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第三七話 水
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まだ暑い日が続く中、ルゼは朝食を前に眉根を寄せている。
「店長、どうしたんですか?」
「んー、ちょっと腹の具合が良くなくてね」
「言わんこっちゃない。今日、ルゼさんは冷たい水禁止です」
「えーっ、と言いたいところだけど、冷たい水を飲みすぎたせいなのがなんとなく判るから、そうするよ」
ルゼは眉尻を下げた。前日、ゴッツイ商会に訪問して帰った後、冷たい水をがぶ飲みしてしまったのだ。
調子悪げな事は常連客にも判ってしまう。
「どうしたの? 具合悪そうじゃないの」
「はは、ちょっと腹の調子が悪くてね」
ルゼは苦笑いで返した。
「あんたもなのかい」
「『も』って、他に具合悪い人が居るのかい?」
「ああ、寝込んでるのまで居るよ」
常連客が難しい顔をする。
「なんで、また」
「暑い日が続いてるから、湯冷ましを作るのを待てなかったんだろうね。雨水だってこんなに暑くちゃ、三日も経てば悪くもなるよ」
「そんな事になってたのかい」
気付いていなかった町の様子に驚いた。
「何言ってんだい。あんたもそうなんだろ?」
「いや、あたしはちょっと水を飲みすぎただけだから」
たはは、と苦笑いした。その様子に常連客も思い出す。
「そういや、あんたんとこは売るような水が有ったんだったね。今日は売らないのかい?」
「ああ、水ばかり売る訳にはいかないからね」
「そうかい? 今日なんか、売って欲しい位なんだけどね」
「それは、すまないね。だけど、今日は水道も復旧する筈だよ」
常連客が目を見開く。
「本当かい!?」
「ああ、問題が起きなければ、だけどね」
「でも、なんであんたがそんな事を知ってんのさ?」
「仕切っているのがゴッツイ商会だからだよ」
「なるほどね」
古くからの常連客なら虹の橋雑貨店とゴッツイ商会が懇意にしているのを知っているので、それだけで納得できるのである。
◆
累造はテンダーの木工所で石材に刻まれた魔法陣の確認をした後、表向きは井戸となっている掘っ立て小屋へと移動した。小屋のレンガ積み作業は一旦中止していて、周辺には誰も居ない。
その小屋に馬車から石材を運び込むのだが、累造、テンダーとその弟子一人、ケメンとその付き人二人、の計六人だけで、一〇〇キログラムを優に超える石材を運ぶのは一苦労だ。魔法を大っぴらにしないよう、既に累造の魔法の事を知っている者だけで作業をしようとすると、そうなってしまうのである。
テンダーの弟子については、テンダー一人で累造の持ち込んだものの開発はできないため、口の堅い何人かには魔法の事を話してしまっている。
掘っ立て小屋の中には、石材でできた配水用のマスが既に設置されており、元々の水道管への仮設の配管も為されている。後は、マスの横に有る、マスの縁と同じ高さに合わせて作られた台座に石材を乗せ、魔法を発動させれば水道が使えるようになる。
そして、ひーこら言いつつ石材を台座の上に設置し終わった。
「たった三日でよくこれだけのものができましたね」
小屋の中を改めて見回し、累造は感嘆した。
「水道は重大事だからね。みんな頑張ったし、役所も随分と協力してくれたよ」
ケメンは何でもなかったような口ぶりで話すが、大勢を取り纏めるのは容易ではなかった筈だ。累造は尊敬の念を抱かずにはいられなかった。
「さあ、早速水を出してみてくれ」
「はい」
頷いて魔法陣に手を掛ける。
『出でよ、水っ』
日本語で紡がれた言葉と共に、水が勢いよく噴き出した。勢いが有りすぎた。
「累造君? これはどうにかならないものかな?」
水を滴らせながらケメンが尋ねた。
「マスに水が溜まってしまえば、どうにか?」
同じく水を滴らせながら答える累造とて自信は無い。この、周り中に飛ぶ水飛沫を止められるかどうかなど判らない。
勢いよく出た水はマスの反対側の壁にぶつかって、盛大な水飛沫となっている。水に勢いが有るのは判っていたため、マスを使って一旦勢いを弱めてから配水する設計だったが、水の勢いは予想以上だった。累造は普段から小さいものを使っていて、慣れすぎてしまっていたのだ。
「マスから水が溢れるのも困るから、あまり水が溜めるようにもできないんだよね」
水飛沫は飛んでいるが、出る水量が配水可能な量よりも十分少なくなるように魔法陣を描いているので、マスが満杯になる事はない。マスの出口を工夫して、溜まっている水量が多ければ多く配水するようになっているのだ。
そうこう話している間にマスの半ばで溜まる水は増えなくなった。大凡、設計通りである。しかし、水飛沫はまだ止まない。
「少し下向けるか、いっそマスの中に沈めちまうか?」
