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しおりを挟む「ぬあぁぁぁぁっ! もー!!」
カァン、と高い音と、何度目か分からない幸の叫び声。
時間が経つほどに学生らしき客が増えていく中、幸は自分に向けられる視線を完全に無いもののように筐体の前で地団駄を踏んだ。
「勝てない! 勝てない! かーてーなーいぃぃぃ!!」
「……幸、そろそろ他のゲームに移りませんか?」
今プレイしているエアホッケーは幸が三連敗中で、この分だと止めない限りまた次の試合を始めようと言い出すだろう。それを口実に一緒にやろうと声を掛ける算段をしている女子グループの声が聞こえているのは俺だけらしく、屈んで取り出し口からパックを取り出した幸は移動を提案した俺に唇を尖らせた。
「そうやってまた勝ち逃げする!」
「大体得意不得意の傾向が掴めたので、次は幸が勝てそうなものを選びますから」
「……なんかそれはそれでヤダ~……」
ぶーたれる幸が打ったパックを見送り、俺のゴールに吸い込まれてカコンと音をさせたのを確認してマレットを手放した。
「あっ、こら、そういうの無し!」
「順番待ちの方がいるんですよ。もう三回もやったんだから良いでしょう?」
タイミングを見計らっていたグループに視線を向けて促すと、幸は夢中で気付いていなかったのか驚いたように後ろを振り返って「待たせた? ごめんね、次どうぞっ」と愛想を振りまきながら俺の方へ寄ってきた。
「もー、そういうのは早く言ってよ」
ぷりぷり怒りながらも次にどこに行くのか目を輝かせる幸に、あっちです、と指差してその場を離れる。
タイミングを逃して狼狽えていた女子グループのうちの一人が果敢にも話し掛けようとしているのかこちらへ進んできたので、それとなく幸を先に歩かせてわざわざ振り返って睨み付けた。
制服姿の女の子は予想外だったのかビクッと怯えた表情で固まる。
割と可愛らしい顔をしているし、これまで袖にされた経験なんて無かったのだろう。俺だって幸と一緒でなければ一緒に遊ぶくらいした筈だ。
女の子の後ろにいる数人へも同じく睨みを効かせると、どの子も一様に萎縮したようだったので踵を返して幸を追い掛けた。
俺が提案した次のゲームは太鼓の音楽ゲームだ。どこのゲームセンターにでも置いてある有名なものだけれど、俺は全くやったことがない。
今日やったスポーツやゲームの傾向を分析するに、幸は目は良いが運動神経はあまり良くないらしい。
ボウリングではかなりの速度が出る割にまっすぐ進まずほとんどガターで、子供用に柵が出てくる機能もあるがと言ったら怒らせてしまった。
トランポリンでは周りで跳ねられると起き上がれなくなって、周りにいた子供たちが面白がって幸を囲むものだから最後は半泣きになっていた。
スリックカートではコーナーを曲がりきれず何度もクッションに衝突し、バブルサッカーをすればやはり転がったまま起きられない。
さっきのエアホッケーに関しては、持ち前の馬鹿力で強打ばかりしてこなければたぶん幸が勝っただろう。何せ俺の得点の九割は幸が打ったパックが俺の自陣で跳ね返って幸のゴールへ入った数だったのだ。
運動神経はアレだが、その割にダーツや卓球は初めてというのが信じられないくらいすぐ上手くなった。
ダーツは意外と重いから初心者は投げて刺されば上出来なのだが、幸は一投目から中心にほど近い辺りに狙って刺した。ビギナーズラックかと思ったが何度か投げさせるうちにどんどん中心に近くなっていったし、卓球は打ち返す方向はてんでバラバラだが必ずラケットに当てていた。
だからおそらく、動体視力はかなり良いのだ。それに合わせて身体を動かすセンスが壊滅的に無いだけで。
確か太鼓のゲームは流れてくる○に合わせてタイミングを合わせて叩けばいいだけらしいし、目が良い幸の方が有利だろう。
先に大きな太鼓の前に着いて流れるプレイビューを眺めていた幸は、早足で追いついた俺を振り返ってニヤと唇を歪めた。
「日高ってああいうことするんだぁ」
「……なんの事です?」
