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第四話 楽しいデート
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僕たちがまず向かったのはファストファッションのお店であるCUであった。
ミカちゃんが持っている服は今持っている避暑地のお嬢様が着るようなワンピース一枚だけだ。つまり、明日から着る服がないのだ。
「霧人君の服を借りてもいいのよ」
うふふっとミカちゃんは魅力的な笑みを僕に向ける。
たしかに彼シャツなんかはすごく憧れるシュチュエーションではあるが、やはり彼女専用の服は必要だろうと僕は考えた。
ミカちゃんは誰がみても可愛い。それにアニメのキャラのような抜群のプロポーションをしている。ミカちゃんにはいろんな服をぜひきてもらいたい。絶対に全部似合うからだ。でも社畜の僕がだせるお金なんてたかが知れている。そこでこのCUならお財布に優しいというわけだ。
「ねえ、霧人君。これなんかどうかな?」
ミカちゃんは一枚のワンピースを持ってくる。ひまわり柄のけっこう派手目なデザインのものだ。
絶対似合うよ。
「絶対似合うよ」
あれっ心のなかで言ったつもりが声に出っちゃたよ。
「あはっうれしい」
ぼんやりとミカちゃんの体が光る。
これで確定したぞ。ミカちゃんは嬉しくなると体が光るのだ。
人間ならあり得ないが、ミカちゃんは天使なのだ。こんなことがあってもちっとも不思議ではない。
「これなんてどうかな?」
僕はニットのノースリーブのワンピースを持ってくる。
それをミカちゃんに手渡す。
シンプルなデザインだけどミカちゃんならきっと似合うと思う。
美人は得だよね。結局なに着ても似合うのだから。
結局そのお店でワンピースを三着、ポロシャツにТシャツ。ロングのスカートにデニムのパンツ。セットアップのジャケットとパンツ。それにキャミソールや下着を何着かと靴まで買い揃えた。
かなりの荷物になったし出費になったけどまったく後悔はないな。
いくつか試着してもらったけどどれもめちゃくちゃ可愛いのだ。
僕は両手に紙袋を持っていて手をつなげなくなったのでミカちゃんは腕を絡ませてきた。うはっあの巨乳が腕にあたっているよ。このふわふわした感触は本当にたまらないぞ。僕は左腕に全意識を集中させた。
「ねえねえ、霧人君、お腹空かない?」
ミカちゃんは僕に訊く。
たしかに夜勤明けで帰宅してから何も食べてないや。衝撃的なことが起こりすぎて、すっかり忘れていた。
「私、あれ食べてみたい。すごくかわいいの」
ミカちゃんが指さしたのはミセスドーナツであった。
くんくんと鼻をぴくぴくさせている。
「すごくいい匂いがするわね」
「いいね、ドーナツなんて久しぶりだしね」
ということで僕たちはミセスドーナツの店内に入った。
「うわーすごい、いっぱいあるわね。迷っちゃうわ」
ドーナツの陳列棚を見て、ミカちゃんは目を輝かせている。
また体がぼんやりと光っている。
これはわかりやすいぞ。
体光るのは喜んでいる証拠だとすると、もしかするとミカちゃんを喜ばせることによって人間が価値あるものだと認識してもらえるのではないか。これは一つの指標になるかもしれない。
ミカちゃんは褒められるのが好きでドーナツが好きだということが、今の段階でわかっているといことだ。これはメモしておかないといけないな。
ミカちゃんはポンデリングとチョコファッション、エンゼルフレンチを選んだ。それと飲み物はカフェオレであった。すごいな、甘い物と甘い物の組み合わせだ。
僕はランチセットの湯麺を頼んだ。ドーナツを一つつけてもらえるというのでオールドファッションを注文した。飲み物はコーラ。僕はドリンクで一番コーラが好きなんだ。
テーブルに持っていって僕たちはお昼を食べる。
しかし、エンゼルフレンチを食べる天使をこの目でみることができるなんて感慨深いな。
甘いドーナツと甘いカフェオレを飲むミカちゃんの体ははっきりと輝いている。
そうか、ミカちゃんはいわゆるスイーツ系が好物なんだ。スイーツ系天使なんだ。
「とっても美味しいわね、霧人君。あれっほっぺたにドーナツのかけらついてるわよ」
