魔☆かるちゃ～魔王はこたつで茶をすする～

１０５２．ダンジョン民政局

「冗談じゃないわ！」

　ダンジョン民政局局長はモトバの提案に吠えた。
　しかしモトバとてからかい半分。「おほほ」と笑って受け流す。
　剣士はそんな２人を横目に見ながら自警団に言った。

「お前達の気持ちは解らんでもないが、無理に出演させるのはなぁ。無理矢理ってのが好きなヤツも居るだろうが、殆どのヤツには退かれるだろ」
「だけどよ。こいつから被った被害はそのくらいさせなきゃ回収できないんだぜ？」
「確かに猟師をさせる訳にも行かんだろうしな」

　猟師なら１万エーンを稼ぐ見込みが無い訳ではない。
　だが逃亡の虞がある。

「あら、そんなのは自分から出演したがるように仕向ければ良いのです」

　モトバが口を挟んだ。

「どうやって？」
「勿論、イジめて差し上げるのですわ」

　モトバは妖艶な笑みを浮かべた。