「俺だけじゃなくて日高のこと狙ってた子もいたんだろうに、カワイソー」
すっとぼけてみるが、幸はくっくっと喉を鳴らして笑いながらバチを二本俺へ手渡してくる。
「声掛けられるのを待っていたんですか? 幸が遊びたいというなら今からでも誘ってきますが」
「え、やだ邪魔。お金貰えないのに愛想笑いとかしたくないし」
コン、と太鼓の正面を叩くとゲームスタート画面に切り替わった。二人でプレイするモードを選び、初回なので二人真面目に遊び方の説明動画を見る。
「嫉妬しないタイプだと思ってた」
重さを確かめるようにバチを軽く素振りする幸の呟きに無言を返す。
始めに提示した以上の束縛をしないからそう思ったのだろう。けれど、人にずぶずぶに依存していないと生きられないレベルの人間に嫉妬心が無いはずがない。依存した上に嫉妬由来の束縛までしたらそれこそ誰にも依存させてもらえないから、消去法として一番肝心な依存を残しただけのことだ。
「嫉妬? 女子高生と遊んでいる所を万が一にでも職場の人に見られたら不味いので牽制しただけですが……?」
「え、そうなの? なんだ、そっか」
真顔で嘘を吐くと、幸はすぐに信じて首を傾げた。
ゲームが始まり、交互に曲を選んで遊んだ。
予想通り幸は目が良く、初プレイにして三曲目にはフルコンボしてみせた。ただし、『可』がほとんどで。逆に器用だ。
「あれ? フルコンボなのになんで俺の方が日高よりスコア低いのー?」
俺とのスコアを見比べた幸がぶーたれる。
幸はどんな表情をしていても魅力的だけれど、拗ねた顔は格別に可愛らしい。そう思う理由が『完璧な容姿を崩れさせたのが自分だから』という捻くれた支配欲に起因したものだというのには自分でも呆れるが。
「俺は最初の方で二回ミスしてますけどそれ以降は繋ぎましたし、幸より『良』が多いからだと思いますよ」
スコアの詳細を指差し、九割『可』の幸と九割『良』の俺のとを比べて示す。
「『良』? あの黄色のやついっぱい出せばいいの?」
「そうですね。幸はたぶん、気持ち早めに叩けばちょうど良くなりますよ」
目で見て耳で聞いてタイミングを掴む、そこまでは出来ているから『可』が量産されているのだ。問題はそこからバチを振って叩くまでのタイムラグがあること。
もう一回やりますか、と誘うと幸は後ろを振り返って並ぶ人がいないのを確認してから嬉しそうに頷いた。
さっきは俺が二回曲を選んだので今度は先に幸に選ばせると、コンコンコン、と太鼓の縁を叩いていた彼がふと手を止めた。
十数年前に流行った悲恋の歌だ。歌詞までは覚えていないが、サビの歌い出しだけで曲名が出てくる程度には何度も聴いた。
「これにしますか?」
「ん? ……んー、ううん。これ、夏実さんが好きだったなぁって」
「ナツミ?」
「俺を拾ってくれた人。……俺は別に好きな歌じゃないし、他のにしよ」
なんでもない事のようにまた幸は太鼓の縁を叩いていく。表情は変わらず楽しげなままだ。
横目で観察しつつ、ナツミという女性が幸にとって悪い思い出のある人ではないこと、それから──『飼い主』と呼ばなかったことに違和感を覚えて胸に燻りが生まれる。
幸を拾った女、『ナツミ』。脳内にメモして、厳重に鍵を掛けて奥底へ仕舞う。今ここで追求しても幸が話してくれるとは限らないし、かといって楽しかった思い出なんかを語られても胸糞悪くなるだけだ。わざわざ関係にヒビを入れる必要は無い。
幸がいつか自分から話してくれた時に、『俺は幸の話すことなら全て覚えていますよ』とアピールする為に、その為だけに覚えておく、それだけ。
二回目はタイミングを掴んだ幸の圧勝で、ようやく俺に勝てて溜飲が下がったらしい彼は急に空腹を思い出したのかバチを元の位置に戻してから腹を撫でた。
「ね、日高ー」
「どこかで食べていきますか?」
「ユキトとご飯食べてから帰ってもいい?」
幸が何を食べたいかによってどんな店を提案するか、脳裏に近場の飯屋を挙げながら聞いたら想定外の答えが返ってきて一瞬思考が真っ白になる。
──ユキトと? 俺と遊んだその後で、俺を置いて?
