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第三十四話 聖杯教徒との戦い
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依頼魔術師マーリンの救出をクリアしました。
クリアした功績により魔術師マーリンの好感度が100になりました。
幽界への接続権を獲得しました。
レベルが50に上がりました。
聖剣エクスカリバーの能力が解放されました。
聖剣エクスカリバーの能力は、防御力無効 魔法攻撃半減 体力自動回復弱となります。
称号「魔術師の盟友」「星の搭の主」「王権の守護者」を獲得しました。
視界に文字が浮かび、消えていく。
どうやらこれで依頼は達成できたようだ。
魔術師マーリンとモードレッドをともない、本拠地であるシャーウッドの館に戻るだけだ。
「さあ、それではいきましょうか」
マーリンは立ち上がる。
マーリンの白い手をモードレッドは握っている。
僕たちはエレベーターに向かい、それに乗る。
そして一階に降りる。
エレベーターが開いた瞬間、悲鳴に近い声が頭の中に響いた。
アーサー、速く来て!!
それはヒメノ・ケイからの念話であった。
いったいどうしたのだろうか?
かなり悲痛な叫びに聞こえる。
「お兄ちゃん、とにかく急ごう」
クロネが僕の手をとり、駆け出す。
僕はクロネと共に外にでる。
そのあとをマーリンたちが続く。
搭の外では激しい戦闘が行われていた。
姉さんたちは鉄騎士の集団に取り囲まれていた。
完全に包囲されている。ヒメノ・ケイは鞭をふるい、敵をこれ以上近づけまいと奮戦している。
ユリコは至近距離で矢を何本も放ち、鉄騎士の鎧の隙間に命中させていく。
アルタイルとリリィは背中あわせになり、武器をふるって敵を倒している。
サラはモーニングスターをやたらめったら振り回して、鉄騎士の鎧を破壊する。
皆人並み外れた強者だ。
だが、圧倒的なのは戦力差であった。
視界の地図に見える敵対反応はざっとであるが二百ほどだ。
「アーサー、教会の使徒の強襲を受けたんだ」
手短にヒメノ・ケイは僕に説明した。
それは確かに見たままである。
これはかなりまずいな。
せっかくマーリンを仲間にくわえたのに、ここで教会の兵士たちに殺されたらもともこもない。
「お兄ちゃん、どうやって切り抜ける?」
クロネがきく。
「三十六計逃げるにしかずだよ。聖剣エクスカリバーの能力で戦艦ウロボロスに撤退しよう」
僕はクロネに言った。
ここで教会の兵士たちと死闘を繰り広げてもなんの意味はない。
聖剣エクスカリバーの転移能力を使うには僕を中心に半径十メートル以内に集めないといけない。
「みんな、こっちに来て!!」
僕はそれぞれ戦っている皆に叫ぶ。
彼女らは一斉に僕を見る。それぞれ頷き、僕の方にはしりだす。
まずはじめに僕の元にきたのはユリコだ。
滑りこむようにそばに駆け寄る。
ユリコは振り向き、弓を引き絞り矢を放つ。
矢は見事にヒメノ姉さんに槍を突きつけようとした兵士に命中し、後ろに倒す。
その隙をつき、ヒメノ姉さんは僕の方に駆け寄る。
ヒュッという音をたて、クロネが消える。
加速のスキルを使い、アルタイルとリリィのそばによる。
風魔法で包囲しようとした敵兵士を吹き飛ばす。
リリィとアルタイルも僕のそばに集まる。
僕は両手をかざし、サラに切りかかろうとした兵士との間に炎の壁をつくる。
燃え盛る炎が壁となり、鉄騎士の攻撃を防ぐ。
サラはその間に僕のもとに走ってくる。
これで全員が僕の元に集まった。
あとは聖剣エクスカリバーの力で戦艦ウロボロスに戻るだけだ。
「逃がすか!!」
敵の鉄騎士がそう叫び、炎の壁を飛び越えて、こちらに走ってくる。
その鉄騎士もクロネや僕ほどではないが、加速のスキルを持っていたようで一瞬で僕に肉薄する。
剣を抜き、僕に切りかかる。
これは防がないといけない。
僕はとっさに腰の短剣を抜き、剣をはじこうとする。
がくりと鉄騎士が膝を落とした。
炎の壁を越えたダメージが彼女の体力の限界を越えたのだろう。
僕の短剣の切っ先が鉄騎士の首を切り裂く。
頸動脈を切られ、敵兵士は僕にた折れ込む。
僕はその兵士を思わず抱きしめてしまう。
間近でみるその兵士の顔はまだまだ幼いものであった。年のころはノアたちに近いであろう。
首からだらだらと鮮血を流している。
「わ、私は悪魔の子と戦いました。ヴァルハラで待っている……」
その子は僕の腕の中で息絶えた。
なぜだ?
