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33 駆け引き
しおりを挟む「亀ちゃん、そっち向くわよ! 今度こそラストアタック決めなさい!」
「は、はいっ!」
鹿花さんの声と同時に、巨大な木の足元──根っこを足と表現していいのかは謎だけど──に走り込む。
大きく口のように裂けた部分が吸引を始め、2秒しかないそのモーション中にやっと俺が間に合った。
慣れない大剣を頭上に掲げ、勢いのまま振り下ろす。
キャーッという悲鳴のような声の後、ジャララーン! と勝利ジングルが鳴り響いた。
『餅撒樹』が眩い光と共に大量のアイテムとゲーム内マネーをバラ撒きながら消えていくと、周囲からドッと歓声が起こる。
「うはっ、すげー!」
「金っ、お金いっぱーい! ひゃっほー!」
「さすが幸運カンストのラスアタ、アイテム量だけじゃなくレア度もエグいわ」
「やっば! ねえ金ドラ装備の頭が3オプで落ちてんだけど!」
「こっちにプルートいっぱい落ちてるよ~! 島クエ終わってない人は拾っておきな~!」
やっと俺がラストアタックを取れたと安堵して、いつもならこのタイミングで撫でにくる手を期待したのに、俺の側に気配はない。
視線を回せば、ブラパは少し離れたところで他のギルメンとアイテムを拾って喜んでいた。
喜びが半減するのが勿体なくて、しゃがんで足元の金色の卵のようなアイテムを拾う。
アイテム自動回収付きの騎乗ペットの卵。これは高値が付きそうだ。
ドロップしたアイテムは一旦全員で拾ってギルド倉庫に入れてから、ゲーム内マネーは参加したギルメン全員で山分け、アイテムはギルド内オークションになる。
30日から始まった正月イベント『餅撒樹を倒せ!』は、インスタンスダンジョン形式だから身内や知り合いで組んで参加するのにとても適していた。
HPがとんでもなく多い割に攻撃力は低いので、初心者や低レベル帯でも参加し易く、しかも一撃毎にアイテムを落とすのでむしろ攻撃力の低い初心者がいた方がドロップ数が多くなる。
しかし上級者がいないと倒すのに時間がかかってしまうので、初心者ばかりでもいけない。
良バランスのイベントだ。
当初俺は不参加のつもりだったのだけど、ラストアタックを幸運値が高いプレイヤーが取るとドロップが多くなるという掲示板の噂を検証しようとなって、生産で幸運値がカンストしていた俺が駆り出された。
冒険レベルも低く大剣を持つのも初めての俺はボスの前に出るとすぐ死ぬので、後ろで隠れて弓を撃って、あと一撃という所まで削ってもらってから絶対に途中で攻撃の変わらないモーションに入った時に飛び出してラストアタックを取る、という方法で挑戦していた。
やっと成功したのが、31日の夜22時の、まさに今。
さっきからずっとアラーム鳥が鳴きっぱなしだけれど、大晦日の朝帰りくらい、両親も心配なぞしないだろう。
「どれでも好きなの1個持っていっていいわよ」
「え」
ドロップアイテムはそのままにしておくと時間で消えてしまうので、アイテム自動回収の付いたペットなどを持っていない俺はせっせと手で拾っていた。
その後ろから鹿花さんに話しかけられ、特別扱いするなんて珍しい、とそっちを向いた。
「幸運カンストなんて滅多にいないもの。掲示板で見たスクショの平均ドロップ量の倍はあるわよ、これ」
「エクレア地獄だった過去の俺が報われますね」
「エクレアで上げたの!?」
「はい」
あれはロキワに来てすぐの頃だった。
まだ自分で1からモデリングなんて出来なくて、既存アイテムを改造するのが関の山だった高校生の俺は、まずその改造元になるアイテムを自分で作らなければならなかった。
色々なアイテムを作るには生産レベルを上げる必要があり、生産レベルを上げる為には食べ物アイテムを生産するのが一番コスパが良いと掲示板で見た。
材料の取得方法が主にフィールドでの収集で済み、ゲーム内マネーがかからない。そして食べ物アイテムはインベントリの中で99個までスタック出来るから。
けれど、それが罠だった。
ステータスを上げる系の食べ物アイテムはスタック出来ない、というのを、初心者の俺は知らなかったのだ。
結果、1個食べる毎に幸運+1のエクレア999個を自動生産にしてしまい、インベントリどころかまだ狭かったマイルームがエクレアで埋め尽くされてしまって、しばらくの間エクレアを食べ続ける刑が続いたのだ。
今考えればオークションやバザーで売れば良かったのだけど、まだその機能すら知らなかったから……。
「アンタ、本当に軽率なコね」
「はは……」
呆れたとばかりに大袈裟に天を仰ぐ仕草をする鹿花さんを苦笑で受け流せば、自動収集が無いらしい彼も手でアイテムを拾いながら俺の横へ近付いてきた。
「で、軽率にブラパとオフして、好みじゃなかったからフッたの?」
「………………へっ?」
言われた内容があまりに予想外で、何度か反芻してやっと意味を繋げられて反応が遅れた俺を、鹿花さんは軽蔑するような横目で見てくる。
「ち、違います。そんなことないです」
「無いですって、何が? オフなんかしてないって?」
「え、ぉ、オフは……したんですけど、その……」
現実で会ったと鹿花さんに伝えたのはブラパ本人だろう。
他の人にそれがバレた様子は無いから、話したのはおそらく鹿花さんにだけ。
なのにどうしてか鹿花さんは変な誤解をしているらしい。
「フラれたのは俺の方です……」
視線を廻し、ブラパが声の聞こえない遠くに居ると確認してから小声で言った。
そう、フラれたのは俺。現実でも、VRでも。
向こうで会ったのが27日。
28日にまた顔を合わせて、けれどその日以降ずっと、ブラパは俺の傍に寄ってこなくなってしまった。
うちの大学もやっと遅い冬休みに入って、これから2月までは気兼ねなく毎日イン出来ると喜んだ矢先のこれで、少しだけ落ち込んでいる。
別に、冷たい態度を取られるとか邪険にされるとか、そういう事はない。
インして挨拶に行けばいつも通り返されるし、チムコロの練習もいつも通り。雑談で俺だけ省かれることもないし、みんなで話している間の態度は本当にこれまで通りだ。
……ただ、寄ってこないだけ。
インすれば呼ばなくても寄ってきて鬱陶しいほど俺に構い倒してベッタリ張り付いていたブラパが、それをしなくなっただけ。
「現実の俺とアバターのガワが釣り合ってなかったんでしょうね」
肩を竦めると、鹿花さんの半信半疑の視線が刺さる。
「ブラパもそう言ってたでしょう?」
「……予想と全然違った、とは言ってたわねぇ」
「あはは。ですよね。鹿花さんの作ったこのアバター見慣れてたから、地味ブス来てガッカリでしたよね、きっと」
水を向ければ鹿花さんは俺から視線を逸らしてくれて、けれど俺の自虐を聞くと目を釣り上げて睨んできた。
「アイツがそんな事気にするわけないでしょ。アンタがアイツに嫌われたってんなら、それは外見じゃなくて中身よぉ」
「……」
さすが鹿花さん、的確に俺の急所を刺す。
一瞬で泣かされそうになってグッと唇を噛んで俯くと、はあ~、と長いため息を吐かれた。
「外見コンプあるのはアンタだけじゃないのよ」
相変わらず毒々しい声色の中に、諭すような柔らかいトーンが混じっている気がして恐る恐る鹿花さんの胸元まで目を上げた。
鹿花さんは作業的にアイテムをインベントリに投げ入れながら、「臆病者同士だと見てるこっちがイライラするわぁ」と吐き捨てる。
「……」
「……」
臆病者……同士?
その言葉が引っ掛かってアイテムを拾う手を止め、それが俺とブラパを指していると気付くまで少し時間が掛かった。
「……ブラパも……気にしてる、ってことですか……?」
小声で聞けば、鹿花さんは呆れを通り越してドン引きしたような表情で俺からじわりと距離を取る。
「察しの悪い子だとは思ってたけど……1から10まで全部言ってあげないと分からないの?」
「す、すいません」
だって、ブラパが、あの自己肯定感カンストしてそうなブラパが外見程度にコンプレックスを抱いてるなんて思わなくないか?
と言いたい所だけど、言ったらそろそろ引っ叩かれそうなので黙っておく。
ただ、思い返してみれば会う前の晩に話した時、やたら自分を『デブでブス』と繰り返し言っていたような気がする。
あれは会った時に驚かないように、という意味での予防線だと思っていたのだけど──確かに何の予告もなくあの大きさの人が来たら驚いていたと思う──自分の外見に自信が無かったのだろうか。
…………ブラパが???
「う~ん……」
現実とVR、どちらのブラパとも親しいらしい鹿花さんが言うなら本当なのだろうが、いまいち納得がいかない。
ファーストインプレッション時に不安そうな表情や態度は無かったような気がする。
自分の外見が悪目立ちすることは理解していそうだったけれど、それを理由に俺に嫌われるとは思っていなそうな──とまで考えてから、ブラパには約束をすっぽかされた過去があるらしいのを思い出した。
そうだ、たぶんブラパは自分の外見を別に嫌っていない。
けど、他人から見た自分が『怖そうに見える』ことは分かっていて、そしてそれが理由で敬遠されることを怖がっている。
これなら納得がいく。
という事は、今ブラパが俺をやんわり避けているのは……。
「……なんでだ……?」
会う前の不安は分かった。
けれどもう、俺とは会った後だ。
今さら何を怖がることもブラパには無いと思うのだけど。
首を捻り、やっぱり理解出来ませんでしたと鹿花さんを見ると、彼はパチパチと何度か目を瞬かせ、顎を撫でた。
その仕草がブラパみたいで、長く仲が良いと癖まで似るのかな、とほんの少し妬ましい。
「これは……あるわねぇ」
「……ある?」
「ううん、こっちのハナシ。……優しいお兄さんが教えてあげる。今ブラパがアンタに寄り付かないのはね、現実の外見を知っちゃったアンタに拒否られたくないからよ」
何があるのか訊いたが流され、鹿花さんはブラパについての話に切り替える。
「ブラパを拒否? どうしてですか?」
「だから、あっちでの外見を知ってるから。正直に言ってみなさい。どうだった?」
「どう、と言われても……」
確かに大きかったし、顔も怖かった。
けれどそれが何だって言うんだろう。
鹿花さんの話が本当ならブラパが今感じている不安はまったく微塵も心配無いものの筈だ。
「アイツに言ったりしないから。ほら、待ち合わせ場所でアイツを初めて見た時の感想! はい!」
「えっ、えー? ……わーブラパだー本当にでっかいなー、……です」
真剣なトーンではなく茶化すように答えを急かされ、慌てて答えたので何も繕えず馬鹿みたいに幼稚な感想が飛び出して恥ずかしくなる。
鹿花さんはそれを聞いて眉間に皺を寄せ、けれど口角は上がったままだから気分を害してはいないんだろう。
「それで?」
「それで、と言われても……」
「その後は? どうだったのよぉ。一緒に居て、話して、どう思ったの?」
「いや、だから別に、ブラパだなぁ、としか……中身がブラパだから、別に怖いけど怖くなかったですし……」
「怖いのか怖くないのかどっちよ」
「顔は怖いけどブラパだから怖くないって感じで……あ、でもVRのブラパもたまに怖いんで、向こうだから怖いって訳でもないです」
どっちみちブラパは怖いです、と答えると何故か鹿花さんは噴き出して、うふふふと含み笑いで俺の背中をバシバシ叩いた。
「亀ちゃん。今すぐブラパと仲直りする方法を教えてあげるって言ったら、やる?」
そりゃあ、と思って鹿花さんを見たけれど、明らかに良くないことを企んでいそうな表情を見て本能的に即答が出ない。
「な、何をすればいいんですか……?」
「ダメよ。絶対、その通りにする、って約束しないと教えてあげなぁい」
「……」
どう考えても怪しい。
細くした目を孤に曲げた鹿花さんは、けれどどれだけ迷おうが俺の答えは分かっているみたいにこういう時だけ答えを急かしてこないのだ。
「……本当に、ブラパが元通りになってくれるなら……」
渋々頷けば、鹿花さんは「ならない訳がないわ」と自信満々で太鼓判を押し、俺に耳打ちしてくる。
「今すぐ走ってってアイツに抱きつきなさぁい」
走って、抱きつく?
「……それだけですか?」
「今すぐって言ったでしょ、ほら、行く!」
「えぇー……」
絶対言う通りに、というからには何かもっと具体的で複雑な行動かと思ったのに、下されたのは単純過ぎる命令で、しかもそれがどうブラパに働くのか分からない。
けしかけられて慌ててブラパを探して小走りで移動を始めるけれど、抱きつかれて消える程度の不安でブラパが俺に寄ってこないなんて事、あるだろうか。
ないよなー、と思いつつも、鹿花さんと約束した手前、見える位置でやっておかないと煩いだろうから、そのまま座っているブラパの背中にタックルするみたいに飛びついた。
「っ、誰だおい……」
叱るみたいに首だけ振り返ったブラパに、「俺です」と言うと、ブラパはそのままの姿勢で固まった。
ペットの自動収集にアイテム回収を任せていたブラパはどうやら座って3人ほどの人と話していたようで、周りの人から挨拶されて俺も会釈する。
「こんばんわー、亀くん」
「ちわーす。ラスアタありがとねー」
「いえいえ、こちらこそ慣れてなくて……2日も掛かっちゃってすいませんでした」
「いーのいーの。初心者育成は俺らの仕事みたいなもんだし。今度レベラゲがてらフィールドボスも一緒に行こうよ」
「いや、それは……また迷惑かけちゃいそうですし……」
「そんな気負わなくて大丈夫だよ。亀くんはレベル低いだけで、指示もよく通るし動き悪くないし、何より素直だし。こいつが初心者だった頃なんてさぁ……」
「あっ、それは言うなって何度も言ってるのに!」
どうやら彼らはフィールドでの冒険を主にしているプレイヤーのようだ。
ちゃんと喋ったのは初めてだけれど、顔はギルドルームでよく見る。
ブラパはコロシアムしかしていないように見えて、コロシアムをやらないギルメンともよく話している。
根っから人好きなんだろう。
ぶっきらぼうだけれど、面倒見が良いというか……。
だから俺のような奴でも構っていたんだな、と内心で自虐していると、急にブラパが立ち上がった。
ブラパの首に腕を巻き付かせるように抱きついたままだったから、急に足先が浮いて「わっ」と驚いた。
「な、なんですか急にっ」
立ち上がるなら先にそう言って、と腕を緩めた瞬間、今度は視界がぐるりと回る。
襟元を掴んで投げられたのだと気付き咄嗟に受け身を取ろうと体を丸めれば、ぼすっと収まったのはブラパの腕の中だった。
「……? ぶ、ブラパ……?」
「……」
「ひっ」
膝に乗せたいにしてもやり方が乱暴過ぎるだろうと睨もうと視線を上げたら、すでにブラパから睨まれていて小さく悲鳴を上げてしまう。
え、待って待って。抱きついただけでこんなに怒られるなんて聞いてない。
鹿花さんからは仲直りする方法だと聞いていたのに、と涙目で鹿花さんの方を見ようとすれば、急に目の前が暗くなった。
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