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第二話 裁判
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長い廊下を歩いていくと、広い空間に出た。
正面には、三人の女の人が机の向こうから俺を見下ろしている。
左右にも女性が各一人づつおり、彼女たちの席も少し高く、俺を見下ろしている。左右には階段があり、彼女たちのところへ行こうと思えば行けそうだ。
机の前は板で仕切られており、残念ながらパンツは見えない。
俺はその空間の中央に連れられ、腰ほどの高さ、扇状になっているの木製の塀の内側で待機した。
その空間は刑事ドラマでよく見る裁判所そのものだった。唯一の違いは裁判を観覧する傍聴席がないことだ。
これから本当に裁判にかけられるんだな、と改めて実感した。
バンバンバン
中央の人物が、木槌を叩く。おそらく彼女が裁判長だろう。
チラッと後ろを振り向くと、俺を連れてきた警察官の二人は入り口の両扉の左右に待機している。
「それではこれから裁判を始める。みなさま準備はよろしいか?」
俺以外の全員が頷いた。
俺..まだ準備できてないんだけど…
「それでは、早速ですが、判決を言い渡す」
え?ちょ、ちょっと待って。いきなり判決?まだ、審議とか問答とか全然やってないんですけど。
「判決は…死刑」
「は?はーーーー!?」
怒涛の展開すぎて思わず声が出た。
「「「「異議なし」」」」
全員がそろえて口をする。
「汚らわしい男など、即刻処刑するべきです」
「そうです。この世のありとあらゆる拷問をかけて処刑するべきです」
裁判長の左右に鎮座する二人が答えた。
全員の俺を見下す眼差しに俺は察した。
も、もしかして、ここにいる女、いやこの世界にいる女、全員男嫌いなのか…
「裁判長!一つだけ申し上げても?」
右側の女が手をあげて、申し出た。
日本では右側が弁護側、左が検察(警察側)だが、この世界もおそらく同じだろう。弁護人である彼女は俺をなんとか助けてくれるはず。
あぁ~、そう思うと彼女がまるで天使に見える。
「良い。申せ」
「彼が『男』であることにまだ疑いの余地があります。確かに、見た目は唾を吐きつけたくなる顔をしており、体もゴツゴツしており、男の特徴と一致します。しかし、今一つ決定力に欠けます」
「何が言いたい?」
「女にはついていないモノ、そして男に必ずついているモノがあります。それを確認するまでは、判決を言い渡すのは早いのではないでしょうか」
「なるほど、言いたいことはわかった」
沈黙が流れた。
あれ?理解していないのは俺だけ?
「よし。お前、今すぐパンツを脱げ」
「え、えぇ!そそ、そんな無理ですよ!い、いくら俺が一日31回オナニーする変態であっても、出会ってすぐ、それにこんな大勢の女の子の前でパンツなんか脱げません!」
また俺の評価が下がる音がした。
「裁判長、パンツを脱がなくても、確かめる方法が一つあります。試してみてもよろしいでしょうか?」
「ほう、やってみろ」
弁護士が階段を降り、俺の横に立つ。
「おい。こっちを向いて手を頭にくめ」
「え?なんでですか?」
「いいから早くしろ。死にたいのか?」
「わ、わかりました」
俺は頭の後ろ側で両手を組んだ。
「もっと足を広げろ」
「え?こ、こうですか?」
「そうだ」
彼女の右足が後ろに動いた。
瞬間。彼女が右足を蹴り上げ、俺の股間にめり込ませた。
「ぐ、ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁ」
「どうでしょう。裁判長」
「確かに男だ」
こ、この女…い、いつか襲ってやる
このままではヤバイ。この女も敵だ。まじで殺されてしまう。
な、なんとか、なんとかしないと。
「フーッフーッフーッ」
俺は息を整え、渾身の力で裁判長に向かって叫んだ。
「ま、待ってくれ、いくら何でも横暴だ!いきなり手続きもへったくれもない裁判でいきなり死刑だなんて!しかも、こんなやり方で!」
