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1044.ダンジョン民政局

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 ダンジョン民政局局長がイキろうとも、住民からすれば「乞食が来やがった」くらいの印象だ。
 行政代わりとして自治会が在り、治安は自警団によって守られ、生活インフラは冒険者ギルドで賄われている。
 地上の行政府の出る幕は全く無かった。
 そこを押して徴税だけしようとするのだから反発しか生まれない。
 局長は拳を振り上げる。

「地上の店で課税する件はどうなった!?」

 しかし局員は答えた。

「それが……、地上とダンジョンとでは別会社にされていまして……」

 商人達はこんな事もあろうかと、ダンジョンでの事業を拡大する途中、地上とダンジョンとで完全に経営を分けていた。
 局長はこの失態により自らのキャリアに傷が付くのを恐れ、頭を掻きむしった。
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