どうして僕は愛するはずの女の子を殺してしまったのだ。
僕は人を殺すためにこの異世界に来たのではない。女の子たちと仲良くなりたかっただけなのに。どうして、教会はこんなかわいい少女を死地に赴かせるのだ?
僕は叫びだしたい気持ちを抑え、聖剣エクスカリバーの能力を解放した。
僕たちの体は光に包まれる。
「逃げるのか卑怯者!!神は貴様ら邪教徒を許さない。次に会ったときはこのマリアガンヌがその首を放てやる!!」
兵団の中にいたひときわ豪華な鎧を装備した大柄な女性がそうさけんだ。
亜麻色の髪をして、左目に黒い眼帯をした女騎士であった。
僕たちは完全に光につつまれた。
次にまぶたを開けたときには戦艦ウロボロスの甲板にいた。
脱出は成功した。
僕の手にはあの女の子を殺した感触と血が残っていた。
僕の目からは勝手に涙が流れていく。
そんな僕をマーリンが抱きしめた。
「辛いときはいっぱい泣いていいのよ」
マーリンはその豊かな胸に僕の顔をおしつける。その柔らかな胸中で僕は思いっきり泣いた。
「僕がお兄ちゃんの罪と思うことを半分せおってあげるよ」
クロネが手を握る。
これが教会と戦うということなのだ。
こんなに胸を切り裂かれるような悲しみを何度も何度も味あわないといけないのだ。
僕は覚悟のたらなさを痛感した。
「我が君……」
アルタイルは心配そうに僕を見る。
リリィもユリコもサラも僕を心配そうに見ている。
大丈夫だよ。すぐに立ち直るから。ほんの少しの間だけ、こうしてマーリンの胸の中で泣かせてほしい。
クリアした功績により魔術師マーリンの好感度が100になりました。
幽界への接続権を獲得しました。
レベルが50に上がりました。
聖剣エクスカリバーの能力が解放されました。
聖剣エクスカリバーの能力は、防御力無効 魔法攻撃半減 体力自動回復弱となります。
称号「魔術師の盟友」「星の搭の主」「王権の守護者」を獲得しました。
視界に文字が浮かび、消えていく。
どうやらこれで依頼は達成できたようだ。
魔術師マーリンとモードレッドをともない、本拠地であるシャーウッドの館に戻るだけだ。
「さあ、それではいきましょうか」
マーリンは立ち上がる。
マーリンの白い手をモードレッドは握っている。
僕たちはエレベーターに向かい、それに乗る。
そして一階に降りる。
エレベーターが開いた瞬間、悲鳴に近い声が頭の中に響いた。
アーサー、速く来て!!
それはヒメノ・ケイからの念話であった。
いったいどうしたのだろうか?
