上 下
40 / 93
番外小話 2

小話 カズハと鬼の攪乱①

しおりを挟む
※リュファス視点です

 事の顛末を聞いたのは、あれこれ醜態を晒してひとしきり落ち着きを取り戻した後のことでした。
 だってもう、それどころじゃなかったと言いますか──。
 詳しく話を聞かせてくれたのは、珍しく優しいリュファスさんと、お見舞いに来てくれたエルザさん。それから寝台に沈む私の額に、冷たい水で絞った布をそっとのせてくれるセリアさん。

 ここにはいないあの人の、今日を。リュファスさんが言葉を紡ぐ。


「そうだな、何から話そうか。……今朝、交代で休息に入った隊長が、カズハちゃんの元に行くとばかり思っていたのに、なぜか市場に向かったのを不思議に思ったところから、かな」

 リュファスさんがふらりと街へ出たアルベリックさんを追いかけて、ようやく足を止めた先がエルザさんの果物屋だったようです。
 リュファスさんはそこから、詳しく経緯を話して下さいました。





「熊殺しの実? 誰に食べさせる気だい?」

 果物屋のエルザが素っ頓狂な声でそう問いただした相手は、この街の警備隊長アルベリック・レヴィナスだった。隊長である彼は、その立場から街の人々にも一目おかれてはいるが、何より生来の澄んだ青い瞳とその威圧的な視線のせいで、威厳という威厳をほしいままにしていた。
 彼が街を警らして回るだけで、犯罪はおろか痴話げんかなどの諍いも自然と遠ざかる。街の善良な住民だけでなく、他の隊員にとっても喜ばしいことではある。本人はいたって威圧する気などないのだが、寡黙な性格も相まって、そんな立ち位置に収まって既に久しい。

「隊長、言葉が少なすぎます」

 たまたま警ら当番ついで同行した私の言葉に、隊長は少しだけ頷いてから再び言葉を選んでいた。まったく手の焼けるお人だ。

「……カズハが、数日前から風邪をひいているようだが、治りが悪い。精のつくものを届けたい」
「風邪! あのカズハが?」

 エルザが驚くのも無理はない。
 落ち人カズハは、異世界という慣れない世界に飛び込んできたにもかかわらず、いままでさして体調を崩すということがなかった。それはまさに言葉のまま、女神の加護があってのことかもしれないが、初めての事に違いはない。来月に控えた婚礼準備のために忙しくしていたのも、原因だろうか。
 エルザもそう考えたのだろう。疲れが出たのだろうかと、そう口にしたところで、はっとして上げたその顔にはバツの悪さが見てとれる。

「そう、それで滋養強壮にいい熊殺しの実を……確かにうちでも扱ってるけど、医者は何て言ってるんだろうね? ご存知ですかリュファス様」

 困ったエルザはあからさまに私へ話を振ってきた。確かに隊長に話すよりは気安いだろうが。

「そうですね、消化能力が落ちている時にあれは少々きついかもしれませんね」
「……そうだ、こっちのはどうですか隊長さん」

 エルザが勧めたのは、甘くて栄養価が高いとされている蜜桑の実だった。熊殺しの実は、その名の通り熊でさえもそのきつい甘味と栄養価に、一粒口にしただけで虜になり、夢中で貪るすきに狩人に殺されることからその名で呼ばれるようになった。冬ごもりする熊の大好物だ。更にそれを蜂蜜漬けにし保存したものを、滋養強壮薬の代名詞として人々に好まれる。

「……ではそちらも一緒に貰おう」

 納得はしたものの、当初の目的である熊殺しの実も持ち帰る気のようだ。隊長は代金を渡し、瓶詰めの熊殺しの実と一房の蜜桑の実を手に、さっさと市場を後にする。
 隊長が休憩をどう使おうがとやかく言う気はないが、己とてカズハの様子が気になるのも事実。何よりこの無骨な上司が、病人に強烈な果実を与えるつもりなのかも気にかかる。いや、隊長の話をよく聞けば、看病はオランド亭の女主人であるセリアがしてくれているようなので、本来ならば無用な心配ではあるのだが。

