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第九二話 新たな魔法陣
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「皆さんにはこれを試してみて欲しいんです」
累造は紙に描いた魔法陣をルゼ、チーナ、そしてケメンの前に広げた。ニナーレも同席しているが脇で見ているだけである。
首を傾げるのはケメン。試せと言われても何を試すのか皆目見当が付かないのだ。
「魔法陣を試すのかい?」
「そうです。これは俺以外の人が起動できるように改良した魔法陣です」
「本当なのかい!?」
「正確には『恐らくは』です。今までの魔法陣は幾つかの部分でこの世界に無いものを象徴的に描いていましたから、俺にしか起動できなかったんです。ニナーレさんが描く魔法陣を俺が起動できないのも同じ理由です」
ケメンがニナーレを見やると、ニナーレはこくんと頷いた。
「なので、そんな部分をこの世界に有るもので置き換えた魔法陣を作りました」
「その魔法陣がこれなんだね?」
「はい。これは照明の魔法陣を描き直したものです。ケメンさんに来て頂いたのは、これを公表するタイミングを一任したいからでもあります」
「それは有り難い話だけど、照明となると、公表すれば僕の店の利益が減ることになるよね。ずっと隠し続けるかも知れないよ?」
「それはそれで構いません。それがこの世界の選択だと考えます。ただ、それだと魔法の発展も望めないと思います」
「累造君が作ればいいんじゃないかい?」
累造は頭を振った。
「今出来上がっているものが殆ど俺の限界です。これ以上の発展はもっと多くの研究者の知恵が必要でしょう」
これは理由の半分である。もう半分については、時が来れば判ることとしてここでは言わない。
累造に隠し事が有るのに気付いたのか気付かなかったのか、ケメンは肩を軽く竦めるのみである。
「魔法陣はどうやって動かすのかい?」
「まずはこの紙に説明を書いていますので、これを見ながら説明します」
そう言って紙をもう一枚配り、説明を始める。照明の魔法陣との差違は魔力を取り出す部分である。月、星、太陽を象った図形になっている。
「なるほど、部分部分で意味が有ったんだね」
ケメンが何度も頷きながら「全体で意味を為すのかと思っていたよ」と呟いた。
「これはつまり、星霊から魔力を分けて貰うと考えればいいんでしょうか?」
「星霊って何でしょう?」
チーナの問いに、累造が疑問符を浮かべた。
「星霊はこの国の、と言うかこの大陸のかな、信仰対象だよ。月や星や太陽に宿る霊だとされているんだよ」
「全く知りませんでした」
ルゼやチーナが祈っている場面に出会したことが無く、てっきり無宗教だと思っていた累造である。
納得したように、ケメンが頷いた。
「確かに普段から祈ったりはしないね」
「話を戻しますけど、その星霊が判りやすければそのイメージでお願いします。多分その方が良い結果になると思います」
「そうしよう」
ケメンとチーナが魔法陣に魔力を籠めてみる。籠めてみる。
ウンともスンとも魔法陣は反応しない。眉間には皺が寄る。チーナの口が不満げに尖る。
残るルゼは魔法陣を指先で撫でているだけである。
「上手く行きそうなのに上手く行かないね」
「途中で何か引っ掛かる感じがします」
ケメンとチーナが感想を洩らした。
「少しでも魔力を吸われる感じがするのでしたら、練習すれば起動できるようになると思います」
「練習が必要なんだね……」
ケメンは若干気落ちした風情である。
「あ、でも、俺以外の人に起動できるかどうか確証の無い魔法陣ですから、直ぐに起動できなくても不思議は無いんじゃないかと」
「それもそうだね」
ケメンが気持ちを切り替えるように深呼吸をし、「期待しすぎてしまったようだ」と自嘲げに呟いた。
「へぇ、これの方が光が柔らかくてあたしは好きだな」
「え?」「え?」「え?」
累造とチーナとケメンの声が重なった。ルゼの方を見れば魔法陣がほんのりと光を発している。敢えて弱く光るように描いているのでほんのりとした弱い光なのだ。
「会長! どうして魔法陣が光ってるんですか!?」
「どうしても何も、累造が言った通りにしただけだぞ? それに、累造が光ると言ったんだから光るだろ?」
「そう言うものですか?」
チーナがカクンと首を傾げた。
