罠に近付く必要がある為、俺は内心胆を冷やしている。
本当はやらせたく無い。教育と親心が乖離している。むう。
悩んだ所でふと、気付いた。フィリはもしかすると魔女かもしれないのだ。いや、魔女では無くとも、魔術の才に恵まれているのは間違いない。
「フィリ、俺の言葉を繰り返してみろ」
「うん? わかった」
俺は膝を付き、喉に人差し指を当てると、祈りの挨拶を述べる。
「精霊の加護あれ」
つい癖で姿勢も取ったが、これは礼儀の部類だ。フィリが素直に真似ようとするのを制止する。
「姿勢はそのままで良い」
「はーい。せいれいのかごー」
フィリが挨拶を述べたが、加護の単語を知らないせいか祝詞が違う。
それでは『精霊の加護を』になって対象が変わってしまうし、そもそもこの山には精霊はいないのだ。
魔術の才があるならば、他人の安全を祈るという真摯な姿勢に、精霊からでは無くとも自然の力を僅かに与えられる。魔術の才の無い俺は、本気で祈りたい時にその意味を込めて『山神の加護あれ』と言うのだ。
だが『精霊の加護を』ーーつまり、自分に力を与え賜え、などという自己欲では、精霊も自然の力も応えまい。
だが。
「おお~! ととの、なんか からだかポカポカしてる!」
やはり魔女なのか? それとも余程の才に恵まれているのか?
それは分からないが、有り得ない事が起きていた。精霊がいない山で、それも自分に向けた祝詞で、精霊が応えたというのか。
「フィリ、今の挨拶をよく覚えて、戦いの時や罠を見て回る時には心の中で必ず言うんだ。もう一度、精霊の加護“を”」
「わかった。せいれいのかごを……。うん? かわらないよ?」
「既に精霊がお前を守ってくれているからだ。加護を得られるなら何度挨拶しても精霊は怒らん。だから、危険な時は必ず言え」
フィリは自分に起きた不思議な現象に戸惑いながら、俺に問うた。
「ねぇ、ととの。これってたまに ととのがやってる“おいのり”だよね?」
「普通はそうだな。だがお前のそれは魔術だ」
「まじゅつ…………まじゅつ!?」
意味を理解した途端、フィリは目を輝かせながら、ぴょこぴょこと飛び跳ねる。
「すごい! フィリまじゅつのさいあったんだ!」
「もっとも、俺は使えんから他の祝詞を知らんがな」
「えぇ~!?」
落胆に頬を丸くする。
そんなフィリの頬をつつきながら、二人で柵を見て回り、家へと入った。
軽く机を拭いて荷物袋を下ろし、調達した物を手分けしてある程度片すと、俺はフィリを呼んだ。
「この前、灰色狐を纏めて狩れただろう?」
「まえに まちにいく ちょくぜんだよね。ふくにつかってるから わかってたけど、ほんとうにぜんぜん こうげきが とおらなくてビックリしたよ」
灰色狐を見掛ける事自体あまり無いのだが、見掛けたとしても狩猟は更に困難だ。
なにせ連中の毛皮の下にある特殊な薄皮は、光が透ける程に薄いが裂くにも叩くにも強い。瞬間的な力の類いは尽く弾かれるのだ。
しかし狩る方法は幾らかある。狩るだけなら呼吸を止めてやれば良いのだ。
狩った後は、毛皮は固く獣臭いので肉も売れない為、丸焼きにするのが一般的だ。毛皮と肉は焼け、丈夫な骨と薄皮しか残らない。
そんな灰色狐が複数狩れたので、前回街に寄った時に依頼し、昨日受け取ったのが、
「新しい服だ」
「うわ、すごい……」
俺にはよく出来栄えが分からんが、手間を掛け断って、縫って、飾ってを繰り返してあるようだ。
俺の縫って着せていた皮服も、素材が灰色狐だった為、誰も何も言われなかったが……正直、素材を知らねば低位市民にも捨て子にも見えただろう。
その点、今回拵えた服ならば、一見して高位市民と言われても信じる筈だ。
「ほんとかわいい! ととの、ありがとう! って、まって?」
服の上着と中着を分解し、持ち上げてはしゃいでいるフィリの可愛さに口角を上げていると、急に彼女は服を机に置いて、考える芝居のような大袈裟な構えを取った。
「ん? あれ? なんで はいいろぎつねの はなしが きゅうに ふくのはなし になるの?……え、まさかと おもうけど これ いっちゃくだけだよね?」
「何を言う、前の服も三着あっただろう。今回も三着用意した」
当然である。新しい服を納めた箱から、残りの二着を取り出して見せた。
「ねえ、はいいろぎつねの かわは ちゃんとうったんだよね?」
「いや? これを作るだけで余らなかったようだぞ?」
「ばかなの!? いやうれしいけどさ!! いっぴきうったら つきのはん ぐらいは じょういしみん みたいに くらせるんでしょ!?」
目を白黒させながら抗議するフィリ。
安心しろ愛娘よ、俺は金銭勘定の出来ない男ではない。
「問題ない。灰色狐の皮は、売って得る金より仕立てで出ていく金の方が高い。全部手元に残した方が良かろう」
「……どういう かんかくなのそれ。というか、ととの おかねもちだったんだ……」
納得してくれたようで、フィリはいそいそと服を衣装棚に仕舞い始めた。