「男に拒否権はない」
「そ、そんな~」
最後にふるった力が抜け、床にへばってしまった。
終わった、そう思った瞬間。
「だがまー、お前のいう事はもっともだろう。死刑は確かにやりすぎた」
俺の顔にたちまち笑顔が戻った。
「それではどっちが良い?」
「え?」
「チ○コを切るか、我々の奴隷になるか」
俺の顔から笑顔が消え、血の気が引くのがわかる。
———
裁判が終わった後、部屋に入れられた。
辺りを見渡すと、扉は一つ、窓には鉄格子、部屋の脇には堅そうなベッドが置いてある。
そう、牢屋だ。
俺は自分のナニを切るか、奴隷になるか二択を選ばされた。
もちろん俺は『奴隷』を選んだ。
生まれてからずっと一緒にいる相棒をやすやすと手放すわけにはいかない。例え使ってないとしても。
「はぁー、俺どうなっちゃうんだろう」
膝を抱え、壁にもたれ掛かってため息をついた。
すると、外の廊下からコツコツコツと足音が聞こえてきた。
カチャ
誰かが鍵を回し、扉の鍵の開く音が聞こえた。
キィーと音を鳴らし、扉が開く。
扉の前には、長髪の女性が立っている。
この世界で最初に出会った警察官の女性だ。
「大丈夫?助けにきたわ」
「?」
そう言って彼女は俺の後ろの手錠を外してくれた。
「ごめんね。さっきは同僚もいたからあなたを連れていくしかなかったの」
「うっ、うっ」
俺は泣きそうになった、いや泣いてしまった。
ついつい彼女に抱きついて胸の中に顔をうずめる。
「よしよし~怖かったね~もう大丈夫よ~」
お姉さんに頭を撫でられ、ここは天国か、と一瞬思ってしまったが、彼女の一言ですぐに現実に押し戻される。
「まずはここから逃げましょ。ここから少しの場所に私のマンションがあるから、まずはそこへ」
「わ、わかりました」
「それと、これ持ってきたからこれに着替えて」
そう言って渡されたのは婦人警官の制服。
「えーと…これを着るんですか?」
「そうよ。ここには男用の警官服はないからこれを着て頂戴。あなたのその服装は目立つから」
男がこれを着たら違う意味で目立つ気がするが、しょうがない。着るしかないか…
「あ、あの~」
「何?」
「その~向こう向いてもらってもいいですか?」
「え?なんでよ?」
「そのー、女性の前で着替えるのはちょっと恥ずかしいので」
「別は私はきにしないわよ」
「俺が気にするんです…」
しょうがないわね、と言いながら彼女は渋々背を向ける。むしろ見たかったのか?と疑問に思いながら、警官服に着替えた。
少しきついが、なんとか着れなくはない。少し股下がスースーして、何かに目覚めそうだ。
「着替えたわねいきましょ」
「はい」
俺が着替え終わった後にタイミングよく声をかけられた。
「いい?こういうのは堂々としていればバレないの。だから、もじもじしないで堂々と出ていくのよ」
「わ、わかりました」
彼女が前をいき、その後ろを俺がついていく。確かに彼女のいう通り、堂々としていれば案外バレない。
よしもう少しで出口だ。
「あーずさ」
「わ!」
俺の間をぬって一人の女性警官が、彼女のそれぞれ肩に両手をかけた。
「み、みずき!」
彼女も見たことがある、俺がこの世界に来た時あずささんと一緒にいた…同僚の人だ。
「どこいくのあずさー。お昼まだだよね。一緒に食べよーよ」
「ご、ごめん。ちょっと用事があって…」
「用事?」
「そう、今日配属された新人の研修があって…」
「新人の研修?そんなのあったっけ」
「きゅ、急に部長に言われてね!その時私しかいなかったから頼まれちゃったの!」
「ふ~ん。新人ってこの子?」
短髪の女性が俺の顔をジロジロ。
ヤ、ヤバイ…どうする。もう出口はすぐそこなんだ。一気に突っ走ってしまうか?
「あずさ」
「な、何?」
彼女があずささんに振り向いた。よ、良かった。なんとかバレていないみたいだ。
「なんで、彼女。靴履いてないの?」
し、しまった!俺が死んだ時は部屋の中!
つまり、靴下!この世界に来たときにそのまま牢屋へ入れられてしまったから靴下のままだった!くそ!ここまで来て!
正面には、三人の女の人が机の向こうから俺を見下ろしている。
左右にも女性が各一人づつおり、彼女たちの席も少し高く、俺を見下ろしている。左右には階段があり、彼女たちのところへ行こうと思えば行けそうだ。
机の前は板で仕切られており、残念ながらパンツは見えない。
俺はその空間の中央に連れられ、腰ほどの高さ、扇状になっているの木製の塀の内側で待機した。
その空間は刑事ドラマでよく見る裁判所そのものだった。唯一の違いは裁判を観覧する傍聴席がないことだ。
これから本当に裁判にかけられるんだな、と改めて実感した。
バンバンバン
中央の人物が、木槌を叩く。おそらく彼女が裁判長だろう。
チラッと後ろを振り向くと、俺を連れてきた警察官の二人は入り口の両扉の左右に待機している。
「それではこれから裁判を始める。みなさま準備はよろしいか?」
俺以外の全員が頷いた。
俺..まだ準備できてないんだけど…
「それでは、早速ですが、判決を言い渡す」
え?ちょ、ちょっと待って。いきなり判決?まだ、審議とか問答とか全然やってないんですけど。
「判決は…死刑」
「は?はーーーー!?」
怒涛の展開すぎて思わず声が出た。
「「「「異議なし」」」」
全員がそろえて口をする。
「汚らわしい男など、即刻処刑するべきです」
「そうです。この世のありとあらゆる拷問をかけて処刑するべきです」
裁判長の左右に鎮座する二人が答えた。
全員の俺を見下す眼差しに俺は察した。
も、もしかして、ここにいる女、いやこの世界にいる女、全員男嫌いなのか…
「裁判長!一つだけ申し上げても?」
右側の女が手をあげて、申し出た。
日本では右側が弁護側、左が検察(警察側)だが、この世界もおそらく同じだろう。弁護人である彼女は俺をなんとか助けてくれるはず。
あぁ~、そう思うと彼女がまるで天使に見える。
「良い。申せ」
「彼が『男』であることにまだ疑いの余地があります。確かに、見た目は唾を吐きつけたくなる顔をしており、体もゴツゴツしており、男の特徴と一致します。しかし、今一つ決定力に欠けます」
「何が言いたい?」
「女にはついていないモノ、そして男に必ずついているモノがあります。それを確認するまでは、判決を言い渡すのは早いのではないでしょうか」
「なるほど、言いたいことはわかった」
沈黙が流れた。
あれ?理解していないのは俺だけ?
「よし。お前、今すぐパンツを脱げ」
「え、えぇ!そそ、そんな無理ですよ!い、いくら俺が一日31回オナニーする変態であっても、出会ってすぐ、それにこんな大勢の女の子の前でパンツなんか脱げません!」
また俺の評価が下がる音がした。
「裁判長、パンツを脱がなくても、確かめる方法が一つあります。試してみてもよろしいでしょうか?」
「ほう、やってみろ」
弁護士が階段を降り、俺の横に立つ。
「おい。こっちを向いて手を頭にくめ」
「え?なんでですか?」
「いいから早くしろ。死にたいのか?」
「わ、わかりました」
俺は頭の後ろ側で両手を組んだ。
「もっと足を広げろ」
「え?こ、こうですか?」
「そうだ」
彼女の右足が後ろに動いた。
瞬間。彼女が右足を蹴り上げ、俺の股間にめり込ませた。
「ぐ、ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁ」
「どうでしょう。裁判長」
「確かに男だ」
こ、この女…い、いつか襲ってやる
このままではヤバイ。この女も敵だ。まじで殺されてしまう。
な、なんとか、なんとかしないと。
「フーッフーッフーッ」
俺は息を整え、渾身の力で裁判長に向かって叫んだ。
「ま、待ってくれ、いくら何でも横暴だ!いきなり手続きもへったくれもない裁判でいきなり死刑だなんて!しかも、こんなやり方で!」
「男に拒否権はない」
「そ、そんな~」
最後にふるった力が抜け、床にへばってしまった。
終わった、そう思った瞬間。
「だがまー、お前のいう事はもっともだろう。死刑は確かにやりすぎた」
俺の顔にたちまち笑顔が戻った。
「それではどっちが良い?」
「え?」
「チ○コを切るか、我々の奴隷になるか」
俺の顔から笑顔が消え、血の気が引くのがわかる。
———
裁判が終わった後、部屋に入れられた。
辺りを見渡すと、扉は一つ、窓には鉄格子、部屋の脇には堅そうなベッドが置いてある。
そう、牢屋だ。
俺は自分のナニを切るか、奴隷になるか二択を選ばされた。
もちろん俺は『奴隷』を選んだ。
生まれてからずっと一緒にいる相棒をやすやすと手放すわけにはいかない。例え使ってないとしても。
「はぁー、俺どうなっちゃうんだろう」
膝を抱え、壁にもたれ掛かってため息をついた。
すると、外の廊下からコツコツコツと足音が聞こえてきた。
カチャ
誰かが鍵を回し、扉の鍵の開く音が聞こえた。
キィーと音を鳴らし、扉が開く。
扉の前には、長髪の女性が立っている。
この世界で最初に出会った警察官の女性だ。
「大丈夫?助けにきたわ」
「?」
そう言って彼女は俺の後ろの手錠を外してくれた。
「ごめんね。さっきは同僚もいたからあなたを連れていくしかなかったの」
「うっ、うっ」
俺は泣きそうになった、いや泣いてしまった。
ついつい彼女に抱きついて胸の中に顔をうずめる。
「よしよし~怖かったね~もう大丈夫よ~」
お姉さんに頭を撫でられ、ここは天国か、と一瞬思ってしまったが、彼女の一言ですぐに現実に押し戻される。
「まずはここから逃げましょ。ここから少しの場所に私のマンションがあるから、まずはそこへ」
「わ、わかりました」
「それと、これ持ってきたからこれに着替えて」
そう言って渡されたのは婦人警官の制服。
「えーと…これを着るんですか?」
「そうよ。ここには男用の警官服はないからこれを着て頂戴。あなたのその服装は目立つから」
男がこれを着たら違う意味で目立つ気がするが、しょうがない。着るしかないか…
「あ、あの~」
「何?」
「その~向こう向いてもらってもいいですか?」
「え?なんでよ?」
「そのー、女性の前で着替えるのはちょっと恥ずかしいので」
「別は私はきにしないわよ」
「俺が気にするんです…」
しょうがないわね、と言いながら彼女は渋々背を向ける。むしろ見たかったのか?と疑問に思いながら、警官服に着替えた。
少しきついが、なんとか着れなくはない。少し股下がスースーして、何かに目覚めそうだ。
「着替えたわねいきましょ」
「はい」
俺が着替え終わった後にタイミングよく声をかけられた。
「いい?こういうのは堂々としていればバレないの。だから、もじもじしないで堂々と出ていくのよ」
「わ、わかりました」
彼女が前をいき、その後ろを俺がついていく。確かに彼女のいう通り、堂々としていれば案外バレない。
よしもう少しで出口だ。
「あーずさ」
「わ!」
俺の間をぬって一人の女性警官が、彼女のそれぞれ肩に両手をかけた。
「み、みずき!」
彼女も見たことがある、俺がこの世界に来た時あずささんと一緒にいた…同僚の人だ。
「どこいくのあずさー。お昼まだだよね。一緒に食べよーよ」
「ご、ごめん。ちょっと用事があって…」
「用事?」
「そう、今日配属された新人の研修があって…」
「新人の研修?そんなのあったっけ」
「きゅ、急に部長に言われてね!その時私しかいなかったから頼まれちゃったの!」
「ふ~ん。新人ってこの子?」
短髪の女性が俺の顔をジロジロ。
ヤ、ヤバイ…どうする。もう出口はすぐそこなんだ。一気に突っ走ってしまうか?
「あずさ」
「な、何?」
彼女があずささんに振り向いた。よ、良かった。なんとかバレていないみたいだ。
「なんで、彼女。靴履いてないの?」
し、しまった!俺が死んだ時は部屋の中!
つまり、靴下!この世界に来たときにそのまま牢屋へ入れられてしまったから靴下のままだった!くそ!ここまで来て!
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