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23 売れ残り
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「相変わらず、客が来ないわね」
ぱくぱく。もしゃもしゃ。若干の毒を吐きながら、メリラさんは昼食を摂っている。
彼女が食べているのは包み紙代わりに使っているクレープで包んだ天ぷらだ。天ぷらを具材にして、何やら持って来ているソースも挟んでクレープごと食べている。
「そうですね」
生返事しているあたしは、とうもろこしを砕いたものを揺すって胚芽を分離する作業をしている。開店から1ヶ月経った今もお客さんが少ないからやりたい放題さ。
「今回も失敗だわ」
どうやら今日のソースも合わなかったらしい。尤も、一度も成功した様子が無い。そもそも天ぷらとクレープが合わないんじゃないかなぁ。味が付いてないクレープが美味しくないから、それ以前の問題かな。
「あの、クレープは美味しくないんじゃありませんか?」
「味が付いてないだけなんだから、味をどうにかすれば美味しくなるわよ、きっと」
「そう言うものなんでしょうか?」
「そうよ。それに、このクレープは結構食べ応えがあるんだから、食べたらお得でしょ?」
「それはまあ、確かに……」
でもちょっともにゃもにゃしてしまう。クレープ1枚当たりに、大豆粉やとうもろこし粉を100グラム近く使う勘定なので、さぞやお腹に溜まると思う。
でもなぁ、今はロスになって経営を圧迫しないように、余ったクレープを明くる日に蒸して焼き直して再利用しているんだよね。メリラさんが今食べているクレープも、最初に焼いたのが何日前なのか判ったものじゃないんだ。
「そうしたら、クレープだって売れるんじゃないの?」
「え?」
そう言うことを考えていたのか。
だけど、食べるようには作ってない。むしろ美味しくちゃ駄目なんだ。売りたいのはあくまで天ぷらで、クレープじゃないから。
それに、味を気にし始めたら、明くる日に再利用なんてできなくなる。焼き直したらどうしても味が落ちちゃうからね。腐ってなければいい包み紙とは違うもの。
「あの、それは売り物になるようなものじゃないし、売れるようだと困ります」
「どうして?」
「包み紙の代わりに作ったものですから、クレープが売れて天ぷらが売れなかったら本末転倒と言うか、なんと言うか、そんな感じなんです」
「そうなの? 何でも売れるものは売れば良いと思うのだけど?」
「そう言うものなんでしょうか?」
「きっとそうよ」
そして、メリラさんは腕を組み、何やら考え始めた。
「だけど、そうね。食べるのが前提だと、天ぷらが1つでも2つでもクレープが1枚だったら天ぷらを2つ買った人が不平を言うかも知れないわね。だったら天ぷら1つにクレープ1枚を付けたら良いんじゃない? あ、それじゃ嵩張るし、只で付けるには手間が掛かってるわね。それに、それこそクレープを買ってるように見えるわ。それならやっぱり、クレープは天ぷらとは別に売るのはどう? あー、クレープだけ買う人が居るかも知れないわね……」
考えていることが口からだだ漏れだ。だけど、どうやらクレープを売る話は考え直してくれそうなので良かった。
メリラさんは何故か時折こうして頭を悩ませることがある。殆どの場合は自己完結してくれるから、面倒が無くてご愛敬な感じだ。
「じゃ、今日はもう来られないから、じゃがいもとケールをちょうだい」
「あ、はい。ありがとうございます」
代金を支払った後、メリラさんは紙袋に天ぷらを包んだクレープを入れる。一見の時のあれだ。
倹約家なのはいいのだけど、食べ物を入れた紙袋を使い回すのはどうなのだろう? だけど、プラスチックのタッパーなんて無いから、他に考えられる入れ物は木製、陶器製、それとブリキ製と言ったところ。どれも嵩張って重そうだ……。
「じゃあ、また来るわね」
「毎度、ありがとうございます」
メリラさんを見送って、あたしはまたとうもろこしを揺する作業に戻る。
日が沈むのが早い冬になって、開店時間は正午に繰り上げた。それと一緒に閉店時間も6時過ぎに繰り上げている。午後6時ともなると真っ暗で、冷え込みも厳しくなって来ている。そのせいか、日が暮れた頃になったらもう人通りが無いに等しい。営業時間の変更は当然と言えば当然の成り行きなのだった。
ところが、お店の売り上げは日中よりも日が沈んでからの方が多い。なんとも皮肉な話だ。
一番の常連のメリラさんはと言うと、開店直後に来ることが多くなった。開店直後の揚げ立てに近い天ぷらが一番美味しいと悟ったらしい。そしてまた夕方に来ることも多い。
1日2食を天ぷらとクレープで済ませているのだとしたら、栄養的に大丈夫なのかな? でも大豆粉もクレープの主な原料だから案外大丈夫なのかも。余った天ぷらばかりのあたしの方こそ問題かも知れない。
店を開いてから最初の1週間は売れ残りの天ぷらを温風乾燥していたせいで、温風乾燥に耐えられないケールばかりを食べていた。青虫にでもなった気分だった。
それが幾ら何でも辛くなったので、必死にフリーズドライを思い出した。フリーズドライならしおしおにならないようにケールを乾燥させられる。
冷凍には火魔法を使う。火魔法と言っても、何かが燃えているのではなく、燃えているように見えるだけだ。だから逆に冷やすこともできると考えた。案ずるよりも産むが易し。やればできた。後は、風魔法で真空状態を作り出すだけでフリーズドライにできる。
ケールとかき揚げに限って言えば、そのままおつまみにしても美味しかった。
そうして毎日各種20個前後のフリーズドライの天ぷらが蓄積し続けている。
でも、フリーズドライにするようにしてから3週間ほどは、温風乾燥のじゃがいも、セロリアック、かき揚げを煮込んだものばかりを食べていた。既に乾燥させてるものはもうフリーズドライにできないものね。
煮ていて思ったのだけど、醤油で味付けしたらじゃがいもの煮っ転がしみたいなものだよね。醤油を心底欲しくなった。
それも一昨日で終わった。それまでは毎日30食分くらい食べていたかな?
