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小学生編

7.5.鳴海柚葉の恋慕(1)

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私は今が人生で一番幸せだと言えると思う。

まあ、私の人生と言ってもまだ6年ほどしか経っていないのだけれど。

それでも私は幸せだ。

その理由は今私の目の前でピアノを教えてくれている男の子。

名前は音尾拓人くん。
音尾くんはかっこよくて、大人っぽくて、ピアノも上手で、とにかくかっこいい男の子なのだ。

「鳴海さん?おーい、鳴海さーん。」
「え?あれ、えっと何だったっけ?」
「えっとね、さっきのところだけど」
「ああ、うん。ここね」
「そう、そこの手の移動をもう少しこうやって...」

私は音尾くんの教えのとおりに弾いてみる。

すると、さっきまでつまずきがちだったところを簡単に弾けてしまった。

やっぱり、音尾くんは凄い。
教え方もわかりやすいし、優しいし。

音尾くんの声を聞く。
音尾くんと目が合う。
音尾くんと手が触れる。

その一つ一つの出来事が私の心をあたたかく、心地よくさせる。

「...やっぱり」

私はすでに気づいている。














私は彼に恋をしているのだ。
彼のことが好きなんだ。
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