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第五話 妹の好物はナポリタン
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四月の初旬、岸野晴美は友永有希子のマンションに来ていた。平日の午前10時すぎのことである。
岸野晴美は吉田和人の妹で、今年三十二歳になる。
旦那は和人の友人の岸野陽一郎であった。
晴美は漫画家である岸野のアシスタントをしている。
良く言えばフリーのクリエイター、悪く言えば何でも屋であった。
この日、晴美は七月のインテックス大阪に出品する写真集のチェックをしてもらいに有希子の部屋にきていた。その写真集はロムで販売する予定だ。
そのロムのパッケージをどの写真にしてもらうかを有希子に決めてもらわないといけない。
「どの真喜子もかわいいわね」
ノートパソコンのモニターを見ながら、有希子はつぶやく。
マウスをクリックし、次々と画像をチェックする。
「私としてはこのバニーガールか女教師がいいかなっって思うわ」
晴美は言った。
「うーん、このライダースーツも捨てがたいわね。峰不二子っぽくていいわね」
有希子の視線は真剣そのものだ。
このロム写真集のモデルは有希子の親友南条真喜子だ。
南条真喜子は関西を中心に活躍するモデルであり、女優でありエッセイストであり、インフルエンサーであった。そんなマルチな活躍をする真喜子を有希子はサポートしていた。
「あー確かにいいわね。真喜子さんの巨乳の形がはっきりわかってね」
晴美もモニターの画像を見る。
南条真喜子さん、確かお兄ちゃんの同級生だから今年で四十五歳よね。
ぜんぜんそうは見えない。
それは隣で一緒にパソコンのモニターを見つめている有希子も同じだし。
二人とも同性の晴美から見て、惚れ惚れするほどの巨乳だ。
今も有希子のおっぱいは机の上で鎮座している。
こんな美人でおっぱいも大きい人が来年お兄ちゃんと結婚するだなんて、今でも信じられない。
「これにしましょうか?」
晴美が有希子に確認する。
「ええ、これにしましょう。夏のインテックス今から楽しみだわ」
にこりと微笑み、有希子はうなづいた。
このあと、二時間ほど晴美と有希子はそのロムにどの写真をいれるかを吟味した。
有希子はうーんと背をのばふ。
晴美はそのぷると揺れる巨乳を見て、はーこれはお兄ちゃん好きになるわと思った。
お兄ちゃん昔から巨乳お姉さんキャラ好きだったものね。
ちなみに晴美はBカップだった。
「ねえ、晴美ちゃんお昼にする?」
有希子が晴美にきく。
「そうね、ロムの編集も一段落したしお昼ご飯にしましょうか」
晴美は賛同した。
「じゃあナポリタンつくりましょうか。晴美ちゃんナポリタン好きでしょう」
「いいわね」
晴美は笑顔で答える。
晴美の好物は有希子の言う通りナポリタンであった。
ナポリタンがイタリア料理ではないと南条真喜子に教えられたときはけっこうショックを受けたものだ。
ナポリタンという料理は兄の和人がよく作ってくれたものだ。
十二歳も年上の和人は晴美が物心ついた頃にはもう大人であった。母親のいない土曜日のお昼ご飯は和人が作ってくれた。
そして和人がよく作ったのが、ナポリタンだった。
晴美がパスタを茹でている間に有希子が食材を手際よく切っていく。
その様子をちらりと晴美は見る。
エプロンが巨乳のためパツパツではないか。本当にけしからん身体をしている。
しかも料理がうまいときたものだ。
まったくラノベヒロインかよと晴美は心のなかで舌打ちする。
有希子のことを話すときの鼻をのばしきった兄の顔が思い出された。
ナポリタンの具はピーマン、玉ねぎ、ウインナーだ。
有希子はフライパンにサラダオイルをひき、具材を炒めていく。
ある程度火がとおとったら、晴美はフライパンに固めに茹でたパスタを投入する。フライパンの中でパスタはちょうどいい固さになるのだ。
「ねえ有希子さんもコスプレしないの?」
晴美は皿を用意しながら訊いた。
こんなにスタイルがいいのだから、コスプレしたらいいのに。
「ええ無理だよ。私みたいなおばさんがコスプレだなんて」
有希子は苦笑する。
