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プロローグ

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 「いい加減にしてよ‼︎」
 バシッ
 頬を叩かれ、痛みがはしる。

 「汚いつら私に見せないでっ!そうやってあなたも私を捨てるんでしょう⁉︎」
 彼女の手は止まらず、何度も頭や顔などを強く打たれる。

 『母さん痛いよ。それに俺が母さんを捨てるわけないじゃない、きっと疲れてるんだ。もう寝よう。』

 「うるさいっ‼︎‼︎‼︎あんたに何がわかるのよ!そのお前の父さんそくっりの顔で私のこと見ないでよ‼︎‼︎」
 
 あーまた始まった。ここ2日ぐらい癇癪起こしてないから油断していた。母さんの爪はネイルをしていて、長く尖っている。そんな凶器がついた手で叩かれたらひとたまりもない、ましてや何度も。爪があちこちに刺さって血が垂れてくる、何度も叩かれたせいだろう。この前蹴られた時にできた顔のあざがやっと薄まってきていたところだったのに、こんなんじゃ元も子もないじゃないか。

 「聞いてるの⁉︎そんなんだから友達の一人もできないのよ?きっとあんたになんて一生できないわ!」

 友達ができないのは母さんが殴った傷のせいで誰も近寄ってこないからだよ。

 「そうやってまた面倒くさいとか思ってるんでしょう⁉︎ごめんなさいねぇ‼︎うるさい母親で‼︎‼︎」

 『そんなこと思ってないよ。それに母さん痛いよ。』

 「はっ!ふざけたこといって、それにあんたが気にしてんのは大事な自分の顔に傷がつくことが嫌なんでしょ、ガキのくせに一丁前に気にして、うざいのよ‼︎」

 『‥‥‥。』

 「お得意のダンマリかしら?そうゆうところもあの人に似てるのね。どうせ私のことなんでどうでもいいんでしょう⁉︎」

 『そんなことないよ。母さんの事俺は大好きだよ。』

 「あんたに好かれたって嬉しくないのよ‼︎‼︎」

 『‥ごめん。』

 「謝ればいいと思ってるわけ⁉︎そうゆうと」プルルルル電話が鳴った。

 「もう誰よ、こんなときに。」

 助かった。誰か知らないけど母さんに電話かけてくれてありがとう、頭が痛くてそれどころじゃなかったからまじで助かった、

 「~~えっ、今からですか‼︎もちろん行かせててください‼︎」

 まじで今日はついてるかもしれない。今から母さんが出かけるらしい。ドタドタ狭いアパートの中を駆け回りながらぎらついた服をかき集めている。露出がやけに多い服を選んで着替えるとキツイ香水を振りまいて出ていった。
 
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