服など汚れるし、その内変える物だが、だからこそフィリを可愛くする為に、その瞬間を輝かせる為に金を掛けるべきだ。
うむ、女心という物が俺にも分かってきたに違いない。
フィリを視線で追っていると、彼女は棚に吊り下げた服を暫く眺めた後、覚悟を決めたように大きく呼吸をした。
「ととの、ほんとうにありがと。フィリ、がんばるね」
「うむ。いっそ、その服が裂けるぐらい訓練してみろ」
「それはさすがに、しんじゃうかも」
「それは困るな。悲しみでととのまで死んでしまう」
後刻の夕になり、飯も済ませた。
食後の休息もあと少し。風呂に入って、その後は……寝床でフィリを堪能させて貰うとしよう。
少し日が開いてしまった分、少々激しく。
そう思い、俺の膝の上で鼻歌を歌いながら左右に揺れている可愛い物体をそっと抱き締めた。
俺の下心が伝わったのだろう。フィリは少しだけ身を固くした後、そっと俺の腕に頭を預けて言った。
「……ねぇ、ととの。おねがいが あるんだけど」
「む? 今日は止めておこうか?」
「ううん、そうじゃなくて……」
頭が預けられている方の腕を、フィリの小さな手が撫でる。
そして何かを決意したように、撫でる手に力を込めた。
「きょうは、おふろで……しよ?」
む……余程激しいのを求めているのか?
確かに今日は量が多くなるだろうから、寝床布を汚さないのは助かるが、量が多いという事は何度か『致す』という事でもある。
「何回か済ませて、のぼせる前に寝床に行くなら問題なかろうが」
俺の言葉に、フィリは可笑しそうに、そして妖艶に、クスリと笑った。
「たぶんだけどね、ととのは にかいで ほとんどまんぞくすると おもうよ」
ああ、何か悪戯を考えている反応だ。
フィリは時々こうして、俺がより強く果てるように頑張ってくれる。
最中に焦らしたり、柔らかい部分に優しく歯を立ててみたり、果てる直前に肉棒を縦スジに押し付けてみたり。
どれも些細な工夫だが、俺はその全てで普段より多い精を吐いた。
殆どはフィリのいじらしさがそうさせるのだが、特にスジを押し付けられた時は、挿入らない事が分かっていても、その先に膣穴がある事実に強く激しく迸ったものだ。
「だいてくれる まえ、ととのすこし おおきくなるようになったね。えっち」
スルリと俺の腕を逃れたフィリが、小さな人差し指で俺の股間を撫でて駆け出す。
「かわやに いってくるね! おふろ じゅんびしてて~!」
言われて成程、俺の欲の象徴は少し膨らんでいる事に気付いた。
女の特徴を見せない身体には興味が無いというのに、フィリに限りその薄い胸にも、丸みを帯びた腹にも、ぴっちり閉じた恥丘にも、艶かしさを感じて始めている。
どうやら俺は四才児に、しっかり調教されているらしい。
恥ずかしながら、期待で胸を高鳴らせながら風呂の準備をし、フィリと一緒に浴室へ。
さて身を清めようとした矢先、フィリの攻撃が始まった。
「まってととの。ア~……」
「待て待て待て、汚かろう!」
まだ掛け湯もしていないというのに、フィリが竿を咥えようとしたのだ。
「え~、いまさらでしょ。いっかい ぜんごの まから、おそとで こだね のんだし」
「それはそうだが、折角風呂なのだぞ? 洗ってからでも」
「いいから! もしびょうきになっても いりょういんの まじゅつでなおっちゃうんだから べんりだよね~……モむッ」
問答無用とばかりにフィリは萎んだ竿に食らい付いた。
前に比べてフィリも成長し、亀頭ぐらいなら口で被えるようになったが、それでも顎が外れんばかりに頬張る事になる。簡単に口に入るのは、萎んでいる内だけだ。
「んも……ん……ゴッ! んぶっ!……もぐ……ごえっ!!」
穴の刺激にみるみる大きくなる肉棒に、案の定フィリがえずき始めた。
「吐く前に止めなさい、飯の意味が無くなる」
俺が言うのと同時に、ぷはっ、と口を離して呼吸するフィリ。反転しかけた胃に少々涙目だ。
「けふっ。あとで ととのに きたないこと しちゃうから、さきにフィリがしたかったの」
「……尿は飲まんぞ」
「だいじょうぶだよ。さきに かわやいったから」
そう言って一度行為を止めると、互いに頭を洗い、体を洗い、体を湯で流す前に二度目の手が始まった。
泡だらけで直下勃つ肉棒に、やはり泡だらけの身体で抱き付くフィリ。全身を擦り付ければ、ニチ、ぐち、と清い筈の泡が淫靡に鳴く。
「あわひめ! ととの、どう?」
「泡姫とは言い得て妙な……だが成程、中々……」
ぬるぬると滑る身体に、時折股で扱かれる感触。俺の先走りとも、フィリの蜜とも違う、より粘質な滑(ぬめ)りに背筋を痺れが駆け抜ける。
「でそうに……んっ。なったら、おゆかけてね……」
「このままでも……かなりキクのだが……っ?」
フィリは柔らかいアレもコレもを押し付け扱きながら、亀頭の泡にグチュリ、と頬擦りした。
「んっ、ンッ! いまでも きもちいいのに、おくちに あふれるぐらい……ァン……こだねを むりやりフィリに のますの……よくない?」
