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第1話『呪いの勇者、パーティから追放される』

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 「悪いけどもう足で纏いはうんざりだ。明日でいいからパーティから出て行ってくれ!」

 当然といえば当然だろう。異世界に召喚された俺ら五人の勇者パーティは、魔王を討伐する為に召喚された。

 五人各々が召喚されるにあたって、召喚特典として武器やスキルを教会から施されることになる。

 最強の剣とソードスキル、仲間を支援できる回復魔法など様々なスキルをみんな貰ってたけど、俺、天月 翔(あまつ かける)は最強の武器を教会で願った。

 どうしてこうなったのかは分からない。分からないけど、俺は現実を受け入れるしか無いようで……。

 ーー全身の装備が呪い武器だったんです。

 呪いの影響か、装備を外すことも出来ず、歩いているだけで魔物が寄ってくる体質になってしまい、パーティメンバーからは煙たがられるだけの存在になっていました。

 そうだとしても、いきなり出て行けと言われたら反発もしてしまう。

 パーティリーダーの智治(ともはる)と暫く、言い争いになってしまった。

 「いきなり出て行けなんてないだろ!」

 「君は馬鹿なのか? 確かに君は強いよ。強いけど足で纏いだ。魔法使いの綾香がどれだけ回復魔法を使っても翔は呪いの装備の影響でダメージに変換されるじゃないか。敵は勝手に寄ってくるし最悪だ。正直、居るだけで迷惑だ」

 「はは。そうだよな。俺みたいな奴は消えた方が良さそうだ。今すぐにでも出て行くよ。今までお世話になりました」

 呪いとは残念なものですね。自分の居場所や存在理由さえ、簡単に消し飛ばしてしまうのですから。

 唇噛み締め、それ以上の言葉を交えることなく俺は勇者パーティから追放された。


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