35 / 54
三章
34話 レオンの縁談
しおりを挟む
リセナを家に送り届けてから、レオンも自宅の敷地内に足を踏み入れた。屋敷の前にある馬小屋で、父の愛馬であるエーレが干し草を食べている。
「――――。エーレ! ごめん、オレ、今までお前のこと忘れてた! 帰ってきてたんだな!?」
城へリセナを迎えに行く時に勝手に連れ出され、途中で乗り捨てられてきたエーレが、レオンを無視する。
「わ~! ごめんよお!」
彼が無理やりエーレをなでていると、後ろから父の怒鳴り声がした。
「レオンルークス! お前、今まで何をしていたんだ!」
「……わぁ。ごめんなさい……」
しおらしくする彼に、父は大きなため息をつく。
「……まあ、いい。ちょうど、お前に縁談が持ち上がっているところだ。中に入りなさい」
「え? なんだって? エンダン?」
「とぼけるんじゃない。お前もそろそろ、結婚相手を決める年頃だろう」
父を追いかけながら、彼は素っ頓狂な声をあげる。
「えっ、ちょっと待って、誰!? 結婚相手!?」
「ブルック・ミラーズ嬢だ。隣の領主の娘さんで……お前も会ったことはあるだろう。うちと領地争いしてるっていうのに、こっそり遊びに来てたおてんば娘だ」
「はは、なに言ってるんだよ父さん、ブルックは男だろ。黒髪モコモコの羊みたいな」
レオンが笑い飛ばすと、父も笑い飛ばす。
「お前こそ、なに言ってるんだ。そりゃあ昔は髪も短かったが、彼女は間違いなく女性だよ」
「…………」
レオンの顔が青ざめる。
「うそ……。いや、ちょっと待って、なんで急にそんな」
「ああ、まあ、うちとあっちの領主で同盟を結ぶことになってな。これで長く続いた領地争いも終わり。お前たち夫婦は和平の証――というのが、王太子殿下の粋なお計らいだ」
「王太子」
ほとんど呪言みたいに、レオンはつぶやいた。
父は、応接間のソファーに腰を下ろすと、話を進めようとする。
「実は、ブルック嬢がもうすぐ屋敷を見に来ることになっているんだ。ここで暮らす予定だからな」
「いや、待って。待てよ。勝手に決めないでくれ。オレには、もう、好きな人が――」
「リセナ・シーリグ嬢か?」
父が、脇に立ったレオンを見上げる。全てを見透かしているような瞳で、彼は言った。
「たしかに、お前は、ずっと彼女と一緒に過ごしてきたからな。好きになるのも、自然なことだろう」
「っ……わかってるなら、邪魔、しないでくれよ」
「言ったはずだ。これは、王太子殿下の取り計らい……いや、命令だ。そしてこちらには、それを断るだけの理由がない。ライランド家として、全く、問題がないと思っている」
レオンは言葉を失った。
父は構わず続ける。
「もしお前が、この話を蹴ってリセナ嬢と結ばれるなんてことになれば、シーリグ商会にも何らかのペナルティが下るだろうな。領主の息子を略奪して、和平を乱した――とか言って。元々、お前たちは殿下に目を付けられているんだ。これ以上、反抗的な態度は取るな」
元はと言えば、王太子が、勝手にリセナを連れて行ったのが悪いのに――。レオンは、はらわたが煮えくり返る思いだった。
――あいつ、リセナに選ばれなかった腹いせに、こんなことを……?
信じられない。到底許せない。そんな彼の頬にできた切り傷を見て、父は再びため息をついた。
「それに、その傷、どうしたんだ? 彼女は今、なにか危険なことに巻き込まれているんじゃないか?」
「――いや、たしかに、色々大変だったけど……。これは、ただの鍛錬で……」
「馬鹿を言うな。鍛錬なんていらない。お前はブルック嬢と結婚して、次の領主となるために政治を学ぶんだよ。怪我ひとつしない、安全なところでな」
それでも、まだ。レオンは、まとまらない思考の中で、たったひとつ確かなことを口にする。
「……でも、オレは、リセナが好きで……」
「……レオンルークス。お前にはまだ、信じられないかもしれないけどな。結婚というのは、好きな人としなくてもいいんだ。生涯を、有意義に過ごすための、最適な人材を選ぶ――。お前の母さんとは政略結婚だったが、私は幸せだよ。恋心がなくても、明るく優しい妻と、可愛い息子たちがいることに変わりはないからな」
応接間の扉がノックされる。
「ブルック嬢が到着したようだな。さあ、お前が迎えに行くんだ。失礼のないようにな」