その一方でフリーズドライの天ぷらはどんどん在庫として積み上がっている。今現在は各種約400食ずつの合計約2000食分。かなり邪魔くさい。
使用済みの油で石鹸作りにも挑戦してみた。だけど、灰汁を混ぜて熱しても固まってくれないので諦めた。
油はどうやって捨てよう……。最悪、燃やすしかないかな。竈で燃やせないこともないし。
港町にはまだ行けてない。日曜日に行ってみようと考えていたけど、先週の日曜日は雨が降ったので見送り、今週の日曜日は途中までで帰って来た。
道なりに道を確かめつつ進んだら、随分と遠かったんだよ。山脈を南に大きく迂回するような経路になっていて、山の向こう側の海が望める場所に辿り着くだけで、もうかなり日が傾いていた。だからそこで折り返したんだ。片道600キロメートルは走ったと思う。
次の時はもっと速く走って港町を確認して、山を突っ切る経路を探すとしよう。
尤も、聞くところによるとこの町と港町との間に横たわる山脈周辺には深い森が広がっていて、魔獣も生息しているらしい。そのせいで山を突っ切る道が無く、南に大きく迂回しているのだとか。日程が1ヶ月延びるても、危険が少ない道を選んだってことだね。
そんな訳で、良い道を探すのに時間が掛かりそうだけど、魔獣を見なかったことにしたらきっと大丈夫だと思う。
ぱくぱく。もしゃもしゃ。若干の毒を吐きながら、メリラさんは昼食を摂っている。
彼女が食べているのは包み紙代わりに使っているクレープで包んだ天ぷらだ。天ぷらを具材にして、何やら持って来ているソースも挟んでクレープごと食べている。
「そうですね」
生返事しているあたしは、とうもろこしを砕いたものを揺すって胚芽を分離する作業をしている。開店から1ヶ月経った今もお客さんが少ないからやりたい放題さ。
「今回も失敗だわ」
どうやら今日のソースも合わなかったらしい。尤も、一度も成功した様子が無い。そもそも天ぷらとクレープが合わないんじゃないかなぁ。味が付いてないクレープが美味しくないから、それ以前の問題かな。
「あの、クレープは美味しくないんじゃありませんか?」
「味が付いてないだけなんだから、味をどうにかすれば美味しくなるわよ、きっと」
「そう言うものなんでしょうか?」
「そうよ。それに、このクレープは結構食べ応えがあるんだから、食べたらお得でしょ?」
「それはまあ、確かに……」
でもちょっともにゃもにゃしてしまう。クレープ1枚当たりに、大豆粉やとうもろこし粉を100グラム近く使う勘定なので、さぞやお腹に溜まると思う。
でもなぁ、今はロスになって経営を圧迫しないように、余ったクレープを明くる日に蒸して焼き直して再利用しているんだよね。メリラさんが今食べているクレープも、最初に焼いたのが何日前なのか判ったものじゃないんだ。
「そうしたら、クレープだって売れるんじゃないの?」
「え?」
そう言うことを考えていたのか。
だけど、食べるようには作ってない。むしろ美味しくちゃ駄目なんだ。売りたいのはあくまで天ぷらで、クレープじゃないから。
それに、味を気にし始めたら、明くる日に再利用なんてできなくなる。焼き直したらどうしても味が落ちちゃうからね。腐ってなければいい包み紙とは違うもの。
「あの、それは売り物になるようなものじゃないし、売れるようだと困ります」
「どうして?」
「包み紙の代わりに作ったものですから、クレープが売れて天ぷらが売れなかったら本末転倒と言うか、なんと言うか、そんな感じなんです」
「そうなの? 何でも売れるものは売れば良いと思うのだけど?」
「そう言うものなんでしょうか?」
「きっとそうよ」
そして、メリラさんは腕を組み、何やら考え始めた。
「だけど、そうね。食べるのが前提だと、天ぷらが1つでも2つでもクレープが1枚だったら天ぷらを2つ買った人が不平を言うかも知れないわね。だったら天ぷら1つにクレープ1枚を付けたら良いんじゃない? あ、それじゃ嵩張るし、只で付けるには手間が掛かってるわね。それに、それこそクレープを買ってるように見えるわ。それならやっぱり、クレープは天ぷらとは別に売るのはどう? あー、クレープだけ買う人が居るかも知れないわね……」
考えていることが口からだだ漏れだ。だけど、どうやらクレープを売る話は考え直してくれそうなので良かった。