「……分かりました。俺は先に帰ってますので、連絡だけは欠かさずに……」
「うっそー」
「………………は?」
なんとか平然とした声を絞り出したのに、幸はケラケラと笑いながら俺の二の腕にぎゅっと抱き付いてきた。
「っちょ……!」
「ほんとに嫉妬しないのかなー? って思ってさぁ。ごめんね、やなこと言って」
詫び代わりみたいに甘えて媚びてくる至近距離の幸へ顔を向けることが出来ず、自分は今ちゃんと真顔を作れているだろうかと背中に滝のような冷や汗を流しながら剥がそうとするが、抵抗すればするほど幸は俺の二の腕を強く抱き締めてくる。
「だから、俺は別に嫉妬なんて」
「その顔見れば分かるから無駄な嘘吐かないで」
「……っ」
耳に囁くようにされて、耐えきれずカッと頬も耳も熱くなる。赤面は生体反射のようなもので、止めたくても止められないのが悔しい。
「なんて悪趣味な……」
「だからごめんってば~。ね、お詫びにサービスしてるんだから、こっち向いて?」
まるでバカップルのようにくっついてしなだれかかる幸から逃げようとしているのに、彼は笑いながらそんな無理を言う。
「そんなサービスは要らないです。離して下さい。離れて下さい」
「えー、ひどいなー、……本当に嫌なのか、触っちゃおうかな」
「どうぞご自由に。さすがに衆目の場で反応するほど肝が据わってはいませんので」
そろそろ夕飯時という時間で、さっきより周囲には学生の姿が多い。俺と幸のやり取りを遠目に見る彼らの顔には嫌悪の色はなく、ただふざけてじゃれ合っているように見えているんだろう。
わきわき、と揉むように指を動かした幸が触れようとしている先は、膨らむどころか縮み上がっている。
俺がどう思われようが構わないが、幸まで気持ち悪いものとして扱われるのは我慢ならない。おかしいのは俺だけだ。幸は世界で一番美しいのだから、そこいらの凡人に嫌悪される対象になってはいけない。
ゆっくり呼吸を整えて幸を二の腕から引き剥がし、嗜めるようにその両肩に手を置いて首を振る。
「いいですか、幸。俺は女性ではないので、ここで貴方にくっつかれても嬉しくありません」
「オッケー、じゃあ後で、ね」
「……」
説教するつもりで不意打ちを喰らい、帰宅してからのことを一瞬想像してぐっと歯列を噛み締めた。
本当に、この男は……っ。
聞かなかったことにして踵を返し、「そろそろ時間ですね」と入店時に渡されたカードの時刻を確認しながら出口に向かって歩き出す。
「何か食べたい物ありますか?」
「ん~、日高のご飯美味しいから、その辺の店だとお金無駄にした気分になるんだよねぇ」
「気に入って貰えて嬉しいです」
「だから、いっそ日高が作らないジャンキーな感じのやつか、日高が作れないくらい素材にも拘った星付きの高い店」
「極端な二択ですね」
「中間は日高がカバーしてるんだから仕方ないでしょ」
「ジャンキーな方は頑張れば作れるかも」
「いっそ高い店で修行して全部網羅してよ」
くだらない話をしながら店を出ると、空は藍色に染まっていた。
街の明かりがあるから暗くはなく、空気もまだもったりと生ぬるい。
「……冷やし中華食べたいな」
もやつくような鬱陶しさを払拭してくれる冷たいものが食べたくなって呟くと、幸にも聞こえてしまったのか「冷やし中華?」と首を傾げた。
「あ、いえ。そろそろ季節ですし、今度仕事の日の昼にでも食べに行こうかな、と思っただけです。今夜は幸の食べたい物を……」
「冷やし中華~!」
わーい、と両手を挙げてはしゃぐ幸はもう決定の様相で、外食するんじゃなかったのか、と時間を思い出して焦る。今から材料を買って帰って、作って食べて風呂に入って……うーん、いつもより少し就寝時間が遅くなるかもしれないが、明日はどうせ土曜だし、何より幸がその気になってしまったなら仕方ない。
「紅ショウガは要らないからね」
「俺が作るの前提なんですね」
「具材切るくらい手伝うよー。あの細切りの玉子焼きは日高が作って」
「甘めで?」
「うんと甘めで」
ニコニコしながらはしゃぐ幸を横目に、ああ好き、と噛み締める。
わざとらしく甘えられる時よりボディタッチされる時より、こうして無邪気に笑っている時の方がよほど強くそう思う。
ただ笑ってのびのびと生きていてくれれば、それだけで嬉しい。
この先、幸がどんな道を、誰を選ぶとしても、それだけは変わらない。きっと俺は泣くことになるし死にたいと呻くことになるだろうが、幸の行く先を阻んだりはしない。歯噛みし、嗚咽し、恨むだろうが、それでも幸を嫌えはしないだろう。
「ありがとね、日高」
「はい?」
「今日、すごく楽しかった。たぶん、今までで一番、……楽しかった」
幸は俺の数歩先を歩いていて、その表情は見えない。
今日のような何も特別な事をしていない日が楽しかったという幸。もっと楽しいことはいくらでもある。もっと幸せな瞬間もきっと沢山ある。だから、それを得る為に俺ではなくユキトの手を取ると決めたなら、その時は笑顔で送り出してやらなければ。
「俺も、楽しかったです」
幸にとっていつか今日が記憶の底に埋められてしまうものだとしても、俺はきっと、死ぬまでずっと、忘れない。
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