想像しただけで、竿が激しく反応する。
無理矢理、というのに少し忌避感を覚えるが、それすら彼女自身が良しとしている事も背徳的で、甘美な誘惑だ。
フィリもそれを快感として期待しているのだろうか。先程から竿を扱くのを自重に任せ、両手は自分の股の奥深くに伸びていた。
「はきそうに なったら……て、たたくから……フィリのあたまつかんで すきなだけ……ね?」
言われた直後に、竿に湯を掛けた。
そんな表情をされては、堪えられる筈が無いではないか。
「あむ……もっ……」
すぐに竿の先を咥え込むフィリ。
その頭を動かないように強く押さえ付け、
殆ど隙間の無い口内でも尚、フィリは亀頭を舐め回した。
勢いよく、噴出。
「ぅぶっ!! んっ! グッ……モゴッ!!」
苦しそうにフィリは頭を揺らすが、逃がすまいと無理矢理押さえ付ける。
ごきゅり、ゴクン、と喉を鳴らし、子種を飲み搾るフィリは……まだ、手を叩いて来ない。
びゅぐり、ビュルッ、ごぼっ
「ンッ! んぶっ! もっ、ングゥ!」
射精の激しい部分が、あと少しで終わる。
ベチベチとフィリの手が俺を叩いた、が。
もう一度、もう一瞬だけ。
ビュグル!!
「ゴッ!?」
ようやく手を離し、フィリが慌てて口から竿を引き抜く。
まだ射精は続き、彼女の可愛らしい胸の蕾に飛び散った。
「けほっ! けほっ!……ホントに はくかとおもった」
「すまん……どうしても出したかった」
「ううん、はくときもちわるくなるし、おいしいごはんも もったいないけど、ぜんぶむりやり だしちゃってもよかったんだよ」
フィリはまるで、自分の胸の高鳴りを聞かせるように俺の頭を抱き締め。
「ととのに……めちゃくちゃにされたいから」
射精後の脱力を始めていた男根が、また天を仰いだ。
「ふふっ、げんきだね」
「フィリが、えっちな事を言うからだ」
「うん……フィリね、すごくえっちなんだよ」
そのままフィリが竿を撫で育てる内に、俺は二人の残った泡を流しておく。
正直、今のは強烈だった。この一発だけで、滾りを気にせず安眠出来るぐらいだ。
それでもフィリは竿を撫で、固く固く起立させると、両手をぺちりと合わせた。
「よし、“ぜんぎ”おわり! ととの、ゆかに ねころがって!」
「なに……?」
フィリがよく分からん事を言ったが、とりあえず指示に従って床へ。
「よっ、とと。んしょ。じゃあ…………ほんばん、いくね」
そう言うとフィリは腰の上に登り、立ったまま竿に跨がった。
「待て待てフィリ何をする気だ!? 入る訳が無いだろう!」
「も~、それぐらいわかってるよ。ととの、ひざ たてて。こけそう」
互いの秘部を密着させる状態に、少しハラハラしながら膝を立てる。
俺の脚を支柱代わりに直立し、自分の股ぐらを串刺しにされかねないこの状況に、フィリもまた少々怯えているように見えた。
「こんどは すぐに こだねださせたげる。でもね、コレけっこう ゆうきがいるんだよ」
当たり前だ。重心を崩せば医療院沙汰になりかねん。
フィリの献身はいじらしく、愛情としても性欲としても抱きしめたい思いでいっぱいだが、これは腹の底が冷えるばかりだ。
このまま前後に動くつもりなのだろうが、それなら他にも方法があるだろう……
思った通り、フィリは蜜に濡れた股で竿の先をヌルリと撫でると、一言。
「わざとだから」
つぷり、と亀頭の先がフィリに浸入した。
「フィリッ??!!」
「だい……じょぶ……」
慌てて動くとフィリがバランスを崩し、内臓を貫きそうで身動きが取れない。
だがフィリはというと、更に自重を預け、ぬぷり、と完全に亀頭を呑み込んだ。
「あんし……ん、して。おしりの ほう……だから」
「尻だとしても太すぎるだろう!?」
言う間にも穴は少しずつ竿を迎え入れ、気付くとフィリは俺の腰では無く、床に立っていた。
「ここまでは、ね。とっくんしてたんだけど……ととのの、ほうが、ふといし……ここからさきは、はじめて……お、おオっ??」
特訓……特訓っ。あの棍棒、そういう事か。
帰ってきたら成果を見せると言っていたが、これの事かっ。
馬鹿げた事をと叱り飛ばしてやりたいが、ミチミチと食い込んでいく肉棒が、特訓でも未体験らしい奥底まで誘われる。
痺れなどという生温いものではない。
神経を焼き切りそうな快感が、背筋を登る。
フィリが微かに腰を下げる度『出す』のではなく『入れる』違和感に脳が混乱するのだろう。その口からは可愛さの欠片もない声が洩れ出していた。
「ぉ……ぅ……オ……」
そして進む度、フィリの腸内が激しく締まる。
異物を押し出そうと、うねる。
ゆっくり、ヌル、ヌルと肉棒が進んで行き、
「カハッ……!」
腸内の肉が開かない所まで、俺は到達していた。
ひくひくと締まる穴の入り口。肉棒をひり出そうとうねり狂う腸内。
「ア゛……ォ……ごめ、うごげな……い」
発声による振動が、それらの締まりを強くして、
最初の熱い塊がひとつ、フィリの腸内に植え付けられた。
ゴボッッッ!