メリラさんは何故か時折こうして頭を悩ませることがある。殆どの場合は自己完結してくれるから、面倒が無くてご愛敬な感じだ。
「じゃ、今日はもう来られないから、じゃがいもとケールをちょうだい」
「あ、はい。ありがとうございます」
代金を支払った後、メリラさんは紙袋に天ぷらを包んだクレープを入れる。一見の時のあれだ。
倹約家なのはいいのだけど、食べ物を入れた紙袋を使い回すのはどうなのだろう? だけど、プラスチックのタッパーなんて無いから、他に考えられる入れ物は木製、陶器製、それとブリキ製と言ったところ。どれも嵩張って重そうだ……。
「じゃあ、また来るわね」
「毎度、ありがとうございます」
メリラさんを見送って、あたしはまたとうもろこしを揺する作業に戻る。
日が沈むのが早い冬になって、開店時間は正午に繰り上げた。それと一緒に閉店時間も6時過ぎに繰り上げている。午後6時ともなると真っ暗で、冷え込みも厳しくなって来ている。そのせいか、日が暮れた頃になったらもう人通りが無いに等しい。営業時間の変更は当然と言えば当然の成り行きなのだった。
ところが、お店の売り上げは日中よりも日が沈んでからの方が多い。なんとも皮肉な話だ。
一番の常連のメリラさんはと言うと、開店直後に来ることが多くなった。開店直後の揚げ立てに近い天ぷらが一番美味しいと悟ったらしい。そしてまた夕方に来ることも多い。
1日2食を天ぷらとクレープで済ませているのだとしたら、栄養的に大丈夫なのかな? でも大豆粉もクレープの主な原料だから案外大丈夫なのかも。余った天ぷらばかりのあたしの方こそ問題かも知れない。
店を開いてから最初の1週間は売れ残りの天ぷらを温風乾燥していたせいで、温風乾燥に耐えられないケールばかりを食べていた。青虫にでもなった気分だった。
それが幾ら何でも辛くなったので、必死にフリーズドライを思い出した。フリーズドライならしおしおにならないようにケールを乾燥させられる。
冷凍には火魔法を使う。火魔法と言っても、何かが燃えているのではなく、燃えているように見えるだけだ。だから逆に冷やすこともできると考えた。案ずるよりも産むが易し。やればできた。後は、風魔法で真空状態を作り出すだけでフリーズドライにできる。
ケールとかき揚げに限って言えば、そのままおつまみにしても美味しかった。
そうして毎日各種20個前後のフリーズドライの天ぷらが蓄積し続けている。
でも、フリーズドライにするようにしてから3週間ほどは、温風乾燥のじゃがいも、セロリアック、かき揚げを煮込んだものばかりを食べていた。既に乾燥させてるものはもうフリーズドライにできないものね。
煮ていて思ったのだけど、醤油で味付けしたらじゃがいもの煮っ転がしみたいなものだよね。醤油を心底欲しくなった。
それも一昨日で終わった。それまでは毎日30食分くらい食べていたかな?
その一方でフリーズドライの天ぷらはどんどん在庫として積み上がっている。今現在は各種約400食ずつの合計約2000食分。かなり邪魔くさい。
使用済みの油で石鹸作りにも挑戦してみた。だけど、灰汁を混ぜて熱しても固まってくれないので諦めた。
油はどうやって捨てよう……。最悪、燃やすしかないかな。竈で燃やせないこともないし。
港町にはまだ行けてない。日曜日に行ってみようと考えていたけど、先週の日曜日は雨が降ったので見送り、今週の日曜日は途中までで帰って来た。
道なりに道を確かめつつ進んだら、随分と遠かったんだよ。山脈を南に大きく迂回するような経路になっていて、山の向こう側の海が望める場所に辿り着くだけで、もうかなり日が傾いていた。だからそこで折り返したんだ。片道600キロメートルは走ったと思う。
次の時はもっと速く走って港町を確認して、山を突っ切る経路を探すとしよう。
尤も、聞くところによるとこの町と港町との間に横たわる山脈周辺には深い森が広がっていて、魔獣も生息しているらしい。そのせいで山を突っ切る道が無く、南に大きく迂回しているのだとか。日程が1ヶ月延びるても、危険が少ない道を選んだってことだね。
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