二日後にはチーナが光の魔法陣の起動に成功した。しかしその時にはルゼがスイッチ付きの魔法陣を起動できるようになっていたため、チーナは握り拳をわなわなと震わせていた。
ケメンが光の魔法陣の起動に成功したのは、更に六日後のことである。
その報告を受け、累造はゴッツイ商会で商品化している魔法陣を全て新しく描き起こしてケメンに渡した。
無償だ。今までの魔法陣で十分な金額を得ていて金銭を必要としなかったことと、新しい魔法陣での商品化は当分先のことになる見込みだったためである。
直ぐに商品化しないのは、複製が容易になる故だ。商品化するには複製防止策を講じるか、複製されても大丈夫な製品作りをする必要がある。
それまでにゴッツイ商会として十分な利益を確保すると共に、今までの購入者が不満に思わない環境を整える必要も有る。
◆
累造は今まで作成済みの魔法陣を新たに描き起こして保管する作業も行っている。
魔法陣を描く作業が一段落し、休憩をしながら左手を見る。
いつから始まったかなどは判らない。
しかし理由は何となく判る。誰かさんの望んだ累造の役目が殆ど終わったのだ。
恐らく、残されているのは後一つ。二つでないのは状況からして間違いないだろう。
いずれにしても、確かなのは気付いてから徐々に頻度が増していることだけだ。
この身体の一部が透けて見えると言う現象が――。
「累造君、お昼ですよ」
「あ、はい」
チーナに答えて累造が廊下に出ると、チーナが胸を押し付けるように累造の腕を抱く。
「あ、あの、胸が当たってます」
「当ててるんですよ?」
時折、誘惑が少し大胆なのだ。
「今ならベッドに押し倒してもいいんですよ? ウェルカムですよ?」
「それは、どうかなー」
誰かさんとは違い、今の累造にとって今後が気になるのはルゼよりむしろチーナとなっている。累造が消えてしまえば、セウスペルを喪った時のルゼのようになるのではないかと思えてならない。
だから今だけはチーナの望むままにとも思わないでもない。だが、いつ消えるか判らない身で下手なことをすれば、生涯にわたる心の傷をチーナに残すことになりかねないのだ。
結果、累造は優柔不断なまま、何もできない。
「ほら、ニナーレさんも見てますよ」
ニナーレが柱の影からこっそりと言った風情で覗いていた。
バレバレでもあり、目も腐っていて、いたたまれなさだけが募る累造であった。
累造は紙に描いた魔法陣をルゼ、チーナ、そしてケメンの前に広げた。ニナーレも同席しているが脇で見ているだけである。
首を傾げるのはケメン。試せと言われても何を試すのか皆目見当が付かないのだ。
「魔法陣を試すのかい?」
「そうです。これは俺以外の人が起動できるように改良した魔法陣です」
「本当なのかい!?」
「正確には『恐らくは』です。今までの魔法陣は幾つかの部分でこの世界に無いものを象徴的に描いていましたから、俺にしか起動できなかったんです。ニナーレさんが描く魔法陣を俺が起動できないのも同じ理由です」
ケメンがニナーレを見やると、ニナーレはこくんと頷いた。
「なので、そんな部分をこの世界に有るもので置き換えた魔法陣を作りました」
「その魔法陣がこれなんだね?」
「はい。これは照明の魔法陣を描き直したものです。ケメンさんに来て頂いたのは、これを公表するタイミングを一任したいからでもあります」
「それは有り難い話だけど、照明となると、公表すれば僕の店の利益が減ることになるよね。ずっと隠し続けるかも知れないよ?」
「それはそれで構いません。それがこの世界の選択だと考えます。ただ、それだと魔法の発展も望めないと思います」
「累造君が作ればいいんじゃないかい?」
累造は頭を振った。
「今出来上がっているものが殆ど俺の限界です。これ以上の発展はもっと多くの研究者の知恵が必要でしょう」
これは理由の半分である。もう半分については、時が来れば判ることとしてここでは言わない。
累造に隠し事が有るのに気付いたのか気付かなかったのか、ケメンは肩を軽く竦めるのみである。
「魔法陣はどうやって動かすのかい?」
「まずはこの紙に説明を書いていますので、これを見ながら説明します」
そう言って紙をもう一枚配り、説明を始める。照明の魔法陣との差違は魔力を取り出す部分である。月、星、太陽を象った図形になっている。
「なるほど、部分部分で意味が有ったんだね」
ケメンが何度も頷きながら「全体で意味を為すのかと思っていたよ」と呟いた。
