イフライン・レコード ファンタジー地球に転移した俺は恩寵(ギフト)というぶっ壊れ能力で成り上がっていく!

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第二章

049「家族会議②」

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「まず、私と母さんは⋯⋯⋯⋯⋯⋯元B級ランカーの探索者シーカーだ」
「ええっ?!」
「び、B級ランカーの⋯⋯探索者シーカーっ!?」

 初手から、いきなりの告白カミングアウト

「⋯⋯驚いたか?」
「ま、まあ、さすがに⋯⋯」
「で、でも、私は少しそうじゃないかな~って思ってたんだ! だって、お母さんが前にお兄ちゃんがいじめてた相手の親の家に行って家屋破壊したことあったでしょ? あと、殴り倒したいじめっ子の家族の傷もお母さんの知り合いに頼んで一瞬で治したみたいだったし⋯⋯。そんなのを見て、私母さんは絶対フツーじゃないと思っていたよ!」
「きゃあぁぁぁぁぁ~~!? ちょ、ちょっと、ゆず⋯⋯! 今その話は⋯⋯」
「セーラ? 私はその話⋯⋯⋯⋯聞いてないぞ?」

 父さんがギロッと母さんを睨む。

「うっ?! い、いや、あの⋯⋯あの時は、ソラが学校でいじめられているのを知って、でも、いじめた子も、その親も、学校の先生さえも、ソラが悪いみたいなこと言って、それで私⋯⋯ついカーッとなって⋯⋯そ、その⋯⋯」
「⋯⋯セーラ。こういうことはちゃんと報告しなさい」
「っ?! ご、ごめんな⋯⋯さい⋯⋯」
「「っ!!!!!」」

 め、珍しい⋯⋯っ!?

 いつもは母さんが頼りない父さんに説教するような感じなのに⋯⋯!

 今日は二人のキャラが逆転していた。

「さて⋯⋯ごめんね、二人とも。じゃあ、早速私とセーラの話を始めよう⋯⋯」

 そう言って、父さんが改めて話を始めた。


********************


「私とセーラはさっきも言った通り、元々B級ランカーの探索者シーカーでな、同じ探索者集団シーカー・クランだった。ちなみにその探索者集団シーカー・クランのリーダーはソラのクランメンバーの星蘭ちゃんのお父さん、胡桃沢勝己さんだ。⋯⋯これは知っていたかな?」
「あ、ああ。胡桃沢から親父さんが昔B級ランカーの探索者シーカーだってことは聞いたことがある⋯⋯」
「そうか。で、この三人でダンジョン探索をしていたのだが⋯⋯」

 と、ここでフッと父さんが思い出し笑いのように一瞬笑みを浮かべた。

「父さんたちは三人ともB級ランカーで、その三人で『栄光』という探索者集団シーカー・クランを結成したんだ。ちなみに父さんたちクランはけっこう強かったから気づけば国内の探索者集団シーカー・クランランキング8位という位置までなっていた」
「ええっ!? 国内8位! 普通に凄いんだけどっ!!」

 ゆずが俺の横で驚いている。まー俺もビックリだ。

 父さんと母さんが探索者シーカーだったってことだけでもビックリなのに、当時国内で8位の探索者集団シーカー・クランだったなんて⋯⋯⋯⋯只者じゃない!

 そして、そのクランでリーダーをやっていた胡桃沢の父親の勝己さんは、父さんや母さん以上の実力者なんだろうと安易に想像できる。

「あと、父さんたちは他の探索者集団シーカー・クランに比べてギルドへの協力もしていたから、ギルドには顔が聞くようになっていた。ちなみに、それは今でも変わらないぞ? だから、今回、ソラが関東C24のダンジョンボス『トロールオーク』を倒して二段階特進したときも、その情報がメディアにすぐに流れなかったのは、ギルドに情報統制をお願いしたからだよ?」
「え!? そうなの!」
「ちょ、ちょっと待ってよ?! お兄ちゃんが関東C24のダンジョンボスを倒した? う、嘘でしょ⋯⋯? お兄ちゃんってそんなに凄いの⋯⋯?」
「おいおい、今さら何を言ってるんだ、ゆず? テレビでも言ってたろ? ソラは探索者シーカー試験を合格してから2ヶ月で関東C24のダンジョンボスを倒して、F級からE級を飛び越してD級へと一気に二段階昇格したんだぞ。⋯⋯ちなみに、これは10年ぶりの快挙だ」
「え⋯⋯二段階昇格? D級? お兄ちゃんが⋯⋯?」
「そうだ」
「⋯⋯(ポカーン)」

 ゆずは空いた口が塞がらなくなったようだ。

「さて、ゆずはしばらくほっとくとして⋯⋯」

 おい、父さん。

「まず、お前に知っておきたいのがいくつかあるんだ。その一つがまず星蘭ちゃんの親父さんの勝己さんのことだ。会ったことはあるか?」
「い、いや、まだだけど⋯⋯」
「本当ならもう少し時間を置いてからお前を自宅へ紹介するという話だったんだが、お前の名前が世間に流れた以上、そんな悠長なことは言ってられなくなった」
「ん? それって⋯⋯」
「うむ。近いうち、父さんと一緒に勝己さんのところへ行くぞ」
「⋯⋯わ、わかった」
「それに、お前に紹介したいのは勝己さん以外にもう一人・・・・いてな? そして、その人こそがお前に一番紹介したい人物なんだ」
「もう一人?」
「今は多くは語らないが一言だけ言うと⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯『並行世界線イフライン』」
「っ!!!!!」

 なっ!? 何で父さんが『並行世界線イフライン』という言葉を知って⋯⋯っ?!

「⋯⋯ふむ。やはり、お前の反応を見ると間違いないようだな。だが心配するな。だからといってお前をどうこうするという話じゃない。むしろ、お前にとっても『必要な出会い』となるはずだ」
「⋯⋯⋯⋯」

 ゆずを見ると、ゆずはまだ『ぽかーん状態』で今の父さんの言葉は聞こえていないようだ。⋯⋯危ない。

「わ、わかった」
「ちなみに、これは母さんも知っている話だ」
「えっ?!」

 と、母さんのほうを振り向くと「ハーイ」とにこやかに手を振られた。

「今、私が口にした言葉や知識はすべてその人物から教えられたものだ。ちなみに、その人物の名は⋯⋯⋯⋯『賢者ワイズマン』」
「⋯⋯賢者ワイズマン?」
「ああ⋯⋯『賢者ワイズマン』。前回の並行世界線イフラインに来た五人のうち、最後に残った一人だそうだ」
「なっ⋯⋯?!」

 ぜ、前回⋯⋯っ?! 前回があったのか?!

 い、いや、それよりも、どうして五人から一人に減ったんだっ??????

「この話は、また今度賢者ワイズマンから直接話すだろうから今日はここまでだ」
「⋯⋯え?」

 そう言って、父さんはこの話を途中で打ち切った。



 そ、そんな殺生な~っ!!!!
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