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王都エルメニスト編
第50話 再決戦プラッセvsフィッシュ-1-
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癒素は人間の骨の骨髄によって生成され、身体の表面または内臓にできた傷を自然に癒す能力のある成分である。
その生産速度などは人それぞれで、魔素と違って経験によってそれを速めたりすることはできないとされている。通常の人間の癒素は血液の1%未満とされているがクリストファー=プラッセは例外で血液の15%程の癒素を持っている。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
フィッシュは朝からプラッセとの戦いをイメージしてずっと魔法を試し撃ちしていた。
フィッシュの家は豪邸の多い王都エルメニストの中でも王宮の次ぐらいに目立つ立派な邸宅で、ある程度の魔法を使っても壊れないようになっている壁に囲われた部屋があり、そこで朝から練習していたのだ。
フィッシュも昨日、トルクのティエンポで増強された滝昇叩によって痣だらけになったがプラッセほどではないものの人より多くの癒素を持っていたうえ高級な薬も使って治ってしまっていた。
「どうすりゃ魔素切れに対応できるんだ。」
フィッシュは昨日からそればかり考えていた。
そしてプラッセ対フィッシュの再戦の時がやってきた。
引き分けとして終わったプラッセの入学当初の喧嘩にどちらも因縁と感じていたためこの決勝のことばかりを意識して2人とも約1年半の特訓をしてきた。
今までの特訓を回想していた彼らはゴングの音で我に返る。
しらばく二人は睨み合って先に動いたのはプラッセだった。
大きく跳躍したプラッセは
フィッシュの頭上まで飛んだ。
そしてかかとでフィッシュの後頭部を蹴ろうとすると
フィッシュは超硬化を張ってダメージを抑える。
しかしプラッセの蹴りの威力の方が強く、
フィッシュは前方に飛ばされてよろける。
それを見たプラッセは追い討ちをかけるようにフィッシュの方に飛んで行って頭に“振手”をしようとしたが
フィッシュは足で炎烈を飛ばす。
プラッセはとっさにしゃがんで避けようとするが
なんとフィッシュの炎烈も急降下してプラッセに命中した。
プラッセは地面に叩きつけられた。焼かれた肩からは煙がたつ。
「どうだ。炎烈を曲げれるようになった。」
「まじかよ。」
フィッシュはまた炎烈を放つ。
プラッセは避けても追ってくることを学んだので肘で受けてダメージを減らす。
「炎天!」
決闘場一帯が炎に包まれる。
だがプラッセが右足で思いっきり地面を踏みつけるとプラッセの周りの炎が消えた。
「な、なんだそれは。」
「すごいだろ。これも怪手の一つ、“開手”を足に応用したものだ。手は一定範囲の空気を開くのには便利だが足で同じことをすれば体の周りの空気すべてを開くことができる。」
そう言い終わった頃にはプラッセはフィッシュの目の前にいて
フィッシュの足を払っていた。
フィッシュは足を払われて尻餅をつく。
「しまった!」
プラッセは構わずフィッシュの顔面に“振拳”(ウェルス命名)を飛ばした。
その生産速度などは人それぞれで、魔素と違って経験によってそれを速めたりすることはできないとされている。通常の人間の癒素は血液の1%未満とされているがクリストファー=プラッセは例外で血液の15%程の癒素を持っている。
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フィッシュは朝からプラッセとの戦いをイメージしてずっと魔法を試し撃ちしていた。
フィッシュの家は豪邸の多い王都エルメニストの中でも王宮の次ぐらいに目立つ立派な邸宅で、ある程度の魔法を使っても壊れないようになっている壁に囲われた部屋があり、そこで朝から練習していたのだ。
フィッシュも昨日、トルクのティエンポで増強された滝昇叩によって痣だらけになったがプラッセほどではないものの人より多くの癒素を持っていたうえ高級な薬も使って治ってしまっていた。
「どうすりゃ魔素切れに対応できるんだ。」
フィッシュは昨日からそればかり考えていた。
そしてプラッセ対フィッシュの再戦の時がやってきた。
引き分けとして終わったプラッセの入学当初の喧嘩にどちらも因縁と感じていたためこの決勝のことばかりを意識して2人とも約1年半の特訓をしてきた。
今までの特訓を回想していた彼らはゴングの音で我に返る。
しらばく二人は睨み合って先に動いたのはプラッセだった。
大きく跳躍したプラッセは
フィッシュの頭上まで飛んだ。
そしてかかとでフィッシュの後頭部を蹴ろうとすると
フィッシュは超硬化を張ってダメージを抑える。
しかしプラッセの蹴りの威力の方が強く、
フィッシュは前方に飛ばされてよろける。
それを見たプラッセは追い討ちをかけるようにフィッシュの方に飛んで行って頭に“振手”をしようとしたが
フィッシュは足で炎烈を飛ばす。
プラッセはとっさにしゃがんで避けようとするが
なんとフィッシュの炎烈も急降下してプラッセに命中した。
プラッセは地面に叩きつけられた。焼かれた肩からは煙がたつ。
「どうだ。炎烈を曲げれるようになった。」
「まじかよ。」
フィッシュはまた炎烈を放つ。
プラッセは避けても追ってくることを学んだので肘で受けてダメージを減らす。
「炎天!」
決闘場一帯が炎に包まれる。
だがプラッセが右足で思いっきり地面を踏みつけるとプラッセの周りの炎が消えた。
「な、なんだそれは。」
「すごいだろ。これも怪手の一つ、“開手”を足に応用したものだ。手は一定範囲の空気を開くのには便利だが足で同じことをすれば体の周りの空気すべてを開くことができる。」
そう言い終わった頃にはプラッセはフィッシュの目の前にいて
フィッシュの足を払っていた。
フィッシュは足を払われて尻餅をつく。
「しまった!」
プラッセは構わずフィッシュの顔面に“振拳”(ウェルス命名)を飛ばした。
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