そういうとミカちゃんはためらうことなく指をのばして僕の頬についたドーナツのかけらを食べてしまった。
僕は体の芯から熱くなるのを覚えた。
このデートめちゃくちゃ楽しい。
女の子と買い物してご飯をたべるのがこんなに楽しいだなんて初めて知ったよ。
僕たちはそのあと、シャンプーやボディソープなんかを買い込んだ。
シャンプーは天使の艶髪になると書かれていたものを購入した。
天使が天使がデザインされたシャンプーを使うなんてけっこう面白い。
荷物を後部座席に詰め込み、僕たちは帰宅した。
夜勤明けで天使が家にやってきて、買い物をしてと怒涛の一日で僕はすっかり疲れきってしまっていた。
あまりに疲れ切ったため、夕ご飯はピザを頼んだ。
ピザもミカちゃんは喜んでくれた。
「このピザを発明した人は天才ね。この無限の組み合わせは宇宙の神秘だわ」
とミカちゃんは謎の絶賛をする。
これはもしかしてさっそく終末を回避できるのではないか。
「じゃ、じゃあこんな素晴らしいものを発明した人間を絶滅させるなんてやめようよ」
僕が提案するとミカちゃんは笑顔をやめて、きりっと真剣な顔になった。
これはまずい調子にのって怒らせたかもしれない。いつもの笑顔が消えている。
ミカちゃんを怒らせたら文字通りこの世の破滅なのだ。
「まだまだこの程度では人間を存続させる理由には弱すぎるわね。始めて一日でクリアできるなんて大甘よ」
ぷっと頬をふくらませてミカちゃんは怒っている。
「それに霧人君との生活はまだ始まったばかりよ。君は私に人間の良い所をもっと見せて、私を納得させないといけないんだからね」
めっと言い、ミカちゃんは僕の頬をつねる。
ちょっと痛いけどなんか気持ちいい。
僕は思わずニヤけてしまった。
「なににやけているのよ、変な霧人君。でも今日はありがとうね、とっても楽しかったわ。ほんのちょっとだけ人間を生かしてもいいかなって思ったわ。ほんのちょっとだけだけどね。これはそのご褒美ね」
そう言い、ミカちゃんは綺麗すぎる顔を近づけて、チュッっと僕にキスをした。
危うく僕は昇天しそうになった。
「だめよ、霧人君。まだ天国いっちゃだめよ」
ウインクしてミカちゃんは言った。
ミカちゃんが持っている服は今持っている避暑地のお嬢様が着るようなワンピース一枚だけだ。つまり、明日から着る服がないのだ。
「霧人君の服を借りてもいいのよ」
うふふっとミカちゃんは魅力的な笑みを僕に向ける。
たしかに彼シャツなんかはすごく憧れるシュチュエーションではあるが、やはり彼女専用の服は必要だろうと僕は考えた。
ミカちゃんは誰がみても可愛い。それにアニメのキャラのような抜群のプロポーションをしている。ミカちゃんにはいろんな服をぜひきてもらいたい。絶対に全部似合うからだ。でも社畜の僕がだせるお金なんてたかが知れている。そこでこのCUならお財布に優しいというわけだ。
「ねえ、霧人君。これなんかどうかな?」
ミカちゃんは一枚のワンピースを持ってくる。ひまわり柄のけっこう派手目なデザインのものだ。
絶対似合うよ。
「絶対似合うよ」
あれっ心のなかで言ったつもりが声に出っちゃたよ。
「あはっうれしい」
ぼんやりとミカちゃんの体が光る。
これで確定したぞ。ミカちゃんは嬉しくなると体が光るのだ。
人間ならあり得ないが、ミカちゃんは天使なのだ。こんなことがあってもちっとも不思議ではない。
「これなんてどうかな?」
僕はニットのノースリーブのワンピースを持ってくる。
それをミカちゃんに手渡す。
シンプルなデザインだけどミカちゃんならきっと似合うと思う。
美人は得だよね。結局なに着ても似合うのだから。
結局そのお店でワンピースを三着、ポロシャツにТシャツ。ロングのスカートにデニムのパンツ。セットアップのジャケットとパンツ。それにキャミソールや下着を何着かと靴まで買い揃えた。
かなりの荷物になったし出費になったけどまったく後悔はないな。
いくつか試着してもらったけどどれもめちゃくちゃ可愛いのだ。
僕は両手に紙袋を持っていて手をつなげなくなったのでミカちゃんは腕を絡ませてきた。うはっあの巨乳が腕にあたっているよ。このふわふわした感触は本当にたまらないぞ。僕は左腕に全意識を集中させた。