美魔女のくせに何を言っているのだと晴美は思った。
「有希子さんスタイルがいいから何やっても似合うよ」
この言葉は晴美の本心だ。
あんなにおっぱいが大きいのだから、いろんなキャラがやれるじゃないか。私なんか貧乳ロリキャラしかできないんだから。
「晴美ちゃんみたいに若かったら、コスプレやってたかもね」
有希子は言い、フライパンにケチャップを入れ、さらに炒める。仕上げにウスターソースをいれるのが晴美の兄がよく作った味つけだ。
ケチャップの焦げるいい匂いがする。
晴美の好きな匂いだ。
有希子は出来上がったナポリタンを皿にわける。
ナポリタンを盛り付けた皿をリビングのテーブルに並べる。
晴美はいただきますと言い、一口食べる。ケチャップの甘酸っぱさが口に広がる。
嫌いだったピーマンもこれで食べられるようになったのよねと彼女は思った。
「やるやらないは別として、有希子さんコスプレすらとしたらどんなキャラしたいですか?」
もぐもぐとパスタを頬張りながら、晴美は有希子に尋ねた。麺類ってこの喉越しがいいのよね。
「うーん、そうね」
有希子は人差し指の頬を顎先にあてながら考える。ぶりっ子の仕草だが、それを自然とやれるのが有希子だ。お兄ちゃんが骨抜きになるはずだわと晴美は思った。
それに幼馴染だというしね。そんなラブコメみたいな話し本当にあるんだね。
「そうね、ロードス島記のディードリットかしら」
そう有希子は答えた。
その答えを聞いて、晴美はパスタをぶっと吹き出してしまった。
「だ、大丈夫晴美ちゃん」
有希子は慌てて晴美にティッシュを渡す。
晴美は鼻からパスタを吹き出してしまったので、ティッシュで鼻をかんだ。
ムチムチエロボディの有希子がスレンダーエルフの代表とも言えるディードリットのコスプレをしたいとは、何の冗談だろうか。
有希子がエルフになったらエロゲーの捕らえられたエルフ姫になるのではないかと晴美は思った。
「私、ロードス島戦記大好きなのよね。小学生のときに和人君と一緒にOVA見たの覚えてるわ。和人君、ロードスの平和は俺が守るってパーンの真似を良くしてたわ」
有希子は思い出し笑いしていた。
晴美は兄の痛い過去を聞かされて恥ずかしい思いをした。
このあと、有希子に晴美はロードス島戦記の魅力について語り聞かされた。
岸野晴美は吉田和人の妹で、今年三十二歳になる。
旦那は和人の友人の岸野陽一郎であった。
晴美は漫画家である岸野のアシスタントをしている。
良く言えばフリーのクリエイター、悪く言えば何でも屋であった。
この日、晴美は七月のインテックス大阪に出品する写真集のチェックをしてもらいに有希子の部屋にきていた。その写真集はロムで販売する予定だ。
そのロムのパッケージをどの写真にしてもらうかを有希子に決めてもらわないといけない。
「どの真喜子もかわいいわね」
ノートパソコンのモニターを見ながら、有希子はつぶやく。
マウスをクリックし、次々と画像をチェックする。
「私としてはこのバニーガールか女教師がいいかなっって思うわ」
晴美は言った。
「うーん、このライダースーツも捨てがたいわね。峰不二子っぽくていいわね」
有希子の視線は真剣そのものだ。
このロム写真集のモデルは有希子の親友南条真喜子だ。
南条真喜子は関西を中心に活躍するモデルであり、女優でありエッセイストであり、インフルエンサーであった。そんなマルチな活躍をする真喜子を有希子はサポートしていた。
「あー確かにいいわね。真喜子さんの巨乳の形がはっきりわかってね」
晴美もモニターの画像を見る。
南条真喜子さん、確かお兄ちゃんの同級生だから今年で四十五歳よね。
ぜんぜんそうは見えない。
それは隣で一緒にパソコンのモニターを見つめている有希子も同じだし。
二人とも同性の晴美から見て、惚れ惚れするほどの巨乳だ。
今も有希子のおっぱいは机の上で鎮座している。
こんな美人でおっぱいも大きい人が来年お兄ちゃんと結婚するだなんて、今でも信じられない。
「これにしましょうか?」
晴美が有希子に確認する。
「ええ、これにしましょう。夏のインテックス今から楽しみだわ」
にこりと微笑み、有希子はうなづいた。
このあと、二時間ほど晴美と有希子はそのロムにどの写真をいれるかを吟味した。