「……警らに行かないのか」
「来てますよ」

 ちらりと振り返る隊長にそう答えれば、少しだけ間をおいてはみたものの、それ以上何も言うつもりはないようだった。
 それもそうだろう。なぜなら今日もノエリアは平和で、暖かくなる日差しに人々の心は軽やかだった。しばらく続いた雨季も終わり、芽吹く緑が荒野の裾を染めて、辺境に命が溢れる。加えて隊長とカズハがノエリアに戻ってすぐから、二人を祝う空気がいっそう賑やかなものだ。ここのところ大きな犯罪や事故の報告はない。

「言っておきますけど、はもう少し回復してから食べさせて下さいね。けが人にはよく使いますが、彼女は日ごろ鍛えてる兵士とは違います」

 表情を変えずに頷く隊長を、追って歩く。

 相変わらず不愛想なままの隊長へと向かうよりも、満面の笑みで受け答えするカズハが、人々の祝いの渦を呼び込んだことは仕方ないことなのだろう。私とて気を配っていたつもりだったのだが、昨日からカズハは臥せっていた。熱を出し、食事も喉を通らない状態だという。

 宿舎前にあるカズハの家に戻ると、まだ具合が悪いのだろう、青白い顔をしたカズハが隊長を迎える。寝台から抜け出してきたカズハを寝るようにと追い立てる隊長。そして渋々ながらも従うカズハに聞けば、セリアはちょうどスープを取りにオランド亭に戻っているところらしかった。

「少しだけ気分がいいんですよ、熱も引いてきたし。それでセリアさんが何か口にしたほうがいいって」
「そうでもない。まだ熱が高いな」

 空元気を見せるカズハの額に手をあてて、むべもなく否定する隊長にカズハは頼りなく笑った。
 普段のカズハを知る者であれば、隊長でなくとも覚えるだろう不安。彼女が落ち人でなくば、そこまで心配にはならなかったのかもしれない。風邪など小さな子供でもかかるのだから。そんな我々の不安に、カズハは気付いていたのだろう。

「アルベリックさん、それお見舞いですか? ちょっと美味しそうなんですが!」

 寝台の中から、隊長の持つ瓶に興味を示すカズハ。それを受け取って、光りにかざすようにのぞきこむ。蜜に浸かったそれは、半透明な赤い果肉をしている。発色のいいその色は、稀に染料の材料にもなるくらいだ。

「なんだか懐かしいです。お祭りのカキ氷イチゴ味の色! 食べてもいいですか?」

 日ごろの言動が幼く映ろうとも、彼女が本当は人の機微に敏感であり、それを悟らせぬよう行動しているきらいがあることももう知っている。
 それなのに止められなかったのは、そんなカズハを見る隊長の顔を目に入れてしまったからだ。

 頼りなく細められた目は、ただカズハをいたわるように、だが不安に歪んでいるかのようにも見えた。

「……カズハ?」

 慌てた隊長の声に、はっとした。
 むせるようにして、口にした果実を吐き出すカズハ。止らない嘔吐に、立ち尽くす隊長を突き飛ばし、背中をさする。汚れを気にするカズハに、かまわないと短く告げて既に汚れたシーツへと吐き出させた。
 苦しげな様子ではあったが、胃の中にあったものを全て出し切ってしまえば少し落ち着きを取り戻した。

「あらまあ、大変だったようね」

 ちょうどそこに戻ってきたセリアが後始末を引き受け、カズハを着替えさせるために我々を追いやったところで、ようやく隊長が正気に戻ったようだ。
 やれやれ、日ごろからもっと悲惨なけが人など見慣れていようものに。病人のように蒼白な隊長などという、貴重なものを目にしながら苦笑いがこぼれた。

「人はそう簡単にはどうにかなったりしません。ましてや彼女には加護があるんですよ」
「……ああ」

 力なくアトリエの椅子に沈む隊長。

「情けないな……」

 片手で顔を覆いながらも苦笑いを浮かべる隊長が、何もできなかったとつぶやく。

「それくらいで丁度いいんですよ、あなたが今日ほど人間らしく見えた日はない。さあ、無力を自覚したのなら、ついでに仮眠を取りに戻られたらどうですか。寝てないのでしょう?」
「……」
「昨日の朝から熱が高かったと聞いています。あなたの休憩時間と重なりますよね」
「……そうだな」
「戦場じゃないんですから、そんな顔してギラギラと見守られてたら落ち着いて休めないですよ。医師にも見せてセリアが引き受けてくれているんですから」
「そんな顔?」
「心配でいてもたってもいられない情けない顔です。……熊殺しの実、どうして熊殺しの実アレを選んだのかも、想像つかないわけではないですが、余裕がないから先走るのだと私は思いますよ」