「ねえねえ、霧人君、お腹空かない?」
ミカちゃんは僕に訊く。
たしかに夜勤明けで帰宅してから何も食べてないや。衝撃的なことが起こりすぎて、すっかり忘れていた。
「私、あれ食べてみたい。すごくかわいいの」
ミカちゃんが指さしたのはミセスドーナツであった。
くんくんと鼻をぴくぴくさせている。
「すごくいい匂いがするわね」
「いいね、ドーナツなんて久しぶりだしね」
ということで僕たちはミセスドーナツの店内に入った。
「うわーすごい、いっぱいあるわね。迷っちゃうわ」
ドーナツの陳列棚を見て、ミカちゃんは目を輝かせている。
また体がぼんやりと光っている。
これはわかりやすいぞ。
体光るのは喜んでいる証拠だとすると、もしかするとミカちゃんを喜ばせることによって人間が価値あるものだと認識してもらえるのではないか。これは一つの指標になるかもしれない。
ミカちゃんは褒められるのが好きでドーナツが好きだということが、今の段階でわかっているといことだ。これはメモしておかないといけないな。
ミカちゃんはポンデリングとチョコファッション、エンゼルフレンチを選んだ。それと飲み物はカフェオレであった。すごいな、甘い物と甘い物の組み合わせだ。
僕はランチセットの湯麺を頼んだ。ドーナツを一つつけてもらえるというのでオールドファッションを注文した。飲み物はコーラ。僕はドリンクで一番コーラが好きなんだ。
テーブルに持っていって僕たちはお昼を食べる。
しかし、エンゼルフレンチを食べる天使をこの目でみることができるなんて感慨深いな。
甘いドーナツと甘いカフェオレを飲むミカちゃんの体ははっきりと輝いている。
そうか、ミカちゃんはいわゆるスイーツ系が好物なんだ。スイーツ系天使なんだ。
「とっても美味しいわね、霧人君。あれっほっぺたにドーナツのかけらついてるわよ」
そういうとミカちゃんはためらうことなく指をのばして僕の頬についたドーナツのかけらを食べてしまった。
僕は体の芯から熱くなるのを覚えた。
このデートめちゃくちゃ楽しい。
女の子と買い物してご飯をたべるのがこんなに楽しいだなんて初めて知ったよ。
僕たちはそのあと、シャンプーやボディソープなんかを買い込んだ。
シャンプーは天使の艶髪になると書かれていたものを購入した。
天使が天使がデザインされたシャンプーを使うなんてけっこう面白い。
荷物を後部座席に詰め込み、僕たちは帰宅した。
夜勤明けで天使が家にやってきて、買い物をしてと怒涛の一日で僕はすっかり疲れきってしまっていた。
あまりに疲れ切ったため、夕ご飯はピザを頼んだ。
ピザもミカちゃんは喜んでくれた。
「このピザを発明した人は天才ね。この無限の組み合わせは宇宙の神秘だわ」
とミカちゃんは謎の絶賛をする。
これはもしかしてさっそく終末を回避できるのではないか。
「じゃ、じゃあこんな素晴らしいものを発明した人間を絶滅させるなんてやめようよ」
僕が提案するとミカちゃんは笑顔をやめて、きりっと真剣な顔になった。
これはまずい調子にのって怒らせたかもしれない。いつもの笑顔が消えている。
ミカちゃんを怒らせたら文字通りこの世の破滅なのだ。
「まだまだこの程度では人間を存続させる理由には弱すぎるわね。始めて一日でクリアできるなんて大甘よ」
ぷっと頬をふくらませてミカちゃんは怒っている。
「それに霧人君との生活はまだ始まったばかりよ。君は私に人間の良い所をもっと見せて、私を納得させないといけないんだからね」
めっと言い、ミカちゃんは僕の頬をつねる。
ちょっと痛いけどなんか気持ちいい。
僕は思わずニヤけてしまった。
「なににやけているのよ、変な霧人君。でも今日はありがとうね、とっても楽しかったわ。ほんのちょっとだけ人間を生かしてもいいかなって思ったわ。ほんのちょっとだけだけどね。これはそのご褒美ね」
そう言い、ミカちゃんは綺麗すぎる顔を近づけて、チュッっと僕にキスをした。
危うく僕は昇天しそうになった。
「だめよ、霧人君。まだ天国いっちゃだめよ」
ウインクしてミカちゃんは言った。
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