有希子はうーんと背をのばふ。
晴美はそのぷると揺れる巨乳を見て、はーこれはお兄ちゃん好きになるわと思った。
お兄ちゃん昔から巨乳お姉さんキャラ好きだったものね。
ちなみに晴美はBカップだった。
「ねえ、晴美ちゃんお昼にする?」
有希子が晴美にきく。
「そうね、ロムの編集も一段落したしお昼ご飯にしましょうか」
晴美は賛同した。
「じゃあナポリタンつくりましょうか。晴美ちゃんナポリタン好きでしょう」
「いいわね」
晴美は笑顔で答える。
晴美の好物は有希子の言う通りナポリタンであった。
ナポリタンがイタリア料理ではないと南条真喜子に教えられたときはけっこうショックを受けたものだ。
ナポリタンという料理は兄の和人がよく作ってくれたものだ。
十二歳も年上の和人は晴美が物心ついた頃にはもう大人であった。母親のいない土曜日のお昼ご飯は和人が作ってくれた。
そして和人がよく作ったのが、ナポリタンだった。
晴美がパスタを茹でている間に有希子が食材を手際よく切っていく。
その様子をちらりと晴美は見る。
エプロンが巨乳のためパツパツではないか。本当にけしからん身体をしている。
しかも料理がうまいときたものだ。
まったくラノベヒロインかよと晴美は心のなかで舌打ちする。
有希子のことを話すときの鼻をのばしきった兄の顔が思い出された。
ナポリタンの具はピーマン、玉ねぎ、ウインナーだ。
有希子はフライパンにサラダオイルをひき、具材を炒めていく。
ある程度火がとおとったら、晴美はフライパンに固めに茹でたパスタを投入する。フライパンの中でパスタはちょうどいい固さになるのだ。
「ねえ有希子さんもコスプレしないの?」
晴美は皿を用意しながら訊いた。
こんなにスタイルがいいのだから、コスプレしたらいいのに。
「ええ無理だよ。私みたいなおばさんがコスプレだなんて」
有希子は苦笑する。
美魔女のくせに何を言っているのだと晴美は思った。
「有希子さんスタイルがいいから何やっても似合うよ」
この言葉は晴美の本心だ。
あんなにおっぱいが大きいのだから、いろんなキャラがやれるじゃないか。私なんか貧乳ロリキャラしかできないんだから。
「晴美ちゃんみたいに若かったら、コスプレやってたかもね」
有希子は言い、フライパンにケチャップを入れ、さらに炒める。仕上げにウスターソースをいれるのが晴美の兄がよく作った味つけだ。
ケチャップの焦げるいい匂いがする。
晴美の好きな匂いだ。
有希子は出来上がったナポリタンを皿にわける。
ナポリタンを盛り付けた皿をリビングのテーブルに並べる。
晴美はいただきますと言い、一口食べる。ケチャップの甘酸っぱさが口に広がる。
嫌いだったピーマンもこれで食べられるようになったのよねと彼女は思った。
「やるやらないは別として、有希子さんコスプレすらとしたらどんなキャラしたいですか?」
もぐもぐとパスタを頬張りながら、晴美は有希子に尋ねた。麺類ってこの喉越しがいいのよね。
「うーん、そうね」
有希子は人差し指の頬を顎先にあてながら考える。ぶりっ子の仕草だが、それを自然とやれるのが有希子だ。お兄ちゃんが骨抜きになるはずだわと晴美は思った。
それに幼馴染だというしね。そんなラブコメみたいな話し本当にあるんだね。
「そうね、ロードス島記のディードリットかしら」
そう有希子は答えた。
その答えを聞いて、晴美はパスタをぶっと吹き出してしまった。
「だ、大丈夫晴美ちゃん」
有希子は慌てて晴美にティッシュを渡す。
晴美は鼻からパスタを吹き出してしまったので、ティッシュで鼻をかんだ。
ムチムチエロボディの有希子がスレンダーエルフの代表とも言えるディードリットのコスプレをしたいとは、何の冗談だろうか。
有希子がエルフになったらエロゲーの捕らえられたエルフ姫になるのではないかと晴美は思った。
「私、ロードス島戦記大好きなのよね。小学生のときに和人君と一緒にOVA見たの覚えてるわ。和人君、ロードスの平和は俺が守るってパーンの真似を良くしてたわ」
有希子は思い出し笑いしていた。
晴美は兄の痛い過去を聞かされて恥ずかしい思いをした。
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