転生したらチートでした

シャクラマ学園･冒険者編

なんでそうなるのか理解できないのだよ

｢てことで！アメリアは今から私の友達よ！｣
｢もちろん俺もだ！｣
　両手を二人に握られて、キラキラした目で言われてしまった。
　こんな場合、どうするだろうか。
　私の場合、
｢よろしく、お願いします。｣
　こう言ってしまう。




｢ところで、何か困ったことがあったんですか？｣
｢敬語はやめて。｣
｢あ、うん。｣
　私が話を切り出したとたん、テルスティアがいい笑顔で言った。
　何故か微妙に怖い。
｢困ったことね、その、迷っちゃったのよね。｣
　そして、テルスティアはじろり、効果音が出そうな感じでレクランを見た。
｢お、俺のせいじゃねえよ。｣
　レクラン、冷や汗がすごいよ。
　しかも目そらしてるし。
｢あんたのせいでしょうが！｣
｢いてててて！！｣
　テルスティアはレクランの頬をつまんで思いっきり引っ張った。
　レクランの目には涙がにじんでいる。
　逆らわないようにしないとだね。　　
　うん。ああなりたくないし。
　あ、話が進まないから止めないとだね。
｢ス、ストップストップ！｣
　私が叫ぶと、テルスティアは不機嫌そうにしながらもレクランから離れた。
｢どうしてレクランのせいになるの？｣
｢レンでいいわよ。ついでに私はテティって呼びなさい。｣
｢わ、分かった。｣
　また指摘されたんだけど。
｢まぁ、簡単に言うとね、この馬鹿が地図を見間違えたのよ。ついでにその地図も落としちゃうんだから、本当に救いようのない馬鹿よね。｣
｢ぐっ････。｣
　あ、反論できないんだ。
　ていうか案外毒舌だな、テティ。
｢どこに行こうとしてたの？｣
｢学園よ。｣
　えええええ！？
　ちょっ、途中で気づこうよ！
　方向音痴かよ！！
　方向全然違うじゃん！！！
｢なんか今日は帰れないような気がしたからこんなものを採りながら歩いてたのよ。｣
　そう言ってポケットの中を探りだした。
　あれ？どこいったのかしら。とか言いながら探してる。
　ポケットだよね？
｢あ、このポケットの中ってなんでも入るようにしてるのよ。入る空間が大きすぎて時々どこにあるのか分からなくなるわ。｣
　収納に似てるね。
　ていうかちょっと待って！？
　腕がどんどんポケットの中に入っていってるんだけど！？
　どんだけ広くしたんだよ！
｢あ、これ、私が作ったのよ。｣
　爆弾発言きたーーー！！！
｢テティは魔道具造りを趣味にしてるんだ。｣
｢なんであんたが自慢気に言うのよ。まぁ、時々失敗しちゃうのよね。これはまさに奇跡と言っていい作品だわ。｣
　そう言いながらも腕がどんどん入っていってるよ？
　狭くても良かったんじゃないの？
｢失敗したときってどうなるの？｣
　好奇心で聞いてみた。
　テティは真顔で私に向き合い言った。
｢爆発するわ。｣
　ファっ！？
｢酷いときは家がなくなるわ。｣
　あぇ！！？
｢悪魔召喚してしまったときもあったわね。あ、見つけた。｣
　はいぃぃぃぃ！！！？？
　驚いている私を見て、レンはうんうん、と同感している。
　そしてテティの取り出したものは、私達が探していた薬草で、大量にあった。