テンダーは少々投げ遣りである。
「そうだね、まずは傾けてみる事にしよう」
ケメンの決定に従い、石材に石を噛ませて傾けると、魔法陣から噴き出す水はどうにか全て水面へと行くようになった。
「累造君の魔法にも、結構癖があるものだね」
ケメンの正直な感想である。
水道については今後、掘っ立て小屋の壁をレンガにし、配水管は埋設したものに移行する事になる。
◆
累造が雑貨店に帰ると、ルゼが伏せっていた。チーナに様子を尋ねると、顔が赤く、頭がくらくらして寒いと言ってるのだと言う。
慌てた。
「直ぐに冷たいタオルでルゼさんの首筋を冷やしてください」
チーナにそう指示すると、累造はレモンのはちみつ漬けで薄いレモネードを作り、それに小さじ一杯の塩を加えた。
「ルゼさん、これを飲んでください」
ルゼがのろのろと口に含み、顔を顰めた。
「なんだ、これ?」
「美味しくないとは思いますが、頼みますから飲んでください」
真剣に訴えると、ルゼが渋々ながらに飲み始めた。最初はちびちびとでしかなかったが、次第に勢いがつく。
「ルゼさん、もっとゆっくり飲んでください!」
今度は押し止めるのに苦労する。それから塩入のレモネードを数回作り直し、ルゼがもういらないと言うまで飲ませ続けた。
飲み終わった頃にはもうルゼは寒いと言わなくなっていた。
「一体どう言う事なんです?」
チーナには累造がしていた事の理由が判らなかった。
「熱中症です。迂闊でした。朝からもう症状が出始めてたのかも知れません」
「熱中症?」
「汗をかきすぎると起きる病気です」
「だけど、店長は水を随分飲んでましたよ?」
「ただの水だと塩分が足りなくなって、悪化しかねないんです」
「え?」
チーナは目を見開いた。
「おまけにルゼさんは朝食をあまり摂ってなかったから、余計に塩分が足りなくなってたんでしょう」
「なんて事……」
「でも、間に合って良かったです」
「もう大丈夫なんですか?」
「はい、寒気は無くなったようなので、もう暫くの間、塩入りのレモネードを飲ませれば大丈夫でしょう」
「はあぁ、いつもはお姉さんぶってるのに、こんな時には私は役立たずですね」
少なからず落ち込んでしまった。
「いえ、チーナさんにはお姉さんぶってて貰わないと困ります」
「なんですか? それ」
仄かに苦笑いした。
夕食までにはルゼも回復し、ナスの糠漬けを食べている。
「やっぱり変な味だな」
「ほんとにそうですね」
ルゼとチーナはそんな事を言う。
「口に合わないのなら俺が食べますよ」
「駄目だ、やらん」
「店長、どうしたんですか?」
「んー、ちょっと腹の具合が良くなくてね」
「言わんこっちゃない。今日、ルゼさんは冷たい水禁止です」
「えーっ、と言いたいところだけど、冷たい水を飲みすぎたせいなのがなんとなく判るから、そうするよ」
ルゼは眉尻を下げた。前日、ゴッツイ商会に訪問して帰った後、冷たい水をがぶ飲みしてしまったのだ。
調子悪げな事は常連客にも判ってしまう。
「どうしたの? 具合悪そうじゃないの」
「はは、ちょっと腹の調子が悪くてね」
ルゼは苦笑いで返した。
「あんたもなのかい」
「『も』って、他に具合悪い人が居るのかい?」
「ああ、寝込んでるのまで居るよ」
常連客が難しい顔をする。
「なんで、また」
「暑い日が続いてるから、湯冷ましを作るのを待てなかったんだろうね。雨水だってこんなに暑くちゃ、三日も経てば悪くもなるよ」
「そんな事になってたのかい」
気付いていなかった町の様子に驚いた。
「何言ってんだい。あんたもそうなんだろ?」
「いや、あたしはちょっと水を飲みすぎただけだから」
たはは、と苦笑いした。その様子に常連客も思い出す。
「そういや、あんたんとこは売るような水が有ったんだったね。今日は売らないのかい?」
「ああ、水ばかり売る訳にはいかないからね」
「そうかい? 今日なんか、売って欲しい位なんだけどね」
「それは、すまないね。だけど、今日は水道も復旧する筈だよ」
常連客が目を見開く。
「本当かい!?」
「ああ、問題が起きなければ、だけどね」
「でも、なんであんたがそんな事を知ってんのさ?」
「仕切っているのがゴッツイ商会だからだよ」
「なるほどね」
古くからの常連客なら虹の橋雑貨店とゴッツイ商会が懇意にしているのを知っているので、それだけで納得できるのである。
◆
累造はテンダーの木工所で石材に刻まれた魔法陣の確認をした後、表向きは井戸となっている掘っ立て小屋へと移動した。小屋のレンガ積み作業は一旦中止していて、周辺には誰も居ない。
その小屋に馬車から石材を運び込むのだが、累造、テンダーとその弟子一人、ケメンとその付き人二人、の計六人だけで、一〇〇キログラムを優に超える石材を運ぶのは一苦労だ。魔法を大っぴらにしないよう、既に累造の魔法の事を知っている者だけで作業をしようとすると、そうなってしまうのである。
