30 / 79
王都エルメニスト編
第26話 十戒の裏切り者!?
しおりを挟む
「クリストファー=グランツェ、逃げやがった。何だったの?あの魔法は。」
デネヒーが嘆くとゼネセストが答える。
「あの魔法はおそらく違法魔法とされている闇道だ。あらかじめ設定していた地点に一瞬で戻ることができるっていう魔法。」
プラッセが十戒のみんなを見渡して言う。
「デネヒー、この人達が十戒なのか?」
「そうよ。彼はあなたも知ってると思うけど木属性と土属性ハルビィン・オリバー。あなたを治療したのが水属性ウェルフ・ウェルム。そしてその兄の雷属性ウェルフ・ウェルス。そしてここの学校長の光属性アーム・ゼネセスト。そして風属性ルム・メーノス、炎属性トロモス・ルーク、毒属性ドーガス・ジェノン、時属性エスノ・トープス。あれっ、レーボルト・ギムは?」
確かにそこには9人しか居なかった。
「デネヒー、通信魔法いる?」
「任せたよ。」
ウェルムは両手で水の塊を作って呪文を唱える。
「呪通信レーボルト・ギム。」
するとその水の塊に人の顔が浮かび上がった。
「ギム、呼ばれたでしょ。なんで来ないの?」
「ああ。それなんだけどな、俺が今どこにいるか分かるか?」
「えっ、」
ギムの後ろにはさっきまでゼネセストに突き刺さっていた紫の水晶がたくさんあり、入り組んでいるような場所であった。
「ここはな、死の精霊ハーデスが造ったクリストファー=グランツェのアジトみたいなもんだ。見てみろよ魔素が溢れている。」
ルークが焦りぎみに言う。
「アジトを突き止めたってことだよな?どこか教えてくれ。今すぐ向かう。」
「分かっているだろ。俺はグランツェさんについていく。お前は炎属性だから俺の火属性をよく笑ってたよな。俺だって知ってるよ。火属性が炎属性に勝つにはものすごい努力が必要だって。でも今は違う。俺はグランツェさんとハーデスのおかげで火属性も闇属性も持ってる。」
そう言ったギムの手から闇属性の魔素でできた黒い液体のようなものが出てきた。
「これでもうお前に馬鹿にされない。」
「ギム、考え直せよ。10年前にはお前だって奴に殺されかけただろ?」
「でも今は救ってくれたんだ。彼は俺の英雄なんだよ。」
ギムは呪通信をぶつりと切った。
「帰る気はないそうですね。デネヒーさん。」
「グランツェは十戒の一人を仲間にした。どう考えてもこれはでかいぞ。」
「とりあえず国王陛下に報告するか?」
「じゃあ報告はウェルス兄さんとメーノスさんとルークさんとジェノンさんで。それ以外はこのエルメニスト学園を建て直さない?」
みんなは頷く。四人はどこかへ飛んでいき、五人は残った。
「じゃあトープスさんが時魔法で破壊される前の様子を確認。それを基にオリバーさんが土魔法で型どり、私とデネヒーが固める。ゼネセストさんはそのあと違和感がないかの確認ね。」
デネヒーが嘆くとゼネセストが答える。
「あの魔法はおそらく違法魔法とされている闇道だ。あらかじめ設定していた地点に一瞬で戻ることができるっていう魔法。」
プラッセが十戒のみんなを見渡して言う。
「デネヒー、この人達が十戒なのか?」
「そうよ。彼はあなたも知ってると思うけど木属性と土属性ハルビィン・オリバー。あなたを治療したのが水属性ウェルフ・ウェルム。そしてその兄の雷属性ウェルフ・ウェルス。そしてここの学校長の光属性アーム・ゼネセスト。そして風属性ルム・メーノス、炎属性トロモス・ルーク、毒属性ドーガス・ジェノン、時属性エスノ・トープス。あれっ、レーボルト・ギムは?」
確かにそこには9人しか居なかった。
「デネヒー、通信魔法いる?」
「任せたよ。」
ウェルムは両手で水の塊を作って呪文を唱える。
「呪通信レーボルト・ギム。」
するとその水の塊に人の顔が浮かび上がった。
「ギム、呼ばれたでしょ。なんで来ないの?」
「ああ。それなんだけどな、俺が今どこにいるか分かるか?」
「えっ、」
ギムの後ろにはさっきまでゼネセストに突き刺さっていた紫の水晶がたくさんあり、入り組んでいるような場所であった。
「ここはな、死の精霊ハーデスが造ったクリストファー=グランツェのアジトみたいなもんだ。見てみろよ魔素が溢れている。」
ルークが焦りぎみに言う。
「アジトを突き止めたってことだよな?どこか教えてくれ。今すぐ向かう。」
「分かっているだろ。俺はグランツェさんについていく。お前は炎属性だから俺の火属性をよく笑ってたよな。俺だって知ってるよ。火属性が炎属性に勝つにはものすごい努力が必要だって。でも今は違う。俺はグランツェさんとハーデスのおかげで火属性も闇属性も持ってる。」
そう言ったギムの手から闇属性の魔素でできた黒い液体のようなものが出てきた。
「これでもうお前に馬鹿にされない。」
「ギム、考え直せよ。10年前にはお前だって奴に殺されかけただろ?」
「でも今は救ってくれたんだ。彼は俺の英雄なんだよ。」
ギムは呪通信をぶつりと切った。
「帰る気はないそうですね。デネヒーさん。」
「グランツェは十戒の一人を仲間にした。どう考えてもこれはでかいぞ。」
「とりあえず国王陛下に報告するか?」
「じゃあ報告はウェルス兄さんとメーノスさんとルークさんとジェノンさんで。それ以外はこのエルメニスト学園を建て直さない?」
みんなは頷く。四人はどこかへ飛んでいき、五人は残った。
「じゃあトープスさんが時魔法で破壊される前の様子を確認。それを基にオリバーさんが土魔法で型どり、私とデネヒーが固める。ゼネセストさんはそのあと違和感がないかの確認ね。」
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
ふたりの愛は「真実」らしいので、心の声が聞こえる魔道具をプレゼントしました
もるだ
恋愛
伯爵夫人になるために魔術の道を諦め厳しい教育を受けていたエリーゼに告げられたのは婚約破棄でした。「アシュリーと僕は真実の愛で結ばれてるんだ」というので、元婚約者たちには、心の声が聞こえる魔道具をプレゼントしてあげます。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる