魔☆かるちゃ~魔王はこたつで茶をすする~

浜柔

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1856.現金

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 魔法使いは「これで買える」と考えていた。
 しかし店員ゴーレムが現金を受け取らない。

『こちらの画面の現金ボタンを押してください』
「え? 何て?」
「こっちの何とかボタンを押してとか?」

 ヒーラーは異世界のアニメやドラマである程度聞き取りができるようになっていた。

「ボタン?」
「あ、これじゃないですか? 確かこれお金って意味の字ですよ」

 ヒーラーは画面に映る「現金」の字を指した。

「なるほどこれかぁ。他のを押したらどうなるのかしら?」
「……面倒になるだけだと思いますから止めておきましょう」

 ヒーラーはずずずいっと凄んだ。
 魔法使いは冷や汗を垂らして「現金」を押した。
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