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第3章 神への研究と代償
30 最初の仕事
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「この5人が桜の魔王に対抗すべく結成されたクラスXだ」とそんな簡単な紹介をされた後、俺達は校長に連れられて校長室に来ていた。終業式は新校長が引き継いだらしい。
「それでだが、お前達には休暇中に何度か集まって貰って仕事ををしてもらう」と唐突に校長はそんなことを言い出した。
「仕事?」澄玲がもっともな質問をする。だって他のクラスでそんなのが行われたという話は聞いていないから。すると、そんなことは分かっていただろう風に
「個々の実力を高めるためにはこの学園内での授業の他にも社会に出るのが大事だと思うのだが、どうだ?僕としてはかなり良い案だと思うが。」澄玲はそれを聞いて少し納得したらしく、楽しげな表情になっていた。周りを見渡しても皆同じ感じだ。ただ俺は嫌な予感がしていた。
誰も何も言わない。そこで校長は話を続ける。
「あと、1つ、このクラスでのリーダーは澄玲だ。澄玲には与えられた仕事の内1番重要なものを行ってもらう」そこで抗議の声を上げたのは意外なことに澄玲だった。
「私がリーダーである理由が分かりません!彼は私に打ち勝ちました」最初こそ威勢良かったものの校長に睨まれ段々と声が小さくなっていった。
「じゃあ一つ聞こう。お前は何をされて負けたんだ?」その言葉に澄玲は答えなかった。
「まあ、僕は心を読むことも出来るから隠し事は通じないけど。流石に予想は着くよ。確かに三郎は相当の実力と能力はある。しかし、澄玲に勝ったのは所謂、偶然ってやつだろう」そこでもう誰も反応しなくなった。
確かに俺が彼女と戦って勝利したのは偶然のことだ。そこには否定しない。ただ、校長の 独能力には気をつけなければならない。往生際が悪いが、俺は出来る限り目立ちたくないのだ。そのためには誰であってもこの目的を教えてはならない。
2日後、結局この島で休暇を過ごすことにした俺達は校長室に呼び出されていた。この島で休暇を過ごしているのは俺とカスミだけだ。よりにもよって最もコミュニケーションの取りにくい相手だ。本当に、カスミだけは掴めない。
外は暑いが、この部屋は校長のお陰で常に冷気が漂っていて心地良い。
「ところで、早速だが、お前達には本島、の方に向かってほしい」といきなりそんなことを切り出された。
「校長。理由」カスミの言葉に校長は苦笑しつつも、真剣な眼差しで言葉を発した。
「最近原因不明の行方不明事件が本島であってな、あっちの方でも対策班は組まれたらしいが悉く成果は無い。というか寧ろ魂のない廃人のような有り様で救出されたということだ」救出、という事は自力で戻ってくることができなかったわけか。
「無論、本島の奴らもバカじゃないからランクS相当の能力者達で向かった結果だ。他の奴らもまた別の仕事をしてもらっている」知らない間にそんなことがあったのか。
「お前たち2人に任せても良いか?場所までは政府の奴が送ると言っている。宿もあっちで取ってもらえるそうだ」断る理由はない。それに、久しく本島にも行ってないからホームシック気味なのも事実だ。
「私。了承。佐藤三郎、行く?」
「ああ、もちろん」と、俺は力強く言い放つのだった。
「それでだが、お前達には休暇中に何度か集まって貰って仕事ををしてもらう」と唐突に校長はそんなことを言い出した。
「仕事?」澄玲がもっともな質問をする。だって他のクラスでそんなのが行われたという話は聞いていないから。すると、そんなことは分かっていただろう風に
「個々の実力を高めるためにはこの学園内での授業の他にも社会に出るのが大事だと思うのだが、どうだ?僕としてはかなり良い案だと思うが。」澄玲はそれを聞いて少し納得したらしく、楽しげな表情になっていた。周りを見渡しても皆同じ感じだ。ただ俺は嫌な予感がしていた。
誰も何も言わない。そこで校長は話を続ける。
「あと、1つ、このクラスでのリーダーは澄玲だ。澄玲には与えられた仕事の内1番重要なものを行ってもらう」そこで抗議の声を上げたのは意外なことに澄玲だった。
「私がリーダーである理由が分かりません!彼は私に打ち勝ちました」最初こそ威勢良かったものの校長に睨まれ段々と声が小さくなっていった。
「じゃあ一つ聞こう。お前は何をされて負けたんだ?」その言葉に澄玲は答えなかった。
「まあ、僕は心を読むことも出来るから隠し事は通じないけど。流石に予想は着くよ。確かに三郎は相当の実力と能力はある。しかし、澄玲に勝ったのは所謂、偶然ってやつだろう」そこでもう誰も反応しなくなった。
確かに俺が彼女と戦って勝利したのは偶然のことだ。そこには否定しない。ただ、校長の 独能力には気をつけなければならない。往生際が悪いが、俺は出来る限り目立ちたくないのだ。そのためには誰であってもこの目的を教えてはならない。
2日後、結局この島で休暇を過ごすことにした俺達は校長室に呼び出されていた。この島で休暇を過ごしているのは俺とカスミだけだ。よりにもよって最もコミュニケーションの取りにくい相手だ。本当に、カスミだけは掴めない。
外は暑いが、この部屋は校長のお陰で常に冷気が漂っていて心地良い。
「ところで、早速だが、お前達には本島、の方に向かってほしい」といきなりそんなことを切り出された。
「校長。理由」カスミの言葉に校長は苦笑しつつも、真剣な眼差しで言葉を発した。
「最近原因不明の行方不明事件が本島であってな、あっちの方でも対策班は組まれたらしいが悉く成果は無い。というか寧ろ魂のない廃人のような有り様で救出されたということだ」救出、という事は自力で戻ってくることができなかったわけか。
「無論、本島の奴らもバカじゃないからランクS相当の能力者達で向かった結果だ。他の奴らもまた別の仕事をしてもらっている」知らない間にそんなことがあったのか。
「お前たち2人に任せても良いか?場所までは政府の奴が送ると言っている。宿もあっちで取ってもらえるそうだ」断る理由はない。それに、久しく本島にも行ってないからホームシック気味なのも事実だ。
「私。了承。佐藤三郎、行く?」
「ああ、もちろん」と、俺は力強く言い放つのだった。
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