転生したらチートでした

シャクラマ学園･冒険者編

自己紹介

　私達のクラスの担任はフレアだった。
　ああ、陰謀しか感じない。


｢皆さん、おはようございます。この学園では全員が平等に扱われます。それはこの学園に通う王子も同じです。まずは自己紹介をしてもらいましょうか。ですが、普通とは違う方法でしてもらいます。｣
　違う方法？
　なんだろう？
｢普通は自分の名前を言って終わりですが、今回は得意な魔法を窓の近くから空に向かって撃ってもらいます。まだコントロールが上手くないので撃てないという場合は、趣味を言うだけで構いません。｣

　そして、ほとんどの人が魔法を撃たなかった。

　私の番になり、フレアから期待の眼差しが向けられていた。
　魔法を撃てと？
　･･･しょうがないな。
｢アメリア･シークライドといいます。得意な魔法は、見てもらえばわかると思います。｣
　立ち上がり、自分の名前を言うと窓を開けて手のひらを空へ向けた。


｢ファイア。｣

　大きな炎が空に向かって飛んでいった。

｢この魔法が今使えるなかで一番得意なものです。｣

　クラスの皆は窓の外を口を開けて見ていた。


　　どこ見てるの？



｢･･･っ、さ、さすがです。惚れてしまうくらいに。｣

　真顔で言っているため、冗談には思えずクラスの皆はその言葉を聞いたとたん、一斉にフレアの方に振り向いた。
　フレアはそのことに気づいたのか、コホン、と咳をひとつして言葉を続けた。

｢もちろん冗談です。｣

　その瞬間、クラスの全員がこう思っただろう。
(((((((((冗談に見えない！)))))))))
　と。