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1531.意見
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先遣隊隊長は小隊長以上の人員を集めて会議を開き、意見を求めた。
「本国への帰還を希望します」
真っ先に声を上げたのは若い小隊長だった。
他の各隊長の大半も声にこそ出さないものの表情に賛意が見て取れる。
先遣隊隊長の危惧した通りだったが、彼は無理もないとも考える。
慎重に準備をした計画をいざ実行に移したら殆ど訳の判らない間に敗北、拘束されてしまったのだ。
経緯が判明している戦闘もあるが、劣情に支配されている間に無力化されると言う口に出すのが憚られるものだった。
これでは心が折れてても仕方がない。
隊長自身、責任が無ければ引き籠もりたいような状況だ。
だが頷いてはいられない。
懸念事項を伝えなければならない。
しかし隊長自ら言うのは如何なものかと各自の顔を見回していると、厳しい顔で見詰め返す古参の瞳があった。
会議の切っ掛けにもなったダンジョンに引き返すかを尋ねた小隊長だ。
目配せで発言を促す。
すると彼は言った。
「このまま本国に帰還した場合は脱走兵として扱われる虞があります」
場がざわついた。
「本国への帰還を希望します」
真っ先に声を上げたのは若い小隊長だった。
他の各隊長の大半も声にこそ出さないものの表情に賛意が見て取れる。
先遣隊隊長の危惧した通りだったが、彼は無理もないとも考える。
慎重に準備をした計画をいざ実行に移したら殆ど訳の判らない間に敗北、拘束されてしまったのだ。
経緯が判明している戦闘もあるが、劣情に支配されている間に無力化されると言う口に出すのが憚られるものだった。
これでは心が折れてても仕方がない。
隊長自身、責任が無ければ引き籠もりたいような状況だ。
だが頷いてはいられない。
懸念事項を伝えなければならない。
しかし隊長自ら言うのは如何なものかと各自の顔を見回していると、厳しい顔で見詰め返す古参の瞳があった。
会議の切っ掛けにもなったダンジョンに引き返すかを尋ねた小隊長だ。
目配せで発言を促す。
すると彼は言った。
「このまま本国に帰還した場合は脱走兵として扱われる虞があります」
場がざわついた。
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