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第3章 神への研究と代償
42 「勝手に殺すなよ?」
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その少女は突如として動き、その大蛇に岩を突き刺して、
「天命・雷縛厳」そこから一筋の雷がその主に向かい、手に巻き付いた。
「消えろ」一瞬、力を込めたように見えた瞬間、その岩が膨張し、破裂した。
「独能力、侵入」
ふと、その姿が消え、その大蛇の反撃を回避する。姿は消しているが、その少女のどこかつかみ所のないその気配は微かながら動き続けている。そして、
「子守、任せて」その3人の子供が浮き上がり、雷球に包まれる。
「怪我させるなよ」俺は立ち上がり、
「戻ってろ。カスミ」その黄色とオレンジの目をした少女を見つめながらそう伝え、
「あとは、任せろ」腕に能力を纏わせ、カスミに背を向ける。だが、
「やめて!」後ろからカスミに叫ばれた。
「何でだよ。死なねぇから安心しろ」
「三郎。体力。限界」
「心配してくれるのはありがたいが、生憎もう回復した。お前の方が、疲れてるだろ?それに、この子達も得体の知れねえ俺より安心するはずだ」そして、俺は
「分かったなら戻れ」そして、
「死なないで」
「ああ。もちろんだ」立ち去る気配を感じたあと、俺は再び変化の始まったソイツを見た。茶色の光を放ちつつも脚が生え、羽がつき、頭頂部が肥大化し、出来たのは巨大な雄鶏。
「なるほど、吸い込んだエネルギーで変異するのか」しかし、生憎、俺は神話上で雄鶏殺しの剣と称されている能力を持っている。
「獄滅焰剣・真戒」黒と赤の能力を混ぜたその剣。
「悪いが、時間はかけれないんだ」俺はそう言い、羽を大きく打ち振るったその雄鶏に向かって跳躍した。
「核の位置は分からないからと言って、反撃出来るわけじゃねぇぞ」一太刀で仕留める技量は俺にはない。その巨大な深層生物に対して俺は正確な一撃を叩き込むことは出来ない。だからこそ広範囲に広がる攻撃を入れる。
雄鶏の口から黒い光が漏れる。そして、口を大きく開き、奇声と共に光球が飛んでくる。
「食らうと思うな」剣を振って破壊する。
「死ねよ」大上段に振りかぶって、トサカの部分から切り裂く。まだ、決定打にはならない。核の位置はまだ分からない。しかし、俺は黒の能力を発動しているから、コイツがどれだけ再生しようとしても不可能だ。
「さて、決めるか」床を大きく蹴り、ソイツに当たった瞬間に能力の出力を上げる。
「刻禊一閃」バリバリと何かを引き裂くような音がして、力を込めるとその能力の塊が爆発して核が砕けた。
「うるさ!」甲高い絶叫を上げながらソイツは倒れ、霧散した。
突如響く爆発音。
「もう、時間が無さそうだな」俺は能力を発動して移動する。
彼は、無事なのだろうか。建物の全体が既に火に包まれ、中に潜んでいた深層生物を私は倒しながら彼の安否を気にしていた。
あの時、彼に任せていなければ、私はどうなっていたのだろう。あの時、今までよりも強い力が出せた。
「ぐっ!」一際大きな爆音。もうダメだ。建物が崩れてきている。私は何故か悲しくて、悲しくて。気づけば涙が零れていて。
「三郎。何でよ」そして、その時、頭に温かい手が触れて、
「勝手に人を殺すな」顔を上げるとそこには私を救ってくれた黒眼の男がいて、私は何か内から出てくる大きな何かに突き動かされるように彼に抱きつくのだった。
「天命・雷縛厳」そこから一筋の雷がその主に向かい、手に巻き付いた。
「消えろ」一瞬、力を込めたように見えた瞬間、その岩が膨張し、破裂した。
「独能力、侵入」
ふと、その姿が消え、その大蛇の反撃を回避する。姿は消しているが、その少女のどこかつかみ所のないその気配は微かながら動き続けている。そして、
「子守、任せて」その3人の子供が浮き上がり、雷球に包まれる。
「怪我させるなよ」俺は立ち上がり、
「戻ってろ。カスミ」その黄色とオレンジの目をした少女を見つめながらそう伝え、
「あとは、任せろ」腕に能力を纏わせ、カスミに背を向ける。だが、
「やめて!」後ろからカスミに叫ばれた。
「何でだよ。死なねぇから安心しろ」
「三郎。体力。限界」
「心配してくれるのはありがたいが、生憎もう回復した。お前の方が、疲れてるだろ?それに、この子達も得体の知れねえ俺より安心するはずだ」そして、俺は
「分かったなら戻れ」そして、
「死なないで」
「ああ。もちろんだ」立ち去る気配を感じたあと、俺は再び変化の始まったソイツを見た。茶色の光を放ちつつも脚が生え、羽がつき、頭頂部が肥大化し、出来たのは巨大な雄鶏。
「なるほど、吸い込んだエネルギーで変異するのか」しかし、生憎、俺は神話上で雄鶏殺しの剣と称されている能力を持っている。
「獄滅焰剣・真戒」黒と赤の能力を混ぜたその剣。
「悪いが、時間はかけれないんだ」俺はそう言い、羽を大きく打ち振るったその雄鶏に向かって跳躍した。
「核の位置は分からないからと言って、反撃出来るわけじゃねぇぞ」一太刀で仕留める技量は俺にはない。その巨大な深層生物に対して俺は正確な一撃を叩き込むことは出来ない。だからこそ広範囲に広がる攻撃を入れる。
雄鶏の口から黒い光が漏れる。そして、口を大きく開き、奇声と共に光球が飛んでくる。
「食らうと思うな」剣を振って破壊する。
「死ねよ」大上段に振りかぶって、トサカの部分から切り裂く。まだ、決定打にはならない。核の位置はまだ分からない。しかし、俺は黒の能力を発動しているから、コイツがどれだけ再生しようとしても不可能だ。
「さて、決めるか」床を大きく蹴り、ソイツに当たった瞬間に能力の出力を上げる。
「刻禊一閃」バリバリと何かを引き裂くような音がして、力を込めるとその能力の塊が爆発して核が砕けた。
「うるさ!」甲高い絶叫を上げながらソイツは倒れ、霧散した。
突如響く爆発音。
「もう、時間が無さそうだな」俺は能力を発動して移動する。
彼は、無事なのだろうか。建物の全体が既に火に包まれ、中に潜んでいた深層生物を私は倒しながら彼の安否を気にしていた。
あの時、彼に任せていなければ、私はどうなっていたのだろう。あの時、今までよりも強い力が出せた。
「ぐっ!」一際大きな爆音。もうダメだ。建物が崩れてきている。私は何故か悲しくて、悲しくて。気づけば涙が零れていて。
「三郎。何でよ」そして、その時、頭に温かい手が触れて、
「勝手に人を殺すな」顔を上げるとそこには私を救ってくれた黒眼の男がいて、私は何か内から出てくる大きな何かに突き動かされるように彼に抱きつくのだった。
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