依存の飴玉

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「なぁ、あ、いや、あの筑摩、……さん」
「…………は?」

 帰り支度の最中、坂原が敬語で話し掛けてきて気持ち悪さに思わず鳥肌が立った。
 彼だって、上司や客に対してはそりゃあ、敬語くらい使う。だけれど、それはもっと砕けた雰囲気のもので、こんな風におずおずとお伺いを立てるようなそれじゃない。
 一体何事だ、と周囲の同僚すら仕事の手を止めてこちらの様子を窺っている。

「あの、今お時間よろしいですか」

 え、何、気持ち悪い。
 かしこまった敬語を使ってくるのですら薄気味悪くて怖いけれど、まだ他の人がいるからそれを正直に口には出せない。

「……どうぞ」

 俺のデスクの横で直立の坂原に、他部署の人間すら注視してきているのが見えて、いつもみたいに机に腰掛けてこいよと手で示すのだが彼はそうしてくれない。

「今夜、食事をご一緒して頂けませんか。実は少し、相談したい事がありまして」

 俺が周囲の目を気にしているのを察したのか、坂原は一瞬口元を笑ませてからやけにでかい声で誘ってきた。
 クソ、こいつ意趣返しのつもりか。
 この前食事の誘いを断った理由が態度にあるのならと、今度はわざと慇懃無礼にしてきたらしい。そのうえ、周囲にまだ人の残っている時間なら俺がすげなくあしらえないのを分かっていてわざと注目を浴びるような大声まで出して。
 睨み付けてやりたいのを我慢して営業用の笑顔を浮かべ、けれど思い通りにはさせないぞと肩を竦めてみせた。

「すみません、今日はもう疲れてしまって、まっすぐ帰りたい気分なんです。後日でも構いませんか?」

 やんわり断っているようにみせて、取り付く島は与えない。じゃあいつならいいですか、なんて言ってきてものらりくらりと躱してやるぞと決め込んで申し訳なさそうに見える笑顔を作ると、坂原はバッと頭を下げてきた。

「先日は本当にすみませんでした!!」
「えっ……」
「俺の失礼な態度で傷付けてしまったことは本当に申し訳なく思っています! お願いします、謝罪のチャンスを下さい!」
「……っっっ」

 フロア中に響くような大声に、それまで遠巻きにしていた上司や同僚たちが揉め事かとわらわら集まってくる。

「おい、どうした?」
「い、いえ、あの」
「俺が全面的に悪いんです! お願いします、なんでも奢るんで、どうか許してもらえませんか!」

 くっそ、こいつ──!
 仲裁しようと話し掛けてきた部長になんでもないと誤魔化そうとするのに、坂原は最敬礼したまま続けて叫ぶ。
 真に受けた部長は俺と坂原を交互に見やって、オロオロする俺の肩を「まぁまぁ」と諫めるように軽く叩いた。

「君らの相性が悪いのは見てれば分かるがね、仕事に持ち込まないようにね」
「そんなことは……!」
「でも、坂原がこんなに思い詰めるなんてよっぽどだろう? 筑摩、キミの真面目な所は評価しているけれど、だからって自分より出来る人間を妬んで態度に出すなんていうのはいい大人とは思えないな」
「……っ」

 ふざけるな、と罵倒したかったけれど、ぐっと堪えて拳を握る。
 今の状況には当てはまっていないけれど、部長の言葉は至極もっともだ。自分に非が無いとも言えず、煮えくり返る臓腑はらわたを押し隠して頭を下げた。

「申し訳ありません。気を付けます」
「いえあの、部長、俺が先に筑摩さんに失礼なことを言ったので……」
「お前が失礼なのはいつもだろう、坂原。筑摩みたいに繊細な人もいるんだから、お前ももっと気を付けなさい」
「はい、すみません」

 そろっと顔を上げた坂原は俺の機嫌を窺うような表情で、普段と違う様子に周囲は完全に彼の肩を持つ声を掛けてくる。

「前からちょっと態度気になってたんだよな」
「あからさまに闘志燃やし過ぎっていうか」
「坂原の方は歩み寄ろうとしてんのに、いつまで経っても子供みたいな態度とってんなよ」
「営業成績だって、女受けが良いの利用してなかったら坂原の足下にも及ばないだろ。下駄履いてどうにかなってるだけだっていい加減気付けって」
「……はい」