テンダーの弟子については、テンダー一人で累造の持ち込んだものの開発はできないため、口の堅い何人かには魔法の事を話してしまっている。
掘っ立て小屋の中には、石材でできた配水用のマスが既に設置されており、元々の水道管への仮設の配管も為されている。後は、マスの横に有る、マスの縁と同じ高さに合わせて作られた台座に石材を乗せ、魔法を発動させれば水道が使えるようになる。
そして、ひーこら言いつつ石材を台座の上に設置し終わった。
「たった三日でよくこれだけのものができましたね」
小屋の中を改めて見回し、累造は感嘆した。
「水道は重大事だからね。みんな頑張ったし、役所も随分と協力してくれたよ」
ケメンは何でもなかったような口ぶりで話すが、大勢を取り纏めるのは容易ではなかった筈だ。累造は尊敬の念を抱かずにはいられなかった。
「さあ、早速水を出してみてくれ」
「はい」
頷いて魔法陣に手を掛ける。
『出でよ、水っ』
日本語で紡がれた言葉と共に、水が勢いよく噴き出した。勢いが有りすぎた。
「累造君? これはどうにかならないものかな?」
水を滴らせながらケメンが尋ねた。
「マスに水が溜まってしまえば、どうにか?」
同じく水を滴らせながら答える累造とて自信は無い。この、周り中に飛ぶ水飛沫を止められるかどうかなど判らない。
勢いよく出た水はマスの反対側の壁にぶつかって、盛大な水飛沫となっている。水に勢いが有るのは判っていたため、マスを使って一旦勢いを弱めてから配水する設計だったが、水の勢いは予想以上だった。累造は普段から小さいものを使っていて、慣れすぎてしまっていたのだ。
「マスから水が溢れるのも困るから、あまり水が溜めるようにもできないんだよね」
水飛沫は飛んでいるが、出る水量が配水可能な量よりも十分少なくなるように魔法陣を描いているので、マスが満杯になる事はない。マスの出口を工夫して、溜まっている水量が多ければ多く配水するようになっているのだ。
そうこう話している間にマスの半ばで溜まる水は増えなくなった。大凡、設計通りである。しかし、水飛沫はまだ止まない。
「少し下向けるか、いっそマスの中に沈めちまうか?」
テンダーは少々投げ遣りである。
「そうだね、まずは傾けてみる事にしよう」
ケメンの決定に従い、石材に石を噛ませて傾けると、魔法陣から噴き出す水はどうにか全て水面へと行くようになった。
「累造君の魔法にも、結構癖があるものだね」
ケメンの正直な感想である。
水道については今後、掘っ立て小屋の壁をレンガにし、配水管は埋設したものに移行する事になる。
◆
累造が雑貨店に帰ると、ルゼが伏せっていた。チーナに様子を尋ねると、顔が赤く、頭がくらくらして寒いと言ってるのだと言う。
慌てた。
「直ぐに冷たいタオルでルゼさんの首筋を冷やしてください」
チーナにそう指示すると、累造はレモンのはちみつ漬けで薄いレモネードを作り、それに小さじ一杯の塩を加えた。
「ルゼさん、これを飲んでください」
ルゼがのろのろと口に含み、顔を顰めた。
「なんだ、これ?」
「美味しくないとは思いますが、頼みますから飲んでください」
真剣に訴えると、ルゼが渋々ながらに飲み始めた。最初はちびちびとでしかなかったが、次第に勢いがつく。
「ルゼさん、もっとゆっくり飲んでください!」
今度は押し止めるのに苦労する。それから塩入のレモネードを数回作り直し、ルゼがもういらないと言うまで飲ませ続けた。
飲み終わった頃にはもうルゼは寒いと言わなくなっていた。
「一体どう言う事なんです?」
チーナには累造がしていた事の理由が判らなかった。
「熱中症です。迂闊でした。朝からもう症状が出始めてたのかも知れません」
「熱中症?」
「汗をかきすぎると起きる病気です」
「だけど、店長は水を随分飲んでましたよ?」
「ただの水だと塩分が足りなくなって、悪化しかねないんです」
「え?」
チーナは目を見開いた。
「おまけにルゼさんは朝食をあまり摂ってなかったから、余計に塩分が足りなくなってたんでしょう」
「なんて事……」
「でも、間に合って良かったです」
「もう大丈夫なんですか?」
「はい、寒気は無くなったようなので、もう暫くの間、塩入りのレモネードを飲ませれば大丈夫でしょう」
「はあぁ、いつもはお姉さんぶってるのに、こんな時には私は役立たずですね」
少なからず落ち込んでしまった。
「いえ、チーナさんにはお姉さんぶってて貰わないと困ります」
「なんですか? それ」
仄かに苦笑いした。
夕食までにはルゼも回復し、ナスの糠漬けを食べている。
「やっぱり変な味だな」
「ほんとにそうですね」
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