 隊長は大きくため息をもらす。
 そして立ち上がり、にがお絵屋を出ることにしたようだ。その後ろ姿に声をかける。

「何かあれば、必ず知らせます」

 振り返らず、手を振って出ていく隊長。畏れるのは、失った経験があるからだろう。
 隊長が去ってすぐに、セリアが寝室から出て来た。

「様子は?」
「落ち着いて今、寝入ったところですよ」

 洗濯物を抱えたセリアに経緯を伝えると、彼女もまた苦笑する。

「まあ、寝た状態じゃ何もできないからねぇ、酷なようだけど……。そういえばあの熊殺しの実を隊長さんが持ってきたなんて、ちょっとらしくないような気がするんですよね。リュファス様は何か知ってるんですか?」
「……いや、どうなんだろうね」

 誤魔化すような答えにセリアは気にするそぶりも見せず、再び扉をそっと開いて様子をうかがう。
 静かに寝息をたてるカズハを見て、私もまたその場を後にした。



 見回りを終えて宿舎に戻ったのはそれから一時間ほどしてからだった。それから簡単な事務仕事をこなして三時間ほど経ってから、再びカズハの様子を見に行くことにした。
 宿舎から出たところで、果物屋のエルザとばったり出くわす。聞けば、カズハの見舞いに来たという。というか、自分の売った『熊殺しの実の蜜漬け』の行方を気にしているのだろう。

「忠告はしたのだが、間に合わなくてね。すまない」
「いえ……そうですか」

 カズハが警戒もせずに口にして、その勢いで吐き気をもよおした経緯を説明すると、エルザはやっぱりと言いたげだ。それはそうだろう、何せ熊殺し。
 だが我々の心配をよそに、目を覚ましたカズハはスッキリとした顔だった。

「いやあ、お恥ずかしい! リバース現場見られちゃって、これでもう私たちズットモですねリュファスさん!」

 意味不明な事を述べるカズハは、いつもの彼女に戻りつつあるとみていいだろう。
 そしてなぜか心配して損した気分だ。

「ところでお腹が空いちゃいました、セリアさん特製パイとか食べたいです。というか、肉!」
「カズハ、また吐いても知らないよ。もっと麦粥のようなものから試してみなよ」
「エルザの言う通りだよ、胃がビックリするから」
「ああ、さっきはビックリしましたよ確かに、あはははは」

 豪快に笑って見せてから、カズハはふと首を傾げる。

「アルベリックさんには悪いことをしました。ところで、アルベリックさんは? ちょっと調子が悪そうでしたので、私が風邪をうつしちゃったんじゃないかって、心配してるんです」

「隊長が風邪などひいたらそれこそ鬼の攪乱だよ」

 そんな言葉に誤魔化されるわけはなく、話して聞かせることとなった。カズハの見られなかった隊長の様子を。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~

つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。 政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。 他サイトにも公開中。

側妃は捨てられましたので

なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」 現王、ランドルフが呟いた言葉。 周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。 ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。 別の女性を正妃として迎え入れた。 裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。 あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。 だが、彼を止める事は誰にも出来ず。 廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。 王妃として教育を受けて、側妃にされ 廃妃となった彼女。 その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。 実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。 それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。 屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。 ただコソコソと身を隠すつまりはない。 私を軽んじて。 捨てた彼らに自身の価値を示すため。 捨てられたのは、どちらか……。 後悔するのはどちらかを示すために。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします

暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。 いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。 子を身ごもってからでは遅いのです。 あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」 伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。 女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。 妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。 だから恥じた。 「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。 本当に恥ずかしい… 私は潔く身を引くことにしますわ………」 そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。 「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。 私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。 手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。 そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」 こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。 --------------------------------------------- ※架空のお話です。 ※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。 ※現実世界とは異なりますのでご理解ください。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました

結城芙由奈 
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】 今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。 「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」 そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。 そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。 けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。 その真意を知った時、私は―。 ※暫く鬱展開が続きます ※他サイトでも投稿中

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。