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第一章
023「のじゃロリギルマス櫻子ちゃん」
しおりを挟む「お主なかなか良い目をしてるな。のじゃロリ推しだったか」
「み、見抜かれた⋯⋯だと!?」
「はっはっは、造作もないこと。『目は口ほどにのじゃロリを語る』だからな」
「な、なるほど⋯⋯?」
「まーとにかく、君は良いな。気に入った。それでは私の『櫻子ちゃんデータベース』の一端を開示してやろう」
と、なぜかその30代男に気に入られた俺は彼からとっておきの『のじゃロリギルマス櫻子ちゃん』の情報を教えてもらった。
「えっ! あ、あの『のじゃロリギルマス櫻子ちゃん』って、日本最強クラスの探索者なんですか?!」
「そうだ。しかも櫻子ちゃんはダンジョンに対しての知識や実績もかなり豊富らしい。噂では世界一ダンジョンのことを熟知している人物とまで言われている」
ほえ~マジか。日本最強の探索者がまさかの『のじゃロリ』だったとは⋯⋯。それに100歳以上も生きているというのが本当ならそりゃダンジョンについても詳しい⋯⋯ん?
「ちょっと待って。櫻子ちゃんが100歳以上ってそれだと計算合わないんじゃないか? だって、ダンジョンって出現してまだ20年しか経ってないだろ?」
「それな。まーぶっちゃけこの『年齢100歳以上ののじゃロリ説』はそもそも探索者ギルド協会が公式に発表しているんだよ」
「は? どゆこと?」
「理由は不明だが、おそらく10歳前後のロリっ子だと、本来ギルマスどころか探索者になることは無理だろ? なんてったって探索者登録は16歳からだからな」
「たしかに」
「しかし、あの容姿で櫻子ちゃんは世界初のS級探索者となったわけだから⋯⋯」
「ちょ、ちょっと待て?! 櫻子ちゃんってS級探索者なのか!!」
「ああ、そうだぞ」
マジか⋯⋯。「のじゃロリやるじゃん」どころじゃねー!
「実際DNA検査で年齢が100歳を超えていることは間違いないらしい⋯⋯。というわけで、今後彼女がロリっ子で勘違いされないようにということで公式で大々的に年齢公表したというわけだ」
「な、なるほど。しかし、女性に対して年齢公表というのは何とも⋯⋯大丈夫なのか?」
「さあな。まーでも、そうでもしないと櫻子ちゃんもいろいろと面倒事が多かったんじゃないか?」
「⋯⋯なるほど」
「まーいずれにしても櫻子ちゃんが『のじゃロリ』という事実に変わりはない。それでいいじゃないか!」
「う、う~ん、そうなの⋯⋯かな?」
とまあ、こんな感じで色々と櫻子ちゃんの情報を教えてもらった。
それにしても、それだと根本の問題である「なぜ、年齢が100歳超えののじゃロリなのか?」は解決していない。実際、男にそのことを聞いても「それは依然謎のままだ」とのことだった。
一応、ネットでは「魔物にデバフとか呪いみたいなものをかけられた」とか「強力なスキルを得た代償でのじゃロリになった」などと噂されているがいずれも真意は定かではない。
しかし、男曰く。
「ダンジョンが出現したこの世界で、のじゃロリも出現した⋯⋯それはつまりダンジョンものじゃロリ信者だということだろう」
「え? どゆこと?」
「いいかい? 未知の構造物ダンジョンの出現によって、これまでファンタジーとされてきたものが現実化しただろ? そして、その変化は概ね『人類にとって有益なもの』となっている」
「たしかに」
「そんな『人類にとって有益なもの』を提供するダンジョンが『のじゃロリ』も出現させた。それはつまり⋯⋯『のじゃロリは人類にとって有益なもの』であるとダンジョンが示したということ! つまりは、そういうことなのだよぉぉ!!!!」
「おおおおおお!⋯⋯って、いやいやいや! ダンジョンが『のじゃロリは人類にとって有益なもの』って、そんなバカなこと⋯⋯」
「結城君? のじゃロリだよ? それをダンジョンが共感したなんて素晴らしいじゃないか」
「ええぇぇぇ⋯⋯。そ、それはどうでしょう?」
「はっはっは、若いな結城君。これはね、至極当然の帰結なのだよ」
「は、はあ⋯⋯」
たしかに「のじゃロリは人類にとって有益なもの」あたりから、だいぶぶっとんでいる話なのはわかっている⋯⋯わかっているのだが、だが⋯⋯である。
個人的に『のじゃロリは人類にとって有益なもの』についてはは全くの同意であり、そして、それをダンジョンが受け入れ、さらには現世に顕現たらしめたというのは全くもって素晴らしい所業に他ならない。ダンジョン、グッジョブである。
「あ、ホントだ。何も問題ないじゃん。素晴らしいことじゃ~ん」
実に、ちょろインである(俺が)。
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