イフライン・レコード ファンタジー地球に転移した俺は恩寵(ギフト)というぶっ壊れ能力で成り上がっていく!

mitsuzoエンターテインメンツ

文字の大きさ
95 / 157
第三章

095「インフィニティ日本本部登場。そして質疑応答へ」

しおりを挟む


 レヴィアス・アークシュルトとソラの舞台上での一悶着で一時騒然となったものの、その後、レヴィアスが舞台から離れると、インフィニティ日本本部の面々が壇上に上がり挨拶が始まった。


「えー、お集まりの皆さん、ようこそ日本へ。僕はインフィニティ日本本部のギルドマスター倶利伽羅炎呪と申します」


 ざわざわざわざわざわざわ⋯⋯。


 炎呪が挨拶をすると、会場のそこかしこで少しざわつきが起きた。

「オー! あれがあの・・エンジュ・クリカラ。本当に小っこいんだな」
「ワオ! Kawaiiっ!!」
「でも、あれで、年齢はかなり上だっていう噂があるぜ」
「マジかよ! アメージング!」

 インフィニティ日本本部は世界の探索者シーカーギルドの評価は低いのだが、倶利伽羅炎呪に関しては世界の多くの探索者シーカーが認める数少ない日本人探索者シーカーの一人であった。

 そして、世界が認める日本人探索者シーカーは炎呪だけはなかった。その中の一人が挨拶をする。


「⋯⋯不知火だ」


 ウォォォォォォォォォォォォォーーーーーっ!!!!!


 不知火不師斗しらぬいふしとが素っ気ない淡白な挨拶をするが、それだけで会場が大いに盛り上がった。


「ヘイ! リアル・サムライ不師斗っ!!」
「イエス! 超クール!!」
「オー! サムライソード、素晴らしいねっ!!」
「イェェェェヤァァァァっ!! リアル・サムライ不師斗ォォーーーっ!!!!!」


 会場では炎呪とはまた違った興奮の叫びがこだまする。

「す、すごい。世界の探索者シーカーの人たちが大興奮じゃない⋯⋯」
「お、おおお⋯⋯すげぇ~! やっぱ、さすが不師斗さんだぜっ!!」
「か、唐沢。炎呪と不知火さんって海外人気すごいの?」

 ソラは、二人の挨拶だけでこれだけ会場が熱狂したのを見て唐沢に尋ねる。

「あたりめーよ! 炎呪さんは見た目が小っこい子供みたいなのに鬼強いってことで有名なんだ。特に、炎呪さんがAランクのダンジョンで十数体の魔物相手に無双した動画が有名でな。なんせ、あの炎呪さんの外見で魔物を無双するのがあまりにギャップがあり過ぎてよ、それで『アメイジング・キッド』って海外で『二つ名』がつけられたくらい有名なんだ!」
「ア、アメイジング・キッド⋯⋯?」
「そして、不師斗さんはあのオールバックの髪型と長い刀がトレードマークなんだが、これがまーわかりやすい日本のお侍さんのイメージってのが人気の一つだが、それ以上に不師斗さんのあの超絶スピードとそれから繰り出される剣技が海外に特に人気が高い! それに単独探索者ソロ・シーカーで『一匹狼』感もまた日本の侍のイメージというのも相まって炎呪さんと不師斗さんは特に海外人気が高いんだよ」
「なるほど⋯⋯」

 と、唐沢がわかりやすい解説を聞いてると、

「か、唐沢ぁぁ~っ!! て、てめえ、その話すんじゃねー!!」
「は、はひぃぃっ!? ご、ごごご、ごめんなさいぃぃ~~っ!!」

 不知火が唐沢にまーまー本気の威圧をかけて叱った。唐沢、完全にとばっちりである。

「不知火さんって人気すごいんすね。まさか世界クラスとは⋯⋯」

 そして、ソラは普通に感心しての感想だけだったのだが、

「ソラ! おい、コラ? おめぇ、俺をおちょくってんのか? あ?」

 かなり誤解されてしまい、なぜか以前以上に一触即発モードとなっている不知火。すると炎呪が、

「おいおい、君たち⋯⋯。さっきからずっと声拾われているからね?」
「「「えっ!??????」」」

 そう、3人の会話は各々のマイクから全部漏れていたのだった。


 ワハハハハハハハハハハハハハハハっ!!!!


