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第二章
122「カルロス具志堅(ちょっちゅね具志堅)登場!(1)」
しおりを挟む目の前の、俺の『異世界産スキル:自動翻訳』を発動させたソレは、身長がかなり高く190センチくらいはありそう⋯⋯。そんな長身だけでもかなり目立つのだが、それ以上に目を引くのが『色黒』で『筋肉だるま』で『アフロヘアー』、さらには『ちょびひげ』とかなりの『クセつよキャラ』である。
「いや、いろいろ盛りすぎぃぃぃっ!!!!」などと考えていると⋯⋯チョンチョン、
「ん?」
(ちょ、ちょっと⋯⋯オメガさん!)
「亜由美⋯⋯さん?」
亜由美さんが俺の横っ腹をツンツンと突っつきながら小声で声をかけてきた。
(ま、まさか⋯⋯この方を知らないんですかっ?!)
「え? 誰?」
(ちょっ! オメガさん、声が大き⋯⋯)
「あい、もしかしてオメガは私のこと知らないか~」
「す、すみません、すみません! オメガさんはまだ探索者になったばかりで、その⋯⋯カルロスさんだけでなく、他の有名探索者さんも知らないみたいで⋯⋯。あ、あの、悪気はないんです!」
そう言って、亜由美さんが全力で平謝りして説明をしてくれた。
ん? カルロス⋯⋯具志堅?
「あれ? ひょっとしてあんた⋯⋯」
たしか、配信のときにちょくちょく名前が出る人だったよな。たしか『あだ名』が⋯⋯、
「えーと⋯⋯『ちょっちゅね具志堅』!」
「「「「ちょっ! ちょぉぉぉおおぉおぉぉおおおっ!!!!!」」」」
「え?」
俺がその『あだ名』を口に出した瞬間、悲鳴をあげる『戦乙女』たち。⋯⋯なんだ?
「⋯⋯今ワンのこと『ちょっちゅね具志堅』てあびたや~?(⋯⋯今俺のこと『ちょっちゅね具志堅』て言ったな~?)」
その瞬間——さっきまで陽気な感じだった『ちょっちゅね具志堅』さんの雰囲気が何やらひんやりしたものに変わった。
「お、落ち着いてください、カルロスさん! 彼に悪気はないんですっ!!」
「そ、そうです! オメガ君はたまたま配信のコメントで観たあだ名を口にしただけで⋯⋯!」
「ご、誤解です! オメガ様はそういうつもりで言ったわけでは⋯⋯!」
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい⋯⋯!」
そのリアクションを見るや否や、『戦乙女』がちょっちゅね具志堅さんに全力で謝り始めた。しかし、
「でぃーよ! あの『憧れのオメガ』にワンのあだ名を覚えられているとはビックリさー!(なんてね! あの『憧れのオメガ』にワンのあだ名を覚えられているとはビックリさー!)」
「え?」
「「「「ええええっ!?」」」」
てっきり、「あだ名で呼ぶな!」とか「そのあだ名、嫌いなんだよ!」などとキレられるかと思ったが、しかし実際は逆の⋯⋯なんならちょっと好意的な反応を示してくれた。それを見た俺や『戦乙女』は思わずポカーンとなる。
「あ、あれ? カルロスさん⋯⋯あだ名で呼ばれるの、嫌いじゃないんですか?」
ここで、勇気を出して有紀さんが恐る恐るその真意を聞いた。⋯⋯いや、勇者だな、有紀さんっ!?
「人によるやー。ワンが尊敬する人になら呼ばれるのは嫌じゃないさー! むしろ、尊敬する人からこうしてあだ名あびーされたらでーじ光栄どー!(人によるかなー。俺が尊敬する人になら呼ばれるのは嫌じゃないよー! むしろ、尊敬する人からあだ名呼びされるのはとっても光栄だよー!)」
「え? え? な、なんて⋯⋯?」
あ、そっか。『戦乙女』たちは沖縄方言を理解できないんだった。
「え、えーと⋯⋯」
ということで、俺が二人の間に入って通訳する。
「ええっ!? そ、尊敬って⋯⋯! オメガ君は⋯⋯まぁ年齢不詳ですけど⋯⋯少なくともカルロスさんより年下のは間違いないですよ!」
「歳は関係ないさー。大事なのは⋯⋯ワンより強いかどうかってことやんどー!(歳は関係ないよー。大事なのは⋯⋯俺より強いかどうかってことだよー!)」
「「「「え? カルロスさんより⋯⋯強いっ?!」」」」
『戦乙女』のみんなが固まった。
********************
「やんどー。オメガはワンより余裕で強いさー(そうだぞー。オメガは俺より余裕で強いぞー)」
と、『ちょっちゅね具志堅』さんが「俺よりも余裕で強い」とはっきりと口にする。その言葉を聞いて、
「ええっ!? ま、まさか⋯⋯! た、たしかにオメガ君は強いですけど⋯⋯S級のカルロスさんより強いってのはさすがに⋯⋯盛りすぎ⋯⋯」
と有紀さんが思わず、そんな言葉を吐露する。
ていうか⋯⋯えっ?! このクセつよおじさん、S級なのぉ!
「はっはっは、有紀ちゃん。ワンは何も盛っとらんどー(はっはっはっ、有紀ちゃん、俺は何も盛ってないよー)」
そんな、クセつよおじさんことちょっちゅね具志堅さんがすぐに有紀さんの言葉を否定する。すると、
「あ、あの⋯⋯! それって言い方を変えれば⋯⋯オメガ様はS級ランカーに匹敵するほどの強さってことですかっ!! そうですよねっ!!!!」
ここで、4人の中では一番人見知りで大人しい性格の、身長『150センチ台』で中学生か小学生にしか見えない、だが可愛らしいその見た目を否定するかのような主張の強い『90センチ近いたわわな果実(当社比)』を搭載する『ロリ巨乳枠』⋯⋯おっと失言、『ロリ巨乳(言い切り)』の琴乃さんが「フンス! フンス!」と鼻息荒く、ちょっちゅね具志堅さんに迫った。
「え? え? あの、え~と⋯⋯あ、うん」
あ、クセつよおじさん、ちょっと引いてる。
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