魔☆かるちゃ～魔王はこたつで茶をすする～

１２８８．想像した展開

　女猟師はオリエを呆然と見送った後、不意に視線を感じた。
　周囲に目を向ければ少なくない男達が遠巻きに好色な目でによによとにやけている。
　その気持ち悪さで無意識に胸を抱くと、ふよんと極めて防御が薄い感覚。
　ここで漸くクリーチャーに防具も服も破り取られたのを思い出した。

「きゃああああ！　犯されるぅぅ！」

　女猟師は悲鳴を上げて蹲る。
　だが女猟師が想像した展開にはならなかった。
　女猟師の想像した通りの行動を取ろうとした男も混じってはいたが周りが止めた。
　彼らはオリエが関わっていたのも目撃していたのだ。
　オリエ絡みの案件に変に手出ししてオリエに制裁されては堪らないと考える。
　オリエが制裁を行った実績が無くても関係ない。印象の問題だ。
　そこそこの実力の持ち主にはオリエが畏怖の対象になっていて「触るな危険」な扱いになっている。
　同時に女猟師への手助けも躊躇うチキンハートの持ち主達だった。
　女猟師はそんな彼らに疑問を持ちながらもアイテムボックスから着替えを出すのも忘れ、全裸のままベースの町へ走った。