黒猫を助けたら、貞操逆転男女比1対100万の世界に行けました。女の子といちゃラブしてたらスキルもゲットして英雄王になります。

白鷺雨月

文字の大きさ
上 下
2 / 75

第二話 魔女の返礼

しおりを挟む
 真向かいにいる可愛らしい少女は僕のことをお兄ちゃんとよんだ。僕は妹はおろか兄弟なんていない。両親は中学生のときにふたりとも交通事故でなくなっている。
 正真正銘の天涯孤独である。
 それにこの黒髪の少女は自分のことをクロネと名乗った。
 僕の知るクロネは昨日ひろった黒猫しかいない。

「そうだよ、僕はあの黒猫なのさ」
 にひひっとクロネは微笑む。
「お兄ちゃんにお礼がしたくてさ、この夢幻むげんの世界に招待したのさ」
 クロネはそう言った。

「やあ、こんにちはもしくはこんばんわかな」
 次に聞こえたのはハスキーな女性の声だった。いつのまにかテーブルを挟んでその向こうにむちゃくちゃセクシーな女性がいた。漆黒のつややかな髪をもっており、胸元のざっくりあいたセクシーなブラックドレスをきている。思わず凝視ししてしまうほどの巨乳だった。たぶんだけど西瓜ぐらいあるんじゃないかな。

「アタシはこの子の師匠で魔女のジャック・オー・ランタンさ」
 その巨乳黒髪美女はそういった。
 指をパチンとならすとどっからともなく僕の好物のメロンソーダが目の前に置かれていた。
 試しに飲んでみると甘くて、美味しかった。炭酸のしゅわしゅわ感がたまらない。
 眼の前のクロネはアイスミルクをちょびちょび飲んでいる。
 
「ジャック先生、こちらのかたが僕を助けてくれた朝倉あさくら王太おうたさんだよ」
 クロネはセクシー魔女に僕のことを紹介する。

「ありがとうね、朝倉さん」
 にこりと魔女ジャックは微笑む。
 どこか人を魅了するような優しい笑みだった。初対面なのに僕はこのセクシー魔女にたいする警戒心はゼロになっていた。

「まったく新月の夜は魔力が下がるんだよ。そんな日に真夜中の散歩なんて楽しむから怪我をするんだよ」
 そう言うと魔女ジャックはクロネの頭をくちゃくちゃと撫でた。

「ごめんなさい……」
 本当にすまなさそうにクロネは魔女に謝った。

「さて、それでは本題に入るよ」
 魔女ジャックはその深い胸の谷間からスキットルを取り出し、一口ごくりと飲んだ。ふーと熱い息を吐く。ふんわりと酒の匂いがする。基本的に酒はすきじゃないんだけど、このときは不思議と嫌じゃなかった。

「本題とは……」
 僕は魔女の言葉を繰り返す。

「そう、アタシは弟子を助けてもらったあなたにお礼をしたいのさ。なんだって言ってほしい。一つだけ願いを叶えてあげるよ」
 また魔女ジャックはぐびりとスキットルの中身を口に入れ、ごくりと飲む。上下に動く白い喉元が妖しいほどの色気があった。
 魔女はなんでも願いをかなえてあげるといった。
 ただし一つだけだ。
 一つだけなんでも願いを叶えてあげるといった。
 さて、どんな願いをかなえてもらおうか。
 それは棚からぼた餅的展開にドキドキしていた。
 これは悩む。
 人生逆転のチャンスなのだ。
 ここでミスをしたくない。
 どんな願いがいいだろうか?
 一生かかっても使い切れないお金とかどうだろうか?
 誰にも負けない超能力なんてどうだろうか?
 アメコミヒーローみたいな活躍をしてみたい。
 イケメンになって僕の好きなライトノベルの主人公みたいな人生を送るのもいいな。
 僕は頭を悩ませる。
「異世界にいって女の子にモテまくりたい」
 僕は考えに考えた末、そういった。
 つらすぎる思い出ばかりの現実世界はもうたくさんだ。
 家族も友人もこの現実世界にはいない、しがない社畜童貞だ。
 異世界にいってかわいい女の子や絶世のグラマー美女にちやほやされたい。
 それは男だったら誰しもが思い描く妄想ではないだろうか。
 そんな世界がるのなら、行ってみたい。
 生きづらい現実世界はもうたくさんだ。 
 魔女が連れて行ってくれるなら、望んでそこに行く。

「いいよ、そんな世界に君を送ってがあげるよ」
 ふふんっと魔女ジャック・オー・ランタンは微笑む。
 僕にずいっと手に持っていたスキットルを差し出す。
「その中身を飲むと君は自分が思い描いていたような世界に行ける。念の為きくけど、アタシが願いをかなえるのは一度だけだ。アフターサービスぐらいはつけてあげるけどね。さて、どうする。いまなら願いをかえることもまだ可能だ?」
 目を細めて、魔女ジャックは僕の目を見る。

 僕の心は決まっている。せっかく異世界にいって女の子たちからモテモテになれるというのに断る理由はまったくない。
「僕の気持ちはかわりません。魔女ジャック、僕を異世界に送って下さい」
 そう僕は断言した。
 魔女の手からスキットルを受け取る。

「良い答えだ。じゃあそのニコラ・フラメルの酒を飲み干しな。次に目覚めたら、君が望んだ世界に行ってるよ」
 その言葉のあと、僕はスキットルに口をつける。それを一気に喉に流し込む。
 焼けるような痛みが喉をはしり、胃の中をかけめぐる。
 耐え難い痛みが全身を襲う。
 僕はそれに耐えきれずに意識を失った。


「お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん……」
 それはクロネの声だった。
 まぶたを開けると僕の視界にクロネのかわいい顔がうつしだされる。
 その顔の横に小さい文字が並んでいる。
 クロネ・トリスタン レベル76 職業クラス魔法騎士マジックナイト
 と書かれている。
 次に魔女からの贈り物ギフトが送られましたという文字が続く。
 特技スキル魅了 鑑定 魔眼  模倣を獲得しましたという文字が流れた。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~

トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。 旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。 この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。 こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

貞操観念逆転世界におけるニートの日常

猫丸
恋愛
男女比1:100。 女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。 夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。 ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。 しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく…… 『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』 『ないでしょw』 『ないと思うけど……え、マジ?』 これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。 貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

貞操観念が逆転した世界に転生した俺が全部活の共有マネージャーになるようです

.
恋愛
少子化により男女比が変わって貞操概念が逆転した世界で俺「佐川幸太郎」は通っている高校、東昴女子高等学校で部活共有のマネージャーをする話

処理中です...