黒猫を助けたら、貞操逆転男女比1対100万の世界に行けました。女の子といちゃラブしてたらスキルもゲットして英雄王になります。

白鷺雨月

文字の大きさ
上 下
66 / 75

第六十四話 混沌の王

しおりを挟む
「ううん……、いい」
 まさかこの世に、こんな行為をみずから望んで人前で平然とできる女性がいるということが信じられない。
 そんなアベルの想いなど露ともかえりみるわけもなく、アイーシャは恍惚とした表情を顔に浮かべ、腰をゆっくりと動かしはじめる。
 化粧をほどこしているために、身体より色が白く見える顔が、愉悦に赤く染まっている。
「ああ……ん。ああ、いいわぁ……」
 アベルにはひたすら驚倒ものの光景だった。己の取らされている苦しく恥ずかしい姿勢もわすれて、ただただアイーシャの姿を凝視していた。
 サライアもアーミナもエリスも驚きもせず平然と見ていることは、彼らはすでに見慣れているのだろう。 
 彼女の動きに合わせて手足の銀輪も揺れる。アベルのものとおなじく檜皮色のサンダルが、ひどく猥褻に見える。あのように浅ましい姿を自分もつい先ほど晒したのかと思うと、アイーシャの淫猥なすがたに自分自身がかさなり、アベルはいたたまれない。
 目を逸らしたい。だが逸らせない。
「ん、んんん、ああ、ああ……陛下ぁ」
 耳をおおいたい。だが、出来ない。
「ああっ、ああっ、ああっ!」
 アベルの前で、アイーシャという妖艶な毒花が、開花しはじめている。
 アベルは恐怖すら感じながら、つい先ほどまでは、まがりなりにも人の形をしていた生き物が、なにか別の生物に変成していく様を魅入られたように見つめつづけた。
(私も……あんな風になっていたのだろうか?)
 強制されたとはいえ、不様な姿で死ぬほどの恥辱をあたえられた果てに、快を得てしまった。その様をすべて見られていたのだ。
 自分もまた、今のアイーシャを見ている自分とおなじように、見る者からそう思われていたのかもしれないと思うと、全身から火が吹くほどの羞恥を感じる。
「うう……、いい、いい、いいわぁ!」 
 と言いつつ、アイーシャの黒い眉が歪んでいるのは、激しく極めた快楽には、ときに辛さも含んでいるのだろうか、とアベルはぼんやりと考えた。
「ああ! はぁ……っ」
 天井に向けて放った彼女の吐息は、桃色に染まっているようだ。
 女性と本物の接吻すらまだしたことのないアベルには、ひたすら異様な見物で、アイーシャのみならず、グラリオンというこの国が、この国の宮廷が、さらに後宮というものがつくづくおぞましく思えてきた。いや、女という生き物がそのものがおぞましく思えてきた。この世のすべての女性というものは、こんな魔性を身の内に持っているものなのか。そう思うと空恐ろしくさえなってくる。

 

しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~

トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。 旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。 この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。 こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

貞操観念逆転世界におけるニートの日常

猫丸
恋愛
男女比1:100。 女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。 夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。 ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。 しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく…… 『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』 『ないでしょw』 『ないと思うけど……え、マジ?』 これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。 貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

貞操観念が逆転した世界に転生した俺が全部活の共有マネージャーになるようです

.
恋愛
少子化により男女比が変わって貞操概念が逆転した世界で俺「佐川幸太郎」は通っている高校、東昴女子高等学校で部活共有のマネージャーをする話

処理中です...