「オ゛……?」
二つ目の塊が、俺の尿道を広げんばかりに、
ごびゅるっ!!
「カハッ!? ア゛ッ!!」
そして、塞き止めていた塊が失われた事で、粘る濁流が、
ブビュルル……ごぷっ!ビュクッ!
「ーーーッ! か……っ! ア゛ッ! オ゛ァッ……ーーーっ!」
子種を存分に流し込み、満足そうに竿から力が抜けて行く。
かひゅっ、と呼吸する事を思い出したフィリが酸素を取り込んだ瞬間、尻穴がすぼんだ。
俺にも、フィリにも、不意打ちだ。
びゅるっ……
「ぁひっ!? あ…………ああぁああぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」
尿道にしつこく残っていた子種を吐き出させ、同時にフィリが恥丘から潮を撒き散らし、果てた。
どれだけ経っただろう。
仰向けに横たわる俺の上で、フィリもまたうつ伏せに倒れ込んでいた。
俺の上から、フィリが寝そべったまま下りると、ひとつに結合していた部分がチュポ、と音を鳴らして抜ける。
四つん這いで数歩動いて、フィリも仰向けに倒れ込む。腹が少し膨らんでいる気がした。
「はひ……ととにょで……おにゃかタプタプいってゅ」
呂律の回らない様子で腹を摩り、フィリが続けた。
「かゎや、いったけろ……うんひ、でたりゃごめんにぇ……」
途端、フィリの可愛い尻穴が出しているとは思えない音を立て、ぶちゅるるるる、と子種が噴水のように噴き出した。
「がんばっひゃかい、あるけりょ……だしひゅぎ」
出来るだけ出し切ったようだが、幸い白色以外が飛び出す事は無かった。
厠に行っていたのも、泡姫の時に股を……いや、尻を入念に洗っていたのも、全部計画通りという訳か。
「ア~……ことば なおっひぇきたかな……ととの~、うごけない~。ふいて ねどこつれてって~ 」
やれやれ、と姫を抱くようにして持ち上げる。
そのまま拭く事もせずに寝床へ直行すると、フィリを優しく降ろした。
うつ伏せに、尻を上げた姿勢で。
「え~っと……ととの?」
「危ない事をした罰に、今日はフィリの特訓にととのも付き合う事にした」
えへへ、と気まずそうにフィリは笑うと、まだ力が入らず震える手で、自らの尻を広げた。
「ぐちゃぐちゃに……して?」
腸内に残っていた子種が一筋伝い、スジの溝を撫で、期待にひくつく膣穴に呑み込まれたがーー
ーー今夜は、前の穴が可愛がられる事は無かった。
獣堕ちと戦って以降は目立った事も無く、街での目的も果たし、山へと帰って来ていた。
目立った事は確かに無いが、気になる事や考える事は目白押しだった訳だが。
まず、獣堕ちの魔の物は、何処から現れたのか。
俺達も騎士隊に呼ばれ聴取を受けたが、聞きたいのは此方の方だ。
街には魔の物に対する結界が張ってある為、外からの侵入は考えられない。
だが、街の内側で獣堕ちが『発生』したのならともかく、あれ程堕落の進んだ魔の物が街に『潜んでいた』など考えられない。
聞き耳を立てた限りでは、近況で魔の物による被害など起きていなかったとも。
ならば思い付くのは、高位市民が出向いていた件だ。
連中の趣味を考えれば、関係があるに決まっている。昔、俺達何でも屋が似たようなヤマを潰したのだが、懲りずにそういうヤマが立ったに違いない。
放っておいても、近々騎士隊の内偵が入るだろう。俺とフィリには関係が無い。
そして、フィリが『魔女』である可能性についてだが……ふむ、中々由々しき事態ではあるものの、彼女にそれ程の嗜虐心は見られないし、仮に魔女だったとしても問題なかろう。勘違いである可能性もある。
ん? 待てよ?