かなり悲痛な叫びに聞こえる。
「お兄ちゃん、とにかく急ごう」
クロネが僕の手をとり、駆け出す。
僕はクロネと共に外にでる。
そのあとをマーリンたちが続く。
搭の外では激しい戦闘が行われていた。
姉さんたちは鉄騎士の集団に取り囲まれていた。
完全に包囲されている。ヒメノ・ケイは鞭をふるい、敵をこれ以上近づけまいと奮戦している。
ユリコは至近距離で矢を何本も放ち、鉄騎士の鎧の隙間に命中させていく。
アルタイルとリリィは背中あわせになり、武器をふるって敵を倒している。
サラはモーニングスターをやたらめったら振り回して、鉄騎士の鎧を破壊する。
皆人並み外れた強者だ。
だが、圧倒的なのは戦力差であった。
視界の地図に見える敵対反応はざっとであるが二百ほどだ。
「アーサー、教会の使徒の強襲を受けたんだ」
手短にヒメノ・ケイは僕に説明した。
それは確かに見たままである。
これはかなりまずいな。
せっかくマーリンを仲間にくわえたのに、ここで教会の兵士たちに殺されたらもともこもない。
「お兄ちゃん、どうやって切り抜ける?」
クロネがきく。
「三十六計逃げるにしかずだよ。聖剣エクスカリバーの能力で戦艦ウロボロスに撤退しよう」
僕はクロネに言った。
ここで教会の兵士たちと死闘を繰り広げてもなんの意味はない。
聖剣エクスカリバーの転移能力を使うには僕を中心に半径十メートル以内に集めないといけない。
「みんな、こっちに来て!!」
僕はそれぞれ戦っている皆に叫ぶ。
彼女らは一斉に僕を見る。それぞれ頷き、僕の方にはしりだす。
まずはじめに僕の元にきたのはユリコだ。
滑りこむようにそばに駆け寄る。
ユリコは振り向き、弓を引き絞り矢を放つ。
矢は見事にヒメノ姉さんに槍を突きつけようとした兵士に命中し、後ろに倒す。
その隙をつき、ヒメノ姉さんは僕の方に駆け寄る。
ヒュッという音をたて、クロネが消える。
加速のスキルを使い、アルタイルとリリィのそばによる。
風魔法で包囲しようとした敵兵士を吹き飛ばす。
リリィとアルタイルも僕のそばに集まる。
僕は両手をかざし、サラに切りかかろうとした兵士との間に炎の壁をつくる。
燃え盛る炎が壁となり、鉄騎士の攻撃を防ぐ。
サラはその間に僕のもとに走ってくる。
これで全員が僕の元に集まった。
あとは聖剣エクスカリバーの力で戦艦ウロボロスに戻るだけだ。
「逃がすか!!」
敵の鉄騎士がそう叫び、炎の壁を飛び越えて、こちらに走ってくる。
その鉄騎士もクロネや僕ほどではないが、加速のスキルを持っていたようで一瞬で僕に肉薄する。
剣を抜き、僕に切りかかる。
これは防がないといけない。
僕はとっさに腰の短剣を抜き、剣をはじこうとする。
がくりと鉄騎士が膝を落とした。
炎の壁を越えたダメージが彼女の体力の限界を越えたのだろう。
僕の短剣の切っ先が鉄騎士の首を切り裂く。
頸動脈を切られ、敵兵士は僕にた折れ込む。
僕はその兵士を思わず抱きしめてしまう。
間近でみるその兵士の顔はまだまだ幼いものであった。年のころはノアたちに近いであろう。
首からだらだらと鮮血を流している。
「わ、私は悪魔の子と戦いました。ヴァルハラで待っている……」
その子は僕の腕の中で息絶えた。
なぜだ?
どうして僕は愛するはずの女の子を殺してしまったのだ。
僕は人を殺すためにこの異世界に来たのではない。女の子たちと仲良くなりたかっただけなのに。どうして、教会はこんなかわいい少女を死地に赴かせるのだ?
僕は叫びだしたい気持ちを抑え、聖剣エクスカリバーの能力を解放した。
僕たちの体は光に包まれる。
「逃げるのか卑怯者!!神は貴様ら邪教徒を許さない。次に会ったときはこのマリアガンヌがその首を放てやる!!」
兵団の中にいたひときわ豪華な鎧を装備した大柄な女性がそうさけんだ。
亜麻色の髪をして、左目に黒い眼帯をした女騎士であった。
僕たちは完全に光につつまれた。
次にまぶたを開けたときには戦艦ウロボロスの甲板にいた。
脱出は成功した。
僕の手にはあの女の子を殺した感触と血が残っていた。
僕の目からは勝手に涙が流れていく。
そんな僕をマーリンが抱きしめた。
「辛いときはいっぱい泣いていいのよ」
マーリンはその豊かな胸に僕の顔をおしつける。その柔らかな胸中で僕は思いっきり泣いた。
「僕がお兄ちゃんの罪と思うことを半分せおってあげるよ」
クロネが手を握る。
これが教会と戦うということなのだ。
こんなに胸を切り裂かれるような悲しみを何度も何度も味あわないといけないのだ。
僕は覚悟のたらなさを痛感した。
「我が君……」
アルタイルは心配そうに僕を見る。
リリィもユリコもサラも僕を心配そうに見ている。
大丈夫だよ。すぐに立ち直るから。ほんの少しの間だけ、こうしてマーリンの胸の中で泣かせてほしい。
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