 観客は大爆笑。

「ふ、ふざけんな、炎呪! だから、俺は出るのが嫌だったんだよっ!!」
「しょうがないじゃないか~。蓮二が用事で来れなかったんだから~。さすがに僕以外に日本本部の顔役が誰もいないのはまずいだろ?」

 不知火が激怒するも、炎呪がいつものようにのらりくらりとした話術で不知火を翻弄する。その二人のやり取りも当然マイクに拾われているので会場では炎呪と不知火の『チチクリ』をほっこりした目で見守っていた。

「何、このカオス?」

 ソラがふと漏らしたその言葉に皆が首を何度も縦に「うんうん」と振りまくったのは言うまでもない。


********************


 そんな、どうにも締まらない日本本部の挨拶だったが、挨拶が終わると早速『魔物暴走スタンピード』についての質疑応答が始まった。

「では、質疑応答を始めたいと思います。質疑する方は開演前に決めた口引きによる順番でお願いします」

 と、司会が一言告げると『ガタ⋯⋯』と舞台近くで椅子から立ち上がる音がした。

「私はインフィニティアメリカ本部ギルマスのジョー・ウェインだ! 初めまして、ソラ! そして『新進気鋭アップスタート』の者たち。そして、久しぶり、日本本部のみんなっ!!」

 アメリカ本部のジョー・ウェインがいつもの『カリスマ』を発動。相変わらずの爽やかスマイルが会場の大型ビジョンに映ると観客は湧いた。さすが『華』がある。

「さて、早速だがキョーダイ。私はね、今日会場に来ているすべての探索者シーカーたちが聞きたいことを聞きにきた。それは君たちが鎮圧した『魔物暴走スタンピード』の⋯⋯⋯⋯⋯⋯いや」

 ジョーは一度言葉を止め、次にはっきりとソラに目線を向ける。

 会場のカメラがジョーの動きを感じ取ると、一台はジョーをそのまま固定し、もう一台は即座にソラのアップを抜いた。ジョーはそのタイミングを見計らってソラへ言葉をぶつける。


「『魔物暴走スタンピード』を一人で鎮圧した、デビューしてまだ半年も満たない謎の男⋯⋯⋯⋯ソラ・アラヤシキ! 私は君との対話を望んでいる! どうかな、ミスターソラっ!!!!」


 ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ~~~~っ!!!!!!


 ジョーの発言に会場のボルテージが上がった。

 それにより、ジョーの言葉は会場の真意であると示されたと同時に逃げられなくなったソラ。


「もちろん。こちらこそ、よろしくお願いいたします。⋯⋯ミスタージョー」


 ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ~~~~っ!!!!!!


 ソラは、ジョーの煽りとも取れる第一声に臆することなく「受けて立ちますよ」とでも言わんばかりに堂々と返事を返す。そして、その二人の様を見て会場はさらに盛り上がりを見せた。

 先ほど、イギリスのレヴィアス・アークシュルトと揉め、今度はアメリカ本部のジョー・ウェインである。



 さてさて、二人目の大物との接触はどういう顛末を迎えるのやら⋯⋯。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~

みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった! 無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。 追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

神様、ありがとう! 2度目の人生は破滅経験者として

たぬきち25番
ファンタジー
流されるままに生きたノルン伯爵家の領主レオナルドは貢いだ女性に捨てられ、領政に失敗、全てを失い26年の生涯を自らの手で終えたはずだった。 だが――気が付くと時間が巻き戻っていた。 一度目では騙されて振られた。 さらに自分の力不足で全てを失った。 だが過去を知っている今、もうみじめな思いはしたくない。 ※他サイト様にも公開しております。 ※※皆様、ありがとう! HOTランキング1位に!!読んで下さって本当にありがとうございます!!※※ ※※皆様、ありがとう! 完結ランキング(ファンタジー・SF部門)1位に!!読んで下さって本当にありがとうございます!!※※

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

処理中です...