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602 不安定
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ルキアス達は階層更新優先で、『傘』に乗って移動し、大半の魔物との戦闘を避ける。それでも階層を更新した時には大体の手応えを確認するための戦闘を欠かさない。ルキアス、ザネク、シャルウィの場合はどこまで戦えるか確かめる意味も加わり、完全な一対一の状況を深層組に整えて貰っての戦闘だ。
シャルウィは第五五階層から魔物を倒すのが難しくなった。魔法の相性の悪さが覆せない。
ルキアスは第六〇階層辺りから不安定になった。魔物の動きに置いて行かれ気味で命中率低下。二回の射撃を外して『傘』での防御を余儀なくされ勝ちだ。『傘』で防ぐ状況ではあまりに間合いが近過ぎて攻撃に転じらず、逃げることになる。
ザネクは第六五階層辺りから不安定になった。盾としての『傘』が機能しなくなって来ている。
「ザネク君も厳しくなってるから、できれば少し腰を据えて実力の底上げをした方がいいのだけど、悪いけど先を急がせて貰うよ」
フヨヨンにしては申し訳なさそうに言うので、皆が首を傾げた。
その後も探索は順調に進む。……かのように見えた。
立ち塞がったのは第七〇階層だ。
「水没してるね……」
「この下全部かしら?」
「ここが忘れ去られた原因が水没なんだったら、それもあり得る」
「実に当たって欲しくない予想だね」
「だけど今はその検証は後回しにして、六九階で安全地帯を探しましょうか」
「そうだね」
第七〇階層にどう挑戦するか腰を据えて検討するためにも、挑戦に失敗した時の避難所の確保のためにも必要だ。
これには五日ほど費やした。第七〇階層への下り階段に近い場所だったのはちょっとした幸運だ。
「さて、先送りした問題に目を向けなければならない時が来たね」
「先送りって言っちゃった……」
「誤魔化しても名案は浮かばないからね」
「その事ですけど、ぼくに案があります」
「ほう。それは是非聞きたいね」
「『傘』を使うんです。ザネクの『傘』に乗って、ぼくが『傘』を上から被せたら濡れずに水の中を行けます」
『傘』を上に向けて差して水に沈めれば『傘』の中には空気が溜まったままになる。この空気の中にザネクの『傘』で位置取れば水に濡れない。
ただ、魔物への対応や空気の量についての課題は残されている。
「潜水中の課題はこの際目を瞑って、階層に入って直ぐの所までの往復を試してみようじゃないか」
フヨヨンの提案に皆頷いた。
シャルウィは第五五階層から魔物を倒すのが難しくなった。魔法の相性の悪さが覆せない。
ルキアスは第六〇階層辺りから不安定になった。魔物の動きに置いて行かれ気味で命中率低下。二回の射撃を外して『傘』での防御を余儀なくされ勝ちだ。『傘』で防ぐ状況ではあまりに間合いが近過ぎて攻撃に転じらず、逃げることになる。
ザネクは第六五階層辺りから不安定になった。盾としての『傘』が機能しなくなって来ている。
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その後も探索は順調に進む。……かのように見えた。
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「ほう。それは是非聞きたいね」
「『傘』を使うんです。ザネクの『傘』に乗って、ぼくが『傘』を上から被せたら濡れずに水の中を行けます」
『傘』を上に向けて差して水に沈めれば『傘』の中には空気が溜まったままになる。この空気の中にザネクの『傘』で位置取れば水に濡れない。
ただ、魔物への対応や空気の量についての課題は残されている。
「潜水中の課題はこの際目を瞑って、階層に入って直ぐの所までの往復を試してみようじゃないか」
フヨヨンの提案に皆頷いた。
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