魔☆かるちゃ～魔王はこたつで茶をすする～

１５９０．滞在中

　地方の女神教徒は改めてベースの町を散策している。
　ダンジョンの女神教徒から遠い戦場に見た光景が再現されることを聞かされては見ずには帰れない。
　実施日は後日伝えられるとのことで、それまでは滞在し続けるのだ。

「見たことの無い食べ物ばかりで目移りするな」
「全種類制覇したいよな」
「そうしたいのはやまやまだが金がな……」

　彼らは長く滞在するつもりは無かったので所持金が多くはない。
　滞在期間が延びたのに加えて珍しい料理の数々だから帰りの旅費を可能な限り絞って小遣いを捻出していた。

「それなんだが、冒険者登録するのはどうだ？　別に縛りがある訳じゃないらしい」
「だけどやるのは狩りだろ？　俺達にできるか？」
「無理だったらそん時にまた考えればいいさ。俺はやる」
「……まあそうだな。考えてたって金は稼げないしな」

　そんなこんなで彼らもまた冒険者登録をした。