「これはつまり、星霊から魔力を分けて貰うと考えればいいんでしょうか?」
「星霊って何でしょう?」
チーナの問いに、累造が疑問符を浮かべた。
「星霊はこの国の、と言うかこの大陸のかな、信仰対象だよ。月や星や太陽に宿る霊だとされているんだよ」
「全く知りませんでした」
ルゼやチーナが祈っている場面に出会したことが無く、てっきり無宗教だと思っていた累造である。
納得したように、ケメンが頷いた。
「確かに普段から祈ったりはしないね」
「話を戻しますけど、その星霊が判りやすければそのイメージでお願いします。多分その方が良い結果になると思います」
「そうしよう」
ケメンとチーナが魔法陣に魔力を籠めてみる。籠めてみる。
ウンともスンとも魔法陣は反応しない。眉間には皺が寄る。チーナの口が不満げに尖る。
残るルゼは魔法陣を指先で撫でているだけである。
「上手く行きそうなのに上手く行かないね」
「途中で何か引っ掛かる感じがします」
ケメンとチーナが感想を洩らした。
「少しでも魔力を吸われる感じがするのでしたら、練習すれば起動できるようになると思います」
「練習が必要なんだね……」
ケメンは若干気落ちした風情である。
「あ、でも、俺以外の人に起動できるかどうか確証の無い魔法陣ですから、直ぐに起動できなくても不思議は無いんじゃないかと」
「それもそうだね」
ケメンが気持ちを切り替えるように深呼吸をし、「期待しすぎてしまったようだ」と自嘲げに呟いた。
「へぇ、これの方が光が柔らかくてあたしは好きだな」
「え?」「え?」「え?」
累造とチーナとケメンの声が重なった。ルゼの方を見れば魔法陣がほんのりと光を発している。敢えて弱く光るように描いているのでほんのりとした弱い光なのだ。
「会長! どうして魔法陣が光ってるんですか!?」
「どうしても何も、累造が言った通りにしただけだぞ? それに、累造が光ると言ったんだから光るだろ?」
「そう言うものですか?」
チーナがカクンと首を傾げた。
二日後にはチーナが光の魔法陣の起動に成功した。しかしその時にはルゼがスイッチ付きの魔法陣を起動できるようになっていたため、チーナは握り拳をわなわなと震わせていた。
ケメンが光の魔法陣の起動に成功したのは、更に六日後のことである。
その報告を受け、累造はゴッツイ商会で商品化している魔法陣を全て新しく描き起こしてケメンに渡した。
無償だ。今までの魔法陣で十分な金額を得ていて金銭を必要としなかったことと、新しい魔法陣での商品化は当分先のことになる見込みだったためである。
直ぐに商品化しないのは、複製が容易になる故だ。商品化するには複製防止策を講じるか、複製されても大丈夫な製品作りをする必要がある。
それまでにゴッツイ商会として十分な利益を確保すると共に、今までの購入者が不満に思わない環境を整える必要も有る。
◆
累造は今まで作成済みの魔法陣を新たに描き起こして保管する作業も行っている。
魔法陣を描く作業が一段落し、休憩をしながら左手を見る。
いつから始まったかなどは判らない。
しかし理由は何となく判る。誰かさんの望んだ累造の役目が殆ど終わったのだ。
恐らく、残されているのは後一つ。二つでないのは状況からして間違いないだろう。
いずれにしても、確かなのは気付いてから徐々に頻度が増していることだけだ。
この身体の一部が透けて見えると言う現象が――。
「累造君、お昼ですよ」
「あ、はい」
チーナに答えて累造が廊下に出ると、チーナが胸を押し付けるように累造の腕を抱く。
「あ、あの、胸が当たってます」
「当ててるんですよ?」
時折、誘惑が少し大胆なのだ。
「今ならベッドに押し倒してもいいんですよ? ウェルカムですよ?」
「それは、どうかなー」
誰かさんとは違い、今の累造にとって今後が気になるのはルゼよりむしろチーナとなっている。累造が消えてしまえば、セウスペルを喪った時のルゼのようになるのではないかと思えてならない。
だから今だけはチーナの望むままにとも思わないでもない。だが、いつ消えるか判らない身で下手なことをすれば、生涯にわたる心の傷をチーナに残すことになりかねないのだ。
結果、累造は優柔不断なまま、何もできない。
「ほら、ニナーレさんも見てますよ」
ニナーレが柱の影からこっそりと言った風情で覗いていた。
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