転生したらチートでした

シャクラマ学園･冒険者編

馬車のなかで

リアです。八歳になりました。
　明日はシャクラマ学園の入学式。
　学園は王都にあるらしい。
　けど、お屋敷から王都までは約１日かかるらしいので、今日お屋敷を出ることになった。
｢お、お父様？なぜフレアまで行くことになっているのですか？｣
　そう。フレアが馬車にすでに乗っていたのだ。
　何故だ。
｢アメリアが心配なんだよ。フレアは学園の教師としてアメリアが卒業するまでつけておくんだ。｣
　お父様は笑顔で言った。
　親バカか。
｢そ、そうなんですか。｣
　やばい、私の笑顔ひきつってきた。
｢アメリアちゃん、昔のように敬語を使わず話してくれてかまわないのよ？｣
　お母様はゆるくなりすぎです。　
　敬語で会話をするようになってから、かまってオーラがだだもれなんだよね。
　お父様もだけど。
　めんどくさいのでここは･･･
｢お父様、お母様、行ってきます。｣
　スルーして話を先に進めよう。
　あ、ちょっとションボリしてる。
　おもしろいなこの親。
｢行ってきます。｣
　お兄様も同じように挨拶をした。
　そして、私とお兄様は手を繋いで馬車に乗り込んだ。
　座って窓の外を見ると、お父様とお母様、そして使用人のみんなが手を振っている。そのなかには涙ぐんでいる人もいた。
　なんで泣く？
　長期休みには帰ってくるんだけど。
　ていうか笑って見送ろうよ。
　馬車が走り初めて、みんながどんどん小さくなっていった。　
｢フレアはどこに住むの？｣
　ふと疑問に思ったことを聞いてみると、フレアは目を伏せて悲しそうに言った。　
｢教師用の寮があるらしく、そこに住む予定です。｣
　なんで悲しそうなのか理解出来ないんだけど。
｢フレア、ドンマイ。｣
｢うう･･･。｣
　お兄様はフレアの肩に手を置いてうんうん、と頷いた。
　なんで？