俺に対しては、フィリはとびきり性的悪戯面で嗜虐心があるな。
人種的な魔女とはまったく関係が無い話だが、俺にとって魔女なのは間違いない。
つまり、どちらでも良いのだ。俺はフィリを愛している。それだけだ。
そして性的悪戯といえば、あんな事があった為、フィリと宿で愛し合う事はしなかった。
それはそれでフィリを安心させてやれたかも知れんが、いつも以上に彼女にべったりする事で温もりを与えてやりたかったのだ。
必要以上に世話を焼く俺にフィリは辟易としていたが、何かしてやる毎に口では鬱陶しいと溢しつつ、にへら、と幸せそうに笑っていたので問題あるまい。
他にも細々とあったが……特筆すべき事があるとすれば、今日山へと帰る際、ナタラ殿の弟子で、堂々とフィリの裸体が見られて幸せ宣言をした少年、カテラ君十四歳がフィリに正式に交際を申し込んで来た事だ。
中々見所のある少年である。フィリが幸せな家庭を築くには、彼のような人材ならば申し分ない。
だがフィリを愛しているのは俺も同じなのだ。
まずは俺を倒してから連れて行けと、丁寧に丁寧に丁重に慎重に叩きのめして帰してやった。
街での出来事を思い返しながら、家周りの柵を点検する。
緩んでいないかどうかは勿論だが、特に気を配るのは獣の気配だ。ざっと見て罠に掛かった様子は無いが、狡猾な魔の物が寄って来た様子は無いか、少しでも山を下りる前との違いが無いか、入念に確かめた。
普段から気を抜いているつもりは無いのだが、久々に魔の物……それも獣堕ちの驚異を目の当たりにしたばかりだ。点検に力が入るのは仕方あるまい。
「ととの、あっちのさくは だいじょうぶだとおもう。でもまだ じしんは ないから、かくにんして」
「ああ、分かった。ありがとう」
ゆくゆくはフィリにも必要な事なので、俺は一部の点検をフィリに任せていた。
飲み込みの早いフィリはすぐに順応し、その精度も高いのだが、罠に近付く必要がある為、俺は内心胆を冷やしている。
本当はやらせたく無い。教育と親心が乖離している。むう。
悩んだ所でふと、気付いた。フィリはもしかすると魔女かもしれないのだ。いや、魔女では無くとも、魔術の才に恵まれているのは間違いない。
「フィリ、俺の言葉を繰り返してみろ」
「うん? わかった」
俺は膝を付き、喉に人差し指を当てると、祈りの挨拶を述べる。
「精霊の加護あれ」
つい癖で姿勢も取ったが、これは礼儀の部類だ。フィリが素直に真似ようとするのを制止する。
「姿勢はそのままで良い」
「はーい。せいれいのかごー」
フィリが挨拶を述べたが、加護の単語を知らないせいか祝詞が違う。
それでは『精霊の加護を』になって対象が変わってしまうし、そもそもこの山には精霊はいないのだ。
魔術の才があるならば、他人の安全を祈るという真摯な姿勢に、精霊からでは無くとも自然の力を僅かに与えられる。魔術の才の無い俺は、本気で祈りたい時にその意味を込めて『山神の加護あれ』と言うのだ。
だが『精霊の加護を』ーーつまり、自分に力を与え賜え、などという自己欲では、精霊も自然の力も応えまい。
だが。
「おお~! ととの、なんか からだかポカポカしてる!」
やはり魔女なのか? それとも余程の才に恵まれているのか?
それは分からないが、有り得ない事が起きていた。精霊がいない山で、それも自分に向けた祝詞で、精霊が応えたというのか。
「フィリ、今の挨拶をよく覚えて、戦いの時や罠を見て回る時には心の中で必ず言うんだ。もう一度、精霊の加護“を”」
「わかった。せいれいのかごを……。うん? かわらないよ?」
「既に精霊がお前を守ってくれているからだ。加護を得られるなら何度挨拶しても精霊は怒らん。だから、危険な時は必ず言え」
フィリは自分に起きた不思議な現象に戸惑いながら、俺に問うた。
「ねぇ、ととの。これってたまに ととのがやってる“おいのり”だよね?」
「普通はそうだな。だがお前のそれは魔術だ」
「まじゅつ…………まじゅつ!?」
意味を理解した途端、フィリは目を輝かせながら、ぴょこぴょこと飛び跳ねる。
「すごい! フィリまじゅつのさいあったんだ!」
「もっとも、俺は使えんから他の祝詞を知らんがな」
「えぇ~!?」
落胆に頬を丸くする。
そんなフィリの頬をつつきながら、二人で柵を見て回り、家へと入った。
軽く机を拭いて荷物袋を下ろし、調達した物を手分けしてある程度片すと、俺はフィリを呼んだ。
「この前、灰色狐を纏めて狩れただろう?」
「まえに まちにいく ちょくぜんだよね。ふくにつかってるから わかってたけど、ほんとうにぜんぜん こうげきが とおらなくてビックリしたよ」
灰色狐を見掛ける事自体あまり無いのだが、見掛けたとしても狩猟は更に困難だ。
なにせ連中の毛皮の下にある特殊な薄皮は、光が透ける程に薄いが裂くにも叩くにも強い。瞬間的な力の類いは尽く弾かれるのだ。