 ここぞとばかりに追加される俺へのアドバイスという名の駄目出しに、凹んで見えるように視線を落として頷く。
 ここで強がって笑顔なんか浮かべたら反感を買うだけだ。それは明日の朝でいい。
 若くてモテる男の天狗になった鼻っ柱を折ってやったと今は悦に入る彼らは、けれど俺が必要以上に萎縮すると今度はパワハラで訴えられるんじゃないかと不安になる。そんな身勝手な不安を解消する為にまた無駄に絡まれる時間を作るのも馬鹿らしい。
 ここは殊勝に反省を見せ、明日はケロッとしているくらいでちょうどいい。

「あ、いや、筑摩は、筑摩さんは本当に努力してて」
「いーんだよ坂原、たまにはガツンと言ってやらねーと。俺に勝てるわけねーだろ舐めんな! くらい言ってやれって」
「いや、本当にっ」
「……俺からもよく言っておきますんで、このくらいにしてやってくれませんか。筑摩、行くぞ」

 この茶番からどうやって離脱するかと考えていたら、騒ぎの間も腕時計をチラチラ見ながら帰るタイミングを見計らっていた佐藤が助け船を出してくれた。

「はい。皆さん、お騒がせして申し訳ありませんでした。それではお先に失礼します」
「え、あっ、待っ……」

 坂原は俺を引き留めようとしたが、彼の方も部長や先輩たちが「相談なら俺が乗ってやるから」「今日は上がってみんなで飲み行こう」などと言って引き離すように連れて行ったから無事に離脱出来た。
 オフィスを出て、エレベータ前で待ってくれていた佐藤に駆け寄って礼を言う。

「ありがとうございます、佐藤さん。助かりました」

 チン、と鳴って止まったエレベータの扉が開くのに乗り込み、佐藤は当然のように階数ボタンを押して俺へ視線を向けた。
 人間性の面で先輩、と素直に呼べるのはこの人だけだ。
 ボタンを押すのは一番下っ端の仕事だと思い込んで、役職付きでもないくせに先に乗り込んでも後輩がボタンを押すのを待っているような人ではない。ましてや、違う階に降りるくせにそれを言い出さず、降りる階を通り過ぎてから「何階で降りるか聞くことすらしないのか」なんて怒鳴りつける人でもない。

「んー、別に。俺が早く帰りたかっただけだから」

 あのままあそこに居たら飲み行く方に混ぜられてただろうし、とのんびり言った佐藤は、営業の中では珍しく『本物の』愛妻家なのだ。

「双子ちゃんの育児、やっぱり大変ですか?」
「想像以上だよ!」

 彼の子供の話を振ると、佐藤はそれはもう嬉しそうに破顔した。
 ごそごそとジャケットの内ポケットからスマホを取り出し、少し操作してから小さな赤子が二人映った写真を見せてくる。

「これね、奇跡的に同時に寝てくれた時の写真! もう産まれて三ヶ月も経つのに、この時しか一緒に寝てくれたことないんだよ!」
「……マジ? ですか」

 思わず素の話し方で聞き返してしまって、慌てて付け足すと佐藤は面白そうにウンウンと頷いた。

「マジなんだよ。びっくりだろ? 赤ん坊なんてずっと寝ててたまーに起きておっぱい飲むようなイメージだったのに、こいつら全然寝なくてさぁ」
「え、それ大丈夫なんですか?」
「健康的には全然問題ないんだって。病院の先生にも「寝ないのはこの子たちの個性!」って言われたよ」
「あ、いや赤ちゃんもなんですけど、赤ちゃんが寝ないんだったら親はずっと起きてなくちゃならないんじゃないかと……」

 俺には姉しか兄弟がいないから赤ん坊の世話なんてドラマで見るようなふわふわしたイメージしかないけれど、写真に映る小さな赤ん坊たちはとてもじゃないが放っておいても大丈夫な生き物には見えない。
 自分がこんな小さな生き物を育てろと言われたら、目を離した隙に死んだらどうしようと不安で寝られないだろう。
 それも一度に二匹だ。想像するだけでストレスで死にそうだ、と俺が渋面を作ると、佐藤はなんだか柔らかい表情になってから俺の背中を叩いた。

「お前、いいパパになるよ」
「はい?」
「自分が育てるところ想像して『寝られなくて辛そう』って思ったんだろ? 他の奴らはさぁ、嫁の寝かしつけが下手だから大変だな、とか抱き癖ついてんじゃねーのか、ガキなんか放っておきゃそのうち寝るだろ、とか言ってきて……。あいつら、偉そうなこと言うわりに自分でやってないからアドバイスが的外れなんだよな」

 はぁ、とため息をついた佐藤は、また数枚子供たちの写真を俺に見せてからスマホをポケットに仕舞う。

「あ、ちなみにうちの奥さんはちゃんと睡眠とってるぞ。うちの親とあっちの親が交替で昼間来て、その間に寝てもらってる。昼夜逆転してるから辛そうだけど、寝れるだけマシらしい。母親学級で知り合った中には親の手伝い全く無し、旦那が実家に里帰りして赤ん坊と二人きりになってる人もいるんだって」
「うわぁ……」
「その『うわぁ』って気持ち、覚えておけよ。子供出来ると周りのアホ共……や、善意の先輩方からしこたま偏った育児観教え込まれるからな。流されんなよ」
「肝に銘じます」

 俺と付き合って結婚して子供まで産んでくれるような彼女が出来るとは思えないが、神妙に頷いておいた。
 それから、駅まで一緒に歩く道すがら、赤ん坊を起こさないよう静かに掃除する為に小学校以来に雑巾を絞ったとか、紙オムツはメーカーによって得意不得意なウンチの種類があるだとか、他の同僚には話題に出来ないだろう内容の話を聞いた。
 事務や総務の女性たちならそんな話題も抵抗なくしてもらえそうだけど、「うちの奥さん嫌がるだろうから」と満更でも無さそうに俺に話す佐藤に純粋に好意が湧く。
 なんでも、奥さんは子供が出来る前から相当嫉妬深い性格らしい。それを鬱陶しがるのではなく、嬉しそうに話すのを見て少し羨ましくなった。
 いいな。
 俺も、「俺の彼氏、俺に依存しまくりでさ」なんて惚気のろけられたい。
 そんな風に考えて、即座に、いやいやおかしい、と自分に脳内でツッコミを入れる。
 なんで自然に思い浮かべた一人称が『俺』なんだ。今たまたま幸を好きになっているだけで、このままゲイになるつもりは無い。
 そもそも幸に対しても好意は溢れるほどあるが性欲が湧くかと言われれば――……あ、だめだ、考えない方がいいなこれ。
 幸とセックスすることを想像しそうになって慌てて思考を振り払い、改札前で「じゃあまた来週な」と俺とは別の路線に乗る佐藤へ会釈して別れた。
 今日は金曜。
 確か幸が店でやるというライブ配信は明日が初だ。休日に幸が居ないのは寂しいが、幸の違う面も見られる期待の方が大きい。
 初回配信は二時間ほどだと言っていたから、なにかツマミでも買って帰ろうか、と駅構内のコンビニに寄ろうとしていたら、スマホが電話の着信を知らせるようにブルブルと震えた。

「……は?」

 幸かな、とポケットから出したスマホの画面に『坂原 篤生』と表示されていて眉を潜める。思わず口から出た低い声に、たまたま前を通り過ぎようとしていた女性が怯えてこちらへ視線を向けたので「すみません」と小さく謝って足早に壁際へ移動した。
 その間も電話は鳴り続けている。
 掌の中で震えるスマホを睨みつけ、出るべきか無視するべきか悩んだ挙げ句ここは堪えて出るべきだと覚悟を決めてスマホを耳に当てた。

「……はい」
『お疲れ様です、坂原です』

 そんなの分かってんだよ、と舌打ちしそうなのを我慢し、無言を返す。
 さっきあれだけはずかしめておいて、まだなにか文句があるのか。万が一にでも録音されている可能性を考え、罵声だけは我慢しなければと思いながら苛々と唇を噛んだ。

『……あの、坂原です』
「……」
『筑摩さん?』
「……聞こえてます。ご用件は何でしょうか」

 戸惑うような坂原の声にはいつもの覇気はなく、それが逆に苛立ちに拍車をかけてくる。慇懃無礼に聞こえるだろうと分かっていても語気を柔らかくすることは出来ず、冷めたトーンで問い掛けた。

『あの、さっきは申し訳……』
「謝罪は先ほど受け取りました。お話がそれだけでしたら、」
『まっ、待て! 切るな! いや、切らないで下さい!』

 話を終わらせようとした俺に焦ったのか、坂原はいつも通りの言葉遣いに戻ってから、また敬語に戻る。
 どうしてこいつはこんなに必死に食い下がるんだろう、とそろそろ本気で不審に思っていたら、電話の向こうの坂原はやっと本題を切り出してきた。

『お願いします! 一週間だけ、猫、預かってもらえませんか!』
 
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