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長期休み・図書館の秘密編
え、なに、これ。
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夕食を食べ終わり私が自室へと戻ろうとしたとき、お母様から声がかかった。
内容は、「コンちゃんのことで話しておきたいことがあるから二人で私の部屋へ来てほしい」というものだった。
私は「分かりました」と頷いてお母様についていった。
「座って。」
部屋に入ると、お母様からそう指示され、私はその指示に従って椅子に座った。コンは膝の上に座らせた。
お母様も向かいの椅子に座って真剣な表情で私を見つめた。
何だろうと思っていると、お母様がゆっくりと口を開いた。
「アメリア。」
「は、はい!」
「その子、コンちゃんとは図書館で会ったと言っていたわよね?」
ですよねーーーーー!!!!
普通信じられるわけないもんねーーー!!
これ絶対に疑われてるパターン!!
いや逆になんで疑われないと思った私!!!!
でもなんて言えばいいのか分かんないしーー!!
私が返答に困っていると、お母様がフッと笑った。
「別に疑っているわけじゃないわ。もちろん信じているわよ?それに、もともとこうなることを望んでいたんだもの。」
「へ?」
驚きのあまり固まってしまう。
望んでいた?どういうこと?
「コンちゃんは神樹から現れたのでしょう?」
「しん、じゅ?」
分からない単語に首をかしげる。
「最上階の秘密の部屋の真ん中に立っている大樹のことよ。」
ああ、なるほど。
「コンちゃんは神獣、いいえ、半神獣と言った方が正しいかしら。何百年も前からあの神樹に封印されていたの。そして、その神樹の管理をシークライド家が任されていた、というわけ。」
半神獣という単語に、コンがピクリと耳を動かした。
「神樹の幹に赤い模様があったでしょう?あれは、コンちゃんに合う人間を探すためのものなのよ。模様に触れることによって、コンちゃんに見合う魔力の質と量を持つ人間を選別し、主、いいえ、パートナーを探すことができるの。ただ、コンちゃんはなぜか本来の姿ではなく、その可愛らしい姿、半神獣状態で顕現してしまった。」
コンがブルブルと震えだす。
「半神獣と言っても、神獣の見習い、未熟者の状態のことよ。多くの闘いを経験していくことによって成長していくわ。」
そこまで言ってお母様は、ああ、と挑発するようなな笑みを浮かべて言った。
「その小さくて可愛らしい姿じゃ闘うなんてことは難しいわね。」
と。
そして次の瞬間、プツン、という音が聞こえ、部屋にコンの声が大きく響いた。
「半神獣半神獣と、おぬし、我を侮辱しておるのかぁ!!?心の広い我でもこれはさすがに見逃せんぞぉぉ!!!」
「え、は、ちょ、コン!?」
私は身を乗り出して怒鳴るコンに動揺した。
とりあえずコンをなだめようと声をかけた。
しかし、コンの顔をのぞきこんで私は驚いた。なぜなら、コンの瞳がメラメラと燃え盛る炎のような赤色に変わっていたのだから。
「っ!!!??」
途端に身体が熱くなる。
なにかが流れ込んでくるような感覚。
髪がコンと同じ金へと変色していく。
「え、なに、これ。」
そして次の瞬間には、私にコンと同じ耳と尻尾がついていた。しかもなぜか服装が巫女服へと変わっている。
傍にいたはずのコンがいない。
どこに行ったのだろうと周りをキョロキョロと見ていると、頭に幼い声が静かに響いた。
―主!あの愚かな人間を今すぐ退治してやるのじゃ!!今の主なら余裕綽々なのじゃぁ!!!―
えぇぇ。ど、どういうことぉ!?
「あら、成功したみたいね?流石だわ。」
お母様がニコニコと私を見ている。
てことは、こうなることを予想してコンを煽ったってことぉ!?え、やば。お母様、やば。
内容は、「コンちゃんのことで話しておきたいことがあるから二人で私の部屋へ来てほしい」というものだった。
私は「分かりました」と頷いてお母様についていった。
「座って。」
部屋に入ると、お母様からそう指示され、私はその指示に従って椅子に座った。コンは膝の上に座らせた。
お母様も向かいの椅子に座って真剣な表情で私を見つめた。
何だろうと思っていると、お母様がゆっくりと口を開いた。
「アメリア。」
「は、はい!」
「その子、コンちゃんとは図書館で会ったと言っていたわよね?」
ですよねーーーーー!!!!
普通信じられるわけないもんねーーー!!
これ絶対に疑われてるパターン!!
いや逆になんで疑われないと思った私!!!!
でもなんて言えばいいのか分かんないしーー!!
私が返答に困っていると、お母様がフッと笑った。
「別に疑っているわけじゃないわ。もちろん信じているわよ?それに、もともとこうなることを望んでいたんだもの。」
「へ?」
驚きのあまり固まってしまう。
望んでいた?どういうこと?
「コンちゃんは神樹から現れたのでしょう?」
「しん、じゅ?」
分からない単語に首をかしげる。
「最上階の秘密の部屋の真ん中に立っている大樹のことよ。」
ああ、なるほど。
「コンちゃんは神獣、いいえ、半神獣と言った方が正しいかしら。何百年も前からあの神樹に封印されていたの。そして、その神樹の管理をシークライド家が任されていた、というわけ。」
半神獣という単語に、コンがピクリと耳を動かした。
「神樹の幹に赤い模様があったでしょう?あれは、コンちゃんに合う人間を探すためのものなのよ。模様に触れることによって、コンちゃんに見合う魔力の質と量を持つ人間を選別し、主、いいえ、パートナーを探すことができるの。ただ、コンちゃんはなぜか本来の姿ではなく、その可愛らしい姿、半神獣状態で顕現してしまった。」
コンがブルブルと震えだす。
「半神獣と言っても、神獣の見習い、未熟者の状態のことよ。多くの闘いを経験していくことによって成長していくわ。」
そこまで言ってお母様は、ああ、と挑発するようなな笑みを浮かべて言った。
「その小さくて可愛らしい姿じゃ闘うなんてことは難しいわね。」
と。
そして次の瞬間、プツン、という音が聞こえ、部屋にコンの声が大きく響いた。
「半神獣半神獣と、おぬし、我を侮辱しておるのかぁ!!?心の広い我でもこれはさすがに見逃せんぞぉぉ!!!」
「え、は、ちょ、コン!?」
私は身を乗り出して怒鳴るコンに動揺した。
とりあえずコンをなだめようと声をかけた。
しかし、コンの顔をのぞきこんで私は驚いた。なぜなら、コンの瞳がメラメラと燃え盛る炎のような赤色に変わっていたのだから。
「っ!!!??」
途端に身体が熱くなる。
なにかが流れ込んでくるような感覚。
髪がコンと同じ金へと変色していく。
「え、なに、これ。」
そして次の瞬間には、私にコンと同じ耳と尻尾がついていた。しかもなぜか服装が巫女服へと変わっている。
傍にいたはずのコンがいない。
どこに行ったのだろうと周りをキョロキョロと見ていると、頭に幼い声が静かに響いた。
―主!あの愚かな人間を今すぐ退治してやるのじゃ!!今の主なら余裕綽々なのじゃぁ!!!―
えぇぇ。ど、どういうことぉ!?
「あら、成功したみたいね?流石だわ。」
お母様がニコニコと私を見ている。
てことは、こうなることを予想してコンを煽ったってことぉ!?え、やば。お母様、やば。
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