しかし狩る方法は幾らかある。狩るだけなら呼吸を止めてやれば良いのだ。
狩った後は、毛皮は固く獣臭いので肉も売れない為、丸焼きにするのが一般的だ。毛皮と肉は焼け、丈夫な骨と薄皮しか残らない。
そんな灰色狐が複数狩れたので、前回街に寄った時に依頼し、昨日受け取ったのが、
「新しい服だ」
「うわ、すごい……」
俺にはよく出来栄えが分からんが、手間を掛け断って、縫って、飾ってを繰り返してあるようだ。
俺の縫って着せていた皮服も、素材が灰色狐だった為、誰も何も言われなかったが……正直、素材を知らねば低位市民にも捨て子にも見えただろう。
その点、今回拵えた服ならば、一見して高位市民と言われても信じる筈だ。
「ほんとかわいい! ととの、ありがとう! って、まって?」
服の上着と中着を分解し、持ち上げてはしゃいでいるフィリの可愛さに口角を上げていると、急に彼女は服を机に置いて、考える芝居のような大袈裟な構えを取った。
「ん? あれ? なんで はいいろぎつねの はなしが きゅうに ふくのはなし になるの?……え、まさかと おもうけど これ いっちゃくだけだよね?」
「何を言う、前の服も三着あっただろう。今回も三着用意した」
当然である。新しい服を納めた箱から、残りの二着を取り出して見せた。
「ねえ、はいいろぎつねの かわは ちゃんとうったんだよね?」
「いや? これを作るだけで余らなかったようだぞ?」
「ばかなの!? いやうれしいけどさ!! いっぴきうったら つきのはん ぐらいは じょういしみん みたいに くらせるんでしょ!?」
目を白黒させながら抗議するフィリ。
安心しろ愛娘よ、俺は金銭勘定の出来ない男ではない。
「問題ない。灰色狐の皮は、売って得る金より仕立てで出ていく金の方が高い。全部手元に残した方が良かろう」
「……どういう かんかくなのそれ。というか、ととの おかねもちだったんだ……」
納得してくれたようで、フィリはいそいそと服を衣装棚に仕舞い始めた。
服など汚れるし、その内変える物だが、だからこそフィリを可愛くする為に、その瞬間を輝かせる為に金を掛けるべきだ。
うむ、女心という物が俺にも分かってきたに違いない。
フィリを視線で追っていると、彼女は棚に吊り下げた服を暫く眺めた後、覚悟を決めたように大きく呼吸をした。
「ととの、ほんとうにありがと。フィリ、がんばるね」
「うむ。いっそ、その服が裂けるぐらい訓練してみろ」
「それはさすがに、しんじゃうかも」
「それは困るな。悲しみでととのまで死んでしまう」
後刻の夕になり、飯も済ませた。
食後の休息もあと少し。風呂に入って、その後は……寝床でフィリを堪能させて貰うとしよう。
少し日が開いてしまった分、少々激しく。
そう思い、俺の膝の上で鼻歌を歌いながら左右に揺れている可愛い物体をそっと抱き締めた。
俺の下心が伝わったのだろう。フィリは少しだけ身を固くした後、そっと俺の腕に頭を預けて言った。
「……ねぇ、ととの。おねがいが あるんだけど」
「む? 今日は止めておこうか?」
「ううん、そうじゃなくて……」
頭が預けられている方の腕を、フィリの小さな手が撫でる。
そして何かを決意したように、撫でる手に力を込めた。
「きょうは、おふろで……しよ?」
む……余程激しいのを求めているのか?
確かに今日は量が多くなるだろうから、寝床布を汚さないのは助かるが、量が多いという事は何度か『致す』という事でもある。
「何回か済ませて、のぼせる前に寝床に行くなら問題なかろうが」
俺の言葉に、フィリは可笑しそうに、そして妖艶に、クスリと笑った。
「たぶんだけどね、ととのは にかいで ほとんどまんぞくすると おもうよ」
ああ、何か悪戯を考えている反応だ。
フィリは時々こうして、俺がより強く果てるように頑張ってくれる。
最中に焦らしたり、柔らかい部分に優しく歯を立ててみたり、果てる直前に肉棒を縦スジに押し付けてみたり。
どれも些細な工夫だが、俺はその全てで普段より多い精を吐いた。
殆どはフィリのいじらしさがそうさせるのだが、特にスジを押し付けられた時は、挿入らない事が分かっていても、その先に膣穴がある事実に強く激しく迸ったものだ。
「だいてくれる まえ、ととのすこし おおきくなるようになったね。えっち」
スルリと俺の腕を逃れたフィリが、小さな人差し指で俺の股間を撫でて駆け出す。
「かわやに いってくるね! おふろ じゅんびしてて~!」
言われて成程、俺の欲の象徴は少し膨らんでいる事に気付いた。
女の特徴を見せない身体には興味が無いというのに、フィリに限りその薄い胸にも、丸みを帯びた腹にも、ぴっちり閉じた恥丘にも、艶かしさを感じて始めている。
どうやら俺は四才児に、しっかり調教されているらしい。
恥ずかしながら、期待で胸を高鳴らせながら風呂の準備をし、フィリと一緒に浴室へ。
