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570 新しい武器は
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第二三階層まではシャルウィとザネクが交互に魔石を回収しながら進む。小走りのタイラクに遅れるようなら魔石を諦めて進むので然程の遅滞は起きない。
各階段は最短ルートを通れば意外に近く、第二三階層には二時間程で到着した。途中に出現する魔物はもっと上の階層と代わり映えしない。爬虫類や両生類の類の姿のものばかりだ。
「思ったより早かった……」
「そうね。だけどこれ以上先に進むなら途中の魔石は全部捨てた方がいいわ」
ルキアスの呟きにはメイナーダが答えた。その答えを聞いてルキアスも一つ頷く。
ここまで行き掛けの駄賃とばかりに魔石を回収していたが、もっと深い階層に行くなら魔石を見捨てて休み無く駆け足するくらいでなければ難しい。
ただこれはルキアス、ザネク、それにシャルウィの足での話だ。タイラクとメイナーダだけなら第二三階層までを魔石を回収しながらでも一時間と掛からず駆け抜けて来れるだろうし、この先のかなり深い階層まで日帰りできるだろう。
「だけど魔石を捨てるなら、ルキアスちゃんの『傘』でもっと早く来れるんじゃないかしら」
「……試してみた方がいいんでしょうか?」
「そうね。今日の帰りなんてどうかしら。タイラクはどう?」
「いいんじゃないか? 『傘』でのんびりも悪くない」
「そう言うことで決まりね」
「はい」
帰りをどうするかを決めても探索はこれからだ。
タイラクは道中にルキアスが作ったナイフを手に持った。
「新しい武器は試してみないとな!」
ノリノリだ。
早速出て来た魔物に近寄ると、魔物の攻撃を軽く躱してその胸元にナイフを突き入れる。軽く捻りながらナイフを引き抜くと、ピンと音を立てて何かがルキアスの許まで飛んだ。
「魔石!?」
ルキアスが受け止めると取れ立ての魔石だった。
「どうやったの!?」
「ナイフの背に載せるようにしてちょちょっとな」
シャルウィの問いともつかない声にタイラクは嬉しそうに答えた。
「まあ、切れ味のいいナイフじゃなけりゃこうはならないけどな。ルキアス、このナイフ気に入ったぜ」
タイラクはまた魔物に向かうと、先と同じように魔石を弾き、今度はシャルウィへと飛ばした。
「する事無くなっちゃったわ」
「楽しんでるんだからさせておけばいいわ」
小さく頭を振るシャルウィにメイナーダが苦笑しつつ言った。
「あのアダマントの剣はこの辺りの魔物相手じゃ過剰だったもの」
ベクロテのダンジョンで換算するなら第五〇階層レベルの魔物でもタイラクには取るに足らない魔物なのだ。
各階段は最短ルートを通れば意外に近く、第二三階層には二時間程で到着した。途中に出現する魔物はもっと上の階層と代わり映えしない。爬虫類や両生類の類の姿のものばかりだ。
「思ったより早かった……」
「そうね。だけどこれ以上先に進むなら途中の魔石は全部捨てた方がいいわ」
ルキアスの呟きにはメイナーダが答えた。その答えを聞いてルキアスも一つ頷く。
ここまで行き掛けの駄賃とばかりに魔石を回収していたが、もっと深い階層に行くなら魔石を見捨てて休み無く駆け足するくらいでなければ難しい。
ただこれはルキアス、ザネク、それにシャルウィの足での話だ。タイラクとメイナーダだけなら第二三階層までを魔石を回収しながらでも一時間と掛からず駆け抜けて来れるだろうし、この先のかなり深い階層まで日帰りできるだろう。
「だけど魔石を捨てるなら、ルキアスちゃんの『傘』でもっと早く来れるんじゃないかしら」
「……試してみた方がいいんでしょうか?」
「そうね。今日の帰りなんてどうかしら。タイラクはどう?」
「いいんじゃないか? 『傘』でのんびりも悪くない」
「そう言うことで決まりね」
「はい」
帰りをどうするかを決めても探索はこれからだ。
タイラクは道中にルキアスが作ったナイフを手に持った。
「新しい武器は試してみないとな!」
ノリノリだ。
早速出て来た魔物に近寄ると、魔物の攻撃を軽く躱してその胸元にナイフを突き入れる。軽く捻りながらナイフを引き抜くと、ピンと音を立てて何かがルキアスの許まで飛んだ。
「魔石!?」
ルキアスが受け止めると取れ立ての魔石だった。
「どうやったの!?」
「ナイフの背に載せるようにしてちょちょっとな」
シャルウィの問いともつかない声にタイラクは嬉しそうに答えた。
「まあ、切れ味のいいナイフじゃなけりゃこうはならないけどな。ルキアス、このナイフ気に入ったぜ」
タイラクはまた魔物に向かうと、先と同じように魔石を弾き、今度はシャルウィへと飛ばした。
「する事無くなっちゃったわ」
「楽しんでるんだからさせておけばいいわ」
小さく頭を振るシャルウィにメイナーダが苦笑しつつ言った。
「あのアダマントの剣はこの辺りの魔物相手じゃ過剰だったもの」
ベクロテのダンジョンで換算するなら第五〇階層レベルの魔物でもタイラクには取るに足らない魔物なのだ。
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