父は、最後には、レオンを優しく諭した。
屋敷を出ると、昔のくせっ毛はそのままに、髪を長く伸ばしたブルックが優雅に一礼してみせた。
「お久しぶりです、レオンルークス様」
「あ……ああ、久しぶり」
ぼんやりとしたまま、レオンは彼女と付き人を連れて応接間へ向かう。父も交えて話をして、屋敷の中を回って、彼女の帰り際になっても彼はまだうわの空だった。
門の前で、ブルックは、馬車に乗ろうとした足を止めて振り返る。
「どうかなさいましたか、レオンルークス様。――な~んて、もういいかな? やっぱり、リセナが気になるんやろ?」
昔のままの笑顔と、隣の領地の訛りで、彼女は首をかしげた。
「ブルック……お前、わかってたのか」
「そりゃあね。あのね、レオン。うちはね、レオンとやったら上手くいくと思ってるけど、自分の気持ちも大事にしてほしいな」
「……でも、そんな場合じゃない、みたいでさ」
「そうなん? 詳しいことは知らんけど、うちのパパなら言いくるめておくから大丈夫よ。それにさ、何にも考えずに突っ込んで行くのがレオンやろ」
彼女は楽しげに「じゃあね~」と手を振って、馬車に乗り込んで行く。
「……もう、子どもじゃないんだぞ、オレたちは」
誰もいなくなった道に立ち尽くして、彼はつぶやいた。
「――――。エーレ! ごめん、オレ、今までお前のこと忘れてた! 帰ってきてたんだな!?」
城へリセナを迎えに行く時に勝手に連れ出され、途中で乗り捨てられてきたエーレが、レオンを無視する。
「わ~! ごめんよお!」
彼が無理やりエーレをなでていると、後ろから父の怒鳴り声がした。
「レオンルークス! お前、今まで何をしていたんだ!」
「……わぁ。ごめんなさい……」
しおらしくする彼に、父は大きなため息をつく。
「……まあ、いい。ちょうど、お前に縁談が持ち上がっているところだ。中に入りなさい」
「え? なんだって? エンダン?」
「とぼけるんじゃない。お前もそろそろ、結婚相手を決める年頃だろう」
父を追いかけながら、彼は素っ頓狂な声をあげる。
「えっ、ちょっと待って、誰!? 結婚相手!?」
「ブルック・ミラーズ嬢だ。隣の領主の娘さんで……お前も会ったことはあるだろう。うちと領地争いしてるっていうのに、こっそり遊びに来てたおてんば娘だ」
「はは、なに言ってるんだよ父さん、ブルックは男だろ。黒髪モコモコの羊みたいな」
レオンが笑い飛ばすと、父も笑い飛ばす。
「お前こそ、なに言ってるんだ。そりゃあ昔は髪も短かったが、彼女は間違いなく女性だよ」
「…………」
レオンの顔が青ざめる。
「うそ……。いや、ちょっと待って、なんで急にそんな」
「ああ、まあ、うちとあっちの領主で同盟を結ぶことになってな。これで長く続いた領地争いも終わり。お前たち夫婦は和平の証――というのが、王太子殿下の粋なお計らいだ」
「王太子」
ほとんど呪言みたいに、レオンはつぶやいた。
父は、応接間のソファーに腰を下ろすと、話を進めようとする。
「実は、ブルック嬢がもうすぐ屋敷を見に来ることになっているんだ。ここで暮らす予定だからな」
「いや、待って。待てよ。勝手に決めないでくれ。オレには、もう、好きな人が――」
「リセナ・シーリグ嬢か?」
父が、脇に立ったレオンを見上げる。全てを見透かしているような瞳で、彼は言った。
「たしかに、お前は、ずっと彼女と一緒に過ごしてきたからな。好きになるのも、自然なことだろう」
「っ……わかってるなら、邪魔、しないでくれよ」
「言ったはずだ。これは、王太子殿下の取り計らい……いや、命令だ。そしてこちらには、それを断るだけの理由がない。ライランド家として、全く、問題がないと思っている」
レオンは言葉を失った。
父は構わず続ける。
「もしお前が、この話を蹴ってリセナ嬢と結ばれるなんてことになれば、シーリグ商会にも何らかのペナルティが下るだろうな。領主の息子を略奪して、和平を乱した――とか言って。元々、お前たちは殿下に目を付けられているんだ。これ以上、反抗的な態度は取るな」
元はと言えば、王太子が、勝手にリセナを連れて行ったのが悪いのに――。レオンは、はらわたが煮えくり返る思いだった。
――あいつ、リセナに選ばれなかった腹いせに、こんなことを……?