さて身を清めようとした矢先、フィリの攻撃が始まった。
「まってととの。ア~……」
「待て待て待て、汚かろう!」
まだ掛け湯もしていないというのに、フィリが竿を咥えようとしたのだ。
「え~、いまさらでしょ。いっかい ぜんごの まから、おそとで こだね のんだし」
「それはそうだが、折角風呂なのだぞ? 洗ってからでも」
「いいから! もしびょうきになっても いりょういんの まじゅつでなおっちゃうんだから べんりだよね~……モむッ」
問答無用とばかりにフィリは萎んだ竿に食らい付いた。
前に比べてフィリも成長し、亀頭ぐらいなら口で被えるようになったが、それでも顎が外れんばかりに頬張る事になる。簡単に口に入るのは、萎んでいる内だけだ。
「んも……ん……ゴッ! んぶっ!……もぐ……ごえっ!!」
穴の刺激にみるみる大きくなる肉棒に、案の定フィリがえずき始めた。
「吐く前に止めなさい、飯の意味が無くなる」
俺が言うのと同時に、ぷはっ、と口を離して呼吸するフィリ。反転しかけた胃に少々涙目だ。
「けふっ。あとで ととのに きたないこと しちゃうから、さきにフィリがしたかったの」
「……尿は飲まんぞ」
「だいじょうぶだよ。さきに かわやいったから」
そう言って一度行為を止めると、互いに頭を洗い、体を洗い、体を湯で流す前に二度目の手が始まった。
泡だらけで直下勃つ肉棒に、やはり泡だらけの身体で抱き付くフィリ。全身を擦り付ければ、ニチ、ぐち、と清い筈の泡が淫靡に鳴く。
「あわひめ! ととの、どう?」
「泡姫とは言い得て妙な……だが成程、中々……」
ぬるぬると滑る身体に、時折股で扱かれる感触。俺の先走りとも、フィリの蜜とも違う、より粘質な滑(ぬめ)りに背筋を痺れが駆け抜ける。
「でそうに……んっ。なったら、おゆかけてね……」
「このままでも……かなりキクのだが……っ?」
フィリは柔らかいアレもコレもを押し付け扱きながら、亀頭の泡にグチュリ、と頬擦りした。
「んっ、ンッ! いまでも きもちいいのに、おくちに あふれるぐらい……ァン……こだねを むりやりフィリに のますの……よくない?」
想像しただけで、竿が激しく反応する。
無理矢理、というのに少し忌避感を覚えるが、それすら彼女自身が良しとしている事も背徳的で、甘美な誘惑だ。
フィリもそれを快感として期待しているのだろうか。先程から竿を扱くのを自重に任せ、両手は自分の股の奥深くに伸びていた。
「はきそうに なったら……て、たたくから……フィリのあたまつかんで すきなだけ……ね?」
言われた直後に、竿に湯を掛けた。
そんな表情をされては、堪えられる筈が無いではないか。
「あむ……もっ……」
すぐに竿の先を咥え込むフィリ。
その頭を動かないように強く押さえ付け、
殆ど隙間の無い口内でも尚、フィリは亀頭を舐め回した。
勢いよく、噴出。
「ぅぶっ!! んっ! グッ……モゴッ!!」
苦しそうにフィリは頭を揺らすが、逃がすまいと無理矢理押さえ付ける。
ごきゅり、ゴクン、と喉を鳴らし、子種を飲み搾るフィリは……まだ、手を叩いて来ない。
びゅぐり、ビュルッ、ごぼっ
「ンッ! んぶっ! もっ、ングゥ!」
射精の激しい部分が、あと少しで終わる。
ベチベチとフィリの手が俺を叩いた、が。
もう一度、もう一瞬だけ。
ビュグル!!
「ゴッ!?」
ようやく手を離し、フィリが慌てて口から竿を引き抜く。
まだ射精は続き、彼女の可愛らしい胸の蕾に飛び散った。
「けほっ! けほっ!……ホントに はくかとおもった」
「すまん……どうしても出したかった」
「ううん、はくときもちわるくなるし、おいしいごはんも もったいないけど、ぜんぶむりやり だしちゃってもよかったんだよ」
フィリはまるで、自分の胸の高鳴りを聞かせるように俺の頭を抱き締め。
「ととのに……めちゃくちゃにされたいから」
射精後の脱力を始めていた男根が、また天を仰いだ。
「ふふっ、げんきだね」
「フィリが、えっちな事を言うからだ」
「うん……フィリね、すごくえっちなんだよ」
そのままフィリが竿を撫で育てる内に、俺は二人の残った泡を流しておく。
正直、今のは強烈だった。この一発だけで、滾りを気にせず安眠出来るぐらいだ。
それでもフィリは竿を撫で、固く固く起立させると、両手をぺちりと合わせた。
「よし、“ぜんぎ”おわり! ととの、ゆかに ねころがって!」
「なに……?」
フィリがよく分からん事を言ったが、とりあえず指示に従って床へ。
「よっ、とと。んしょ。じゃあ…………ほんばん、いくね」
そう言うとフィリは腰の上に登り、立ったまま竿に跨がった。
「待て待てフィリ何をする気だ!? 入る訳が無いだろう!」
「も~、それぐらいわかってるよ。ととの、ひざ たてて。こけそう」
互いの秘部を密着させる状態に、少しハラハラしながら膝を立てる。
俺の脚を支柱代わりに直立し、自分の股ぐらを串刺しにされかねないこの状況に、フィリもまた少々怯えているように見えた。
「こんどは すぐに こだねださせたげる。でもね、コレけっこう ゆうきがいるんだよ」
当たり前だ。重心を崩せば医療院沙汰になりかねん。
フィリの献身はいじらしく、愛情としても性欲としても抱きしめたい思いでいっぱいだが、これは腹の底が冷えるばかりだ。
このまま前後に動くつもりなのだろうが、それなら他にも方法があるだろう……
思った通り、フィリは蜜に濡れた股で竿の先をヌルリと撫でると、一言。
「わざとだから」
つぷり、と亀頭の先がフィリに浸入した。
「フィリッ??!!」
「だい……じょぶ……」
慌てて動くとフィリがバランスを崩し、内臓を貫きそうで身動きが取れない。
だがフィリはというと、更に自重を預け、ぬぷり、と完全に亀頭を呑み込んだ。
「あんし……ん、して。おしりの ほう……だから」
「尻だとしても太すぎるだろう!?」
言う間にも穴は少しずつ竿を迎え入れ、気付くとフィリは俺の腰では無く、床に立っていた。
「ここまでは、ね。とっくんしてたんだけど……ととのの、ほうが、ふといし……ここからさきは、はじめて……お、おオっ??」
特訓……特訓っ。あの棍棒、そういう事か。
帰ってきたら成果を見せると言っていたが、これの事かっ。
馬鹿げた事をと叱り飛ばしてやりたいが、ミチミチと食い込んでいく肉棒が、特訓でも未体験らしい奥底まで誘われる。
痺れなどという生温いものではない。
神経を焼き切りそうな快感が、背筋を登る。
フィリが微かに腰を下げる度『出す』のではなく『入れる』違和感に脳が混乱するのだろう。その口からは可愛さの欠片もない声が洩れ出していた。
「ぉ……ぅ……オ……」
そして進む度、フィリの腸内が激しく締まる。
異物を押し出そうと、うねる。
ゆっくり、ヌル、ヌルと肉棒が進んで行き、
「カハッ……!」
腸内の肉が開かない所まで、俺は到達していた。
ひくひくと締まる穴の入り口。肉棒をひり出そうとうねり狂う腸内。
「ア゛……ォ……ごめ、うごげな……い」
発声による振動が、それらの締まりを強くして、
最初の熱い塊がひとつ、フィリの腸内に植え付けられた。
ゴボッッッ!
「オ゛……?」
二つ目の塊が、俺の尿道を広げんばかりに、
ごびゅるっ!!
「カハッ!? ア゛ッ!!」
そして、塞き止めていた塊が失われた事で、粘る濁流が、
ブビュルル……ごぷっ!ビュクッ!
「ーーーッ! か……っ! ア゛ッ! オ゛ァッ……ーーーっ!」
子種を存分に流し込み、満足そうに竿から力が抜けて行く。
かひゅっ、と呼吸する事を思い出したフィリが酸素を取り込んだ瞬間、尻穴がすぼんだ。
俺にも、フィリにも、不意打ちだ。
びゅるっ……
「ぁひっ!? あ…………ああぁああぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」
尿道にしつこく残っていた子種を吐き出させ、同時にフィリが恥丘から潮を撒き散らし、果てた。
どれだけ経っただろう。
仰向けに横たわる俺の上で、フィリもまたうつ伏せに倒れ込んでいた。
俺の上から、フィリが寝そべったまま下りると、ひとつに結合していた部分がチュポ、と音を鳴らして抜ける。
四つん這いで数歩動いて、フィリも仰向けに倒れ込む。腹が少し膨らんでいる気がした。
「はひ……ととにょで……おにゃかタプタプいってゅ」
呂律の回らない様子で腹を摩り、フィリが続けた。
「かゎや、いったけろ……うんひ、でたりゃごめんにぇ……」
途端、フィリの可愛い尻穴が出しているとは思えない音を立て、ぶちゅるるるる、と子種が噴水のように噴き出した。
「がんばっひゃかい、あるけりょ……だしひゅぎ」
出来るだけ出し切ったようだが、幸い白色以外が飛び出す事は無かった。
厠に行っていたのも、泡姫の時に股を……いや、尻を入念に洗っていたのも、全部計画通りという訳か。
「ア~……ことば なおっひぇきたかな……ととの~、うごけない~。ふいて ねどこつれてって~ 」
やれやれ、と姫を抱くようにして持ち上げる。
そのまま拭く事もせずに寝床へ直行すると、フィリを優しく降ろした。
うつ伏せに、尻を上げた姿勢で。
「え~っと……ととの?」
「危ない事をした罰に、今日はフィリの特訓にととのも付き合う事にした」
えへへ、と気まずそうにフィリは笑うと、まだ力が入らず震える手で、自らの尻を広げた。
「ぐちゃぐちゃに……して?」
腸内に残っていた子種が一筋伝い、スジの溝を撫で、期待にひくつく膣穴に呑み込まれたがーー
ーー今夜は、前の穴が可愛がられる事は無かった。
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