魔☆かるちゃ~魔王はこたつで茶をすする~

浜柔

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 モトバは次の日からもたまたま居合わせた宿泊客をも巻き込んで爛れた日々を存分に楽しんだ。
 そしてあっと言う間にダンジョンに戻る日だ。

「俺、途中から記憶が曖昧なんだが」
「来た日に温泉に入って、飯食って、ちょっと気持ち良くなって……、他を思い出せねぇや」
「俺も似たようなもんだ」

 探索者達はここで本来の目的だった異世界探索が全く進んでないことに思い至るのだが、取り返しは付かない。
 温泉宿での日々の間に何者かの監視の目が濃くなっていたからでもある。

『またのお越しをお待ちしております』

 女将は冷めることを知らなかった火照った身体を包み隠さず頭を下げる。

『マタ キタイ デース』

 モトバもそれに軽く応えた。
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