信じられない。到底許せない。そんな彼の頬にできた切り傷を見て、父は再びため息をついた。
「それに、その傷、どうしたんだ? 彼女は今、なにか危険なことに巻き込まれているんじゃないか?」
「――いや、たしかに、色々大変だったけど……。これは、ただの鍛錬で……」
「馬鹿を言うな。鍛錬なんていらない。お前はブルック嬢と結婚して、次の領主となるために政治を学ぶんだよ。怪我ひとつしない、安全なところでな」
それでも、まだ。レオンは、まとまらない思考の中で、たったひとつ確かなことを口にする。
「……でも、オレは、リセナが好きで……」
「……レオンルークス。お前にはまだ、信じられないかもしれないけどな。結婚というのは、好きな人としなくてもいいんだ。生涯を、有意義に過ごすための、最適な人材を選ぶ――。お前の母さんとは政略結婚だったが、私は幸せだよ。恋心がなくても、明るく優しい妻と、可愛い息子たちがいることに変わりはないからな」
応接間の扉がノックされる。
「ブルック嬢が到着したようだな。さあ、お前が迎えに行くんだ。失礼のないようにな」
父は、最後には、レオンを優しく諭した。
屋敷を出ると、昔のくせっ毛はそのままに、髪を長く伸ばしたブルックが優雅に一礼してみせた。
「お久しぶりです、レオンルークス様」
「あ……ああ、久しぶり」
ぼんやりとしたまま、レオンは彼女と付き人を連れて応接間へ向かう。父も交えて話をして、屋敷の中を回って、彼女の帰り際になっても彼はまだうわの空だった。
門の前で、ブルックは、馬車に乗ろうとした足を止めて振り返る。
「どうかなさいましたか、レオンルークス様。――な~んて、もういいかな? やっぱり、リセナが気になるんやろ?」
昔のままの笑顔と、隣の領地の訛りで、彼女は首をかしげた。
「ブルック……お前、わかってたのか」
「そりゃあね。あのね、レオン。うちはね、レオンとやったら上手くいくと思ってるけど、自分の気持ちも大事にしてほしいな」
「……でも、そんな場合じゃない、みたいでさ」
「そうなん? 詳しいことは知らんけど、うちのパパなら言いくるめておくから大丈夫よ。それにさ、何にも考えずに突っ込んで行くのがレオンやろ」
彼女は楽しげに「じゃあね~」と手を振って、馬車に乗り込んで行く。
「……もう、子どもじゃないんだぞ、オレたちは」
誰もいなくなった道に立ち尽くして、彼はつぶやいた。
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説

【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
【連載版】おかえりなさい。どうぞ、お幸せに。さようなら。
石河 翠
恋愛
主人公は神託により災厄と呼ばれ、蔑まれてきた。家族もなく、神殿で罪人のように暮らしている。
ある時彼女のもとに、見目麗しい騎士がやってくる。警戒する彼女だったが、彼は傷つき怯えた彼女に救いの手を差し伸べた。
騎士のもとで、子ども時代をやり直すように穏やかに過ごす彼女。やがて彼女は騎士に恋心を抱くようになる。騎士に想いが伝わらなくても、彼女はこの生活に満足していた。
ところが神殿から疎まれた騎士は、戦場の最前線に送られることになる。無事を祈る彼女だったが、騎士の訃報が届いたことにより彼女は絶望する。
力を手に入れた彼女は世界を滅ぼすことを望むが……。
騎士の幸せを願ったヒロインと、ヒロインを心から愛していたヒーローの恋物語。
この作品は、同名の短編「おかえりなさい。どうぞ、お幸せに。さようなら。」(https://www.alphapolis.co.jp/novel/572212123/981902516)の連載版です。連作短編の形になります。
短編版はビターエンドでしたが、連載版はほんのりハッピーエンドです。
表紙絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真のID:25824590)をお借りしています。

お姉様に恋した、私の婚約者。5日間部屋に篭っていたら500年が経過していました。
ごろごろみかん。
恋愛
「……すまない。彼女が、私の【運命】なんだ」
──フェリシアの婚約者の【運命】は、彼女ではなかった。
「あなたも知っている通り、彼女は病弱だ。彼女に王妃は務まらない。だから、フェリシア。あなたが、彼女を支えてあげて欲しいんだ。あなたは王妃として、あなたの姉……第二妃となる彼女を、助けてあげて欲しい」
婚約者にそう言われたフェリシアは──
(え、絶対嫌なんですけど……?)
その瞬間、前世の記憶を思い出した。
彼女は五日間、部屋に籠った。
そして、出した答えは、【婚約解消】。
やってられるか!と勘当覚悟で父に相談しに部屋を出た彼女は、愕然とする。
なぜなら、前世の記憶を取り戻した影響で魔力が暴走し、部屋の外では【五日間】ではなく【五百年】の時が経過していたからである。
フェリシアの第二の人生が始まる。
☆新連載始めました!今作はできる限り感想返信頑張りますので、良ければください(私のモチベが上がります)よろしくお願いします!
王宮医務室にお休みはありません。~休日出勤に疲れていたら、結婚前提のお付き合いを希望していたらしい騎士さまとデートをすることになりました。~
石河 翠
恋愛
王宮の医務室に勤める主人公。彼女は、連続する遅番と休日出勤に疲れはてていた。そんなある日、彼女はひそかに片思いをしていた騎士ウィリアムから夕食に誘われる。
食事に向かう途中、彼女は憧れていたお菓子「マリトッツォ」をウィリアムと美味しく食べるのだった。
そして休日出勤の当日。なぜか、彼女は怒り心頭の男になぐりこまれる。なんと、彼女に仕事を押しつけている先輩は、父親には自分が仕事を押しつけられていると話していたらしい。
しかし、そんな先輩にも実は誰にも相談できない事情があったのだ。ピンチに陥る彼女を救ったのは、やはりウィリアム。ふたりの距離は急速に近づいて……。
何事にも真面目で一生懸命な主人公と、誠実な騎士との恋物語。
扉絵は管澤